Posts Tagged ‘福島第一原発’

運転中の原発の改善案

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藤沢数希が原発を擁護しています。私もこの意見には賛成ですが、これから新しい原発の建造が政治的に可能かどうかは今のところ不明です。そこで、いま動いている原発が福島第一原発の二の舞にならないようにする為に、どうしたら良いかという事について考えてみました。

1)全停電対策。
  -非常用発電機をビルの上階か屋上へ移動する。適当なビルがなければ、新しく建てる。

  -非常用バッテリーの予備と充電器とそれを動かす小型の発電機を本社で備蓄する。
  -国内で調達可能な電源車の仕様にあわせて、緊急冷却システムの電源プラグや入力電圧を改善する。
  -最終防衛ラインとして、人力発電機というのも検討する。手動回転の発電用ダイナモ(防水設備)を地下に埋め、地上の十字バーを、数十人の屈強な自衛隊員が昼夜回し続ける(中世の奴隷船にそういうシーンがあっただろうか?)というのは可能だと思うのですが。

2)津波対策
  -原発周辺の海岸線100-200キロについて、土地のボーリング調査を行い、地質学的な津波調査を行って、設備が想定するべき津波の大きさを科学的に予測する。
  -津波堤防の高さを増す。但し津波堤防で防げるのは直撃だけであり、回り込みによる津波を防ぐ事はできないと考えるできです。
  -非常用発電機の項目とダブるが、屋外と地下にある重要な設備はすべて、防水かつ津波の威力で破損しないように対策するか、津波の届かないビル上階へ移動する。
  -2次冷却水の取水用ポンプは、常設型設備の他に、手動で仮設できる緊急用の取水系統を用意する。
  -2次冷却水の取水口の海には、津波の引き波でも海水がなくならないように、コンクリートで囲ってプールになるように、地震の後は水門を閉めればプールの水位を維持できるようにする。プールは津波の衝撃で壊れてはいけない。

3)全停電時の非常用冷却対策
  -敷地内の地下に、非常冷却用の真水(純水ではない)のプールを用意する。
  -上記対策にもかかわらず全停電が発生し、非常用バッテリーの最後の1時間が来たら、圧力容器にホウ酸注入して再臨界を抑止する事を非常用マニュアルに明記する。
  -冷却水が不足する場合、消防車のポンプで地下プールの真水を使用できるように改造する。
  -地下プールの真水が足りなくなったら、海水に切り替える。

4)水素爆発への対策
  -圧力容器内で発生した水素を外へ逃がす経路が、建屋内を通らずに外へ出られるように経路を改善する。建屋内に水素がたまらずにどんどん外へ出れば、建屋外で爆発する可能性は低くなる。

原発の設計情報があればもっと具体的な提案ができると思いますが、いま入手できる情報だけで考えると、改善点はこれくらいかと思います。


3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2011/04/03 at 13:53

Categories: 1.政治・経済, 2.科学技術   Tags:

土壌汚染関連情報

elm200さんが福島第一原発の周辺30キロの放射能による土壌汚染についての考察について述べています。セシウム137は半減期が30年と長く、植物に吸収されやすいので危険などだそうです。国際原子力機関(IAEA)と国連食糧農業機関(FAO)の専門家らは政府に対して、土壌汚染マップを作成して地域の状況に応じた対策を採るべきと提案しているようです。これについてはelm200さんがtwitterで、ほぼ一切の情報がないとつぶやいておられました。たしかに、ググってもなかなか見つからない。

ところで先週の朝ナマ池田信夫氏も出演していた)を見ていたら、出演者のひとりである民主党の大塚耕平厚生労働副大臣が、下記のような汚染マップを出していました。下図で、赤線の根元が福島第一原発、そのまわりを囲むギザギザ線(陸地側が見え難いのですが)が空気中を飛散する放射性物質の等高線。赤線の矢印の先端がおよそ30キロの地点だそうです。

これを見ると、半径30キロの半円が均等に汚染されているという訳ではなく、汚染物質の多くは海側へ飛散しているようです。陸地側では赤線の方向へだけ、汚染地域が延びているそうです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/04/02 at 22:48

Categories: 環境問題と地球温暖化ネタ, 1.政治・経済   Tags: ,

福島原発パーク

真正面から原子力発電を擁護する人が現われました。池田信夫氏は、自動車の死亡事故は5000人/年で、原発の0.04人/年に較べて圧倒的に危険であると述べています。それでも人々が自動車を捨てないのは、リスクを上回る利便性があるからでしょう。ちなみに、飛行機事故の死亡確率は0.04人(1億人輸送実績)だそうです。死亡確率で見ると、自動車より飛行機の方が安全だというのに似ていますね。

自動車や石油火力は原発より危険である

藤沢数希氏は、福島第一原発事故の補償金額について、半径20キロの住民に新しい家と移転補償(あわせて2500万円)を払ったとしても、2万世帯で5千億円と述べています。

原発を擁護する

きちんと統計数値を見れば、原発は化石燃料よりずっと安全だとわかりました。そこで提案ですが、福島第一の周辺20キロの世帯に、藤沢氏の提案に従って立ち退いて頂いて、福島第一原発の近くに、新しい原発を建設するというのはどうでしょうか。原発周辺を居住者がいないバッファーゾーンにすれば、仮に次のシビアアクシデントが発生しても、周辺住民はすでに、避難距離の外側にいます。バッファーゾーンに木や植物を沢山植えて公園にすれば、見た目も綺麗な公園が出来上がります。公園の中に大きな池をつくって、非常時の冷却水に使えるようにしておけば、一石二鳥という訳です。

最後になりましたが、世界で最初に、非常冷却水装置無しでの炉心冷却を行った東電や東芝など原子炉関連企業には、今回のノウハウをもとに、大規模災害に強い次世代型の沸騰水型原発のビジネスに活かして頂きたいと願っております。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/31 at 13:41

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東電の社債残高5兆円

政府筋でも東電の国有化が囁かれ始めました。ブログで無責任に国有化すべしという記事は先週からちらほらありましたが、政府関係者が口にし始めた事は注目すべき事態です。その根っ子にあるのは、おそらく東電の社債残高が5兆円もあり、東電が倒産すると、金融界は大混乱に陥る事を懸念してではないでしょうか。

東電、いずれにせよ「事実上」の国有化は避けられず

(引用開始)
東電が発行している社債残高は5.02兆円、ブルンバーグによるとニュージーランドの年間生産額の半分に達するという。
...
震災前は日本国債の利回りに0.1%程度の上乗せスプレッドで取引されていた東電社債は、25日時点では上乗せスプレッドが0.67%程度と6倍以上に拡大している。バンクオブメリルリンチのデータによると、7つの東電の社債は最低でも価格が5.64%下落した
...
東電は金融機関を除くと最大の社債発行者であり、債券のデフォルトは金融市場に大きなインパクトを与える。
(引用終わり)

政府は東電を救済するなという意見もありますが、東電が掘った穴に金融界が引きずり込まれない為には、国有化の他に道はないのかもしれません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/30 at 20:08

Categories: 1.政治・経済   Tags:

いかにもご都合主義な政府規制

今日の朝日新聞に「食品衛生法の放射線規制値「見直し必要」 戦略相が見解」という記事をみつけました。

(引用開始)
農産物の出荷停止や摂取制限の目安となる食品衛生法の放射性物質の暫定規制値について「国際比較でも厳しすぎる。このままだと何も食べられなくなってしまう」と述べ、見直しが必要との認識を示した。
(引用終了)

最初に考えなえればいけないのは、国内の規制値を、国際比較でも厳しすぎる値に設定していた理由です。国際的な規制値が「安全とはいえない」ならば、この状況でも規制値を下げるべきではありません。農産品の輸入障壁に使っていたのであれば言語道断。規制値は科学的な根拠をもとに決めるべきですが、その根拠となる元情報を役人の要求に合わせて御用学者が「創作」しているのであれば、そういう方々には退場ねがいたいものです。

また、記事は政治判断について述べています。

(引用開始)
閣僚懇では「規制値が安全に勝りすぎている」と述べ、政治判断で緩和するべきだと訴えた。
(引用終了)

安全であるか否かの規制値は「政治判断」するとはどういう事でしょうか。建前にしろ、規制値の設定には一定の科学的な裏づけがあった筈です。それを政治家が勝手に曲げられるというのも、これはこれで恐ろしい事です。

今回はたまたま、広域放射能汚染によって注目されたのが食品衛生法の放射能規制値でしたが、お役人の決める規制は一事が万事、こんな調子で、不必要に過剰な規制値になっているのかもしれません。

震災復興プランの中に、政府の規制を一旦すべて「国際基準」に合わせてリセットする「規制緩和案」というのを入れてみてはどうでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/29 at 11:58

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全停電時の非常用内臓発電機

福島第一原発の被災では、全停電により炉心の冷却ができずに問題になりました。もし、圧力容器の近くに独立した発電機があれば、少なくとも非常用冷却水への電源供給くらいは可能かもしれません。コンセプトは、緊急停止後の崩壊熱を利用した小型の蒸気タービン発電機を圧力容器のすぐ外側へ取り付けて、原子炉に独立した発電機を内臓させてはどうだろうかというものです。

圧力容器の外側(格納容器の内側)に小型の蒸気タービン式発電機を設置して、原子炉がバッテリー稼動に切り替わったところで、蒸気タービンへの弁を開くようにします。

圧力容器内で水温が上昇すると、蒸気タービンが回って発電し、その電力が非常用冷却水のポンプを動かすようにします。タービンを通過した蒸気は、冷却されて非常用冷却水のタンクへ落ちるようにします。圧力容器の水温が十分に下がれば、蒸気タービンは止まるでしょうが、その時には冷却水のポンプを回す必要もなくなります。

もし発電量に余裕があれば、他の計器類への供給も検討可能かもしれません。

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/28 at 23:20

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政府の初動対策が東電に阻まれた理由

まずは、福島第一原発の地震障害対応の問題を簡単にまとめてみました。

1)福島第一原発は津波のリスク、全停電のリスクが指摘されていた。

2)東電経営者は設備改善によるリスク低減を怠った。

3)東日本大震災の大津波が全停電と、原子炉の冷却機能喪失を起こした。

4)津波到来から数時間以内に菅首相が海水注入と10キロ避難を指示した。

5)東電経営者は設備保全を優先し、首相の指示は実現されなかった。

6)東電は冷却系の電源回復に失敗。

7)状況が悪化し、水素爆発や使用済み燃料プールの過熱で広域放射能汚染が広がった。

8)東電がギブアップして政府へ現場撤退を要請。

9)政府は東電要請を退け、統合本部を設置して現場への介入開始。

津波の首相の指示が東電に跳ね返されたのは何故でしょうか。福島第一原発は東電の資産であり、東電は民間企業です。明確な根拠なく、政府が私企業の資産を一方的に毀損させる法的根拠が(たぶん)曖昧で、首相といえども躊躇せざるを得ないのかもしれません。

原子炉が国有であれば、「廃炉」を東電に阻止される事はなかったでしょう。また、菅首相は大学で応用物理を専攻し、すぐに「海水注入」に考えが及びましたが、これは稀な例と考えるべきです。原発に重大な問題が生じた時には、ただちに政府首脳へ的確なアドバイスを行う支援組織が必要と考えられます。

これらの問題を解決するには、原発施設の国有化と、政府の原発政策と利害関係を共有しない原発や放射線の専門家による政府首脳へのアドバイスを行う機関の設立が必要かと考えます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 01:42

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原発の津波対策の提案

東日本大震災では、三陸の漁村にある津波堤防が、廻り込みによって家屋を流されて役に立たなかった事をNHKが報道していました。福島第一原発の津波堤防は7メートルなので、14メートルの津波に対応できなかったと言われていますが、仮に20メートルの津波堤防を設置しても、原発の敷地内だけであればどんな役に立つのかと疑問です。20メートルの津波堤防を何キロも設置しても、津波の長さが何十キロもあれば、結局は回り込んだ津波が原発施設へ到達します。

津波の危険は波の直撃よりもその水流(来る時と引くとき)が押したり引いたりする力である事を考えれば、原発の津波対策を津波堤防に依存する事が適切とはいえません。津波対策として、下記の実施を提案します。

1)非常用発電機と燃料の施設は、強固なビルの上層階へ設置して、海水を被らないようにする。
2)津波の引き波によっても冷却水が失われないように、海水プール(深さ数メートル)を屋外に設けて冷却水のバッファーとする。
3)屋外に設置するポンプ類はすべて防水型にして、津波の引き波で損傷しないようにコンクリート等でガードする。
4)冷却水の取水を人力で行えるような、人間が移動可能な、非常用バックアップ装置を常備し、ビルの上層階で保管しておく。

以上

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/27 at 13:31

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デスマーチの責任 – 菅首相の後悔

再度のレス記事を頂いた石田氏へ、再び感謝の言葉を述べます。私と石田氏の相違点は、福島第一原発への対応における政府首脳のリーダーシップの問題に絞られました。それでは本件について、一般論と管首相の対応の2つに分けて、再度意見を述べさせて頂きます。

1)一般論
首相や大臣などの政府首脳は、専門知識を有しない者であっても、日頃から官僚や審議会など政府内外の専門家をアドバイザーとして、難しい「判断業務」を行っています。(少なくとも建前上はそうである筈です)故に、たとえ原発事故への対応であれ、その判断を行うのは政府首脳に求められる業務の範囲内であると考えます。

また、専門家に検討させる時間が無い緊急時であって、過去に経験の無い未知の事象へ対応する場合、「積み上げ式の知識」で判断を行うのが困難の場合もあります。それでも政府首脳は、判断を下さねばならない状況があります。このような場合、たとえ直感しか頼るものが無くても、結果責任を負う覚悟を持って判断するのが政府首脳に課せられた責任ではないでしょうか。

2)管首相の対応
新しい情報を追加させて頂きますが、産経新聞(参考資料1)によれば、津波によって福島第一原発の炉内の冷却に問題が生じたとの報告が政府首脳へ届いた時に、管首相は「勘」によって「まず、安全措置として10キロ圏内の住民らを避難させる。真水では足りないだろうから海水を使ってでも炉内を冷却させることだ」と指示したが、東電の「激しい抵抗」で却下されたそうです。これが事実であるとすれば、管首相は福岡第一原発の問題を「政治主導」で解決しようとしたが、リーダーシップの欠如によってその機会を失い、東電本社に任せたところ結果が裏目に出たという事です。管首相はさぞや悔しかったでしょうが、全ては後の祭りです。

朝日新聞(参考資料2)によれば、枝野長官は、政府は福島第一原発を「廃炉」にする権限を持っていると述べています。毎日新聞(参考資料3)によれば、管首相は東電へ怒鳴り込んだ15日に、速攻で管首相を本部長とする統合本部を設立しました。その日の会見で枝野長官は「政府と東電が物理的にも一体化し、現地情報を受け止め、一体的に判断し指示していくことが事態の収束に重要だ」と述べて、政府主導を(私には不完全に見えますが)実現させています。これらの内容をまとめると、政府は福島第一原発の障害対応において、統合本部を設立して東電を対策組織へ取り込む権限、障害対策中の原子炉を廃炉にする権限を持っていた事は明白です。

上記の内容から、デスマーチの責任はやはり、東電の抵抗に屈し、自分の「判断」を通す事ができなかった管首相にあると考えます。ちなみにデスマーチの範囲は、石田氏が想定しておられる「原子炉冷却及び放射性物質閉じ込めオペレーション」です。

この記事はアゴラへ投稿したものです。

参考資料
1)産経新聞:「東電のバカ野郎が!」官邸緊迫の7日間 貫けなかった首相の「勘」 またも政治主導取り違え(2011.3.18 00:15)
2)朝日新聞:枝野官房長官の会見全文〈20日午後4時半〉(2011年3月20日21時2分)
3)毎日新聞:東日本大震災:原発事故で統合本部 政府と東電(2011年3月15日 9時34分
4)リーダーシップ(wiki)

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/23 at 14:25

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags:

海水注入は格納容器か圧力容器か?

保安院のプレス発表で、原子炉への海水注水について、地震被害情報(第20報)(3月13日 16時30分現在)から「格納容器内へ消化ラインを用いて海水注水」となっていましたが、地震被害情報(第28報)(3月17日17時30分現在)及び現地モニタリング情報から、「原子炉圧力容器内に消火系ラインを用いて海水注入」という表現に変わっています。それまでずっと、圧力容器を格納容器と勘違いしていたのか、それとも第28報から間違いが始まったのか、いったいどちらが正しいのでしょうか。この間違いは東電が原因か、それとも保安院が原因なのでしょうか。どちらにしろ、こんな重要なところで間違えるとは、あいかわらず政府発表の情報の信頼性は低いと言わざるを得ません。

参考として、保安院のプレス発表(地震被害情報(第43報)(3月22日18時00分現在))から、津波発生第一報(11日 16:36)から現在までの福島第一原発の各施設の状況サマリーを下記にコピペしましたのでご参照下さい。(下記の1号機から3号機までの内容で、圧力容器格納容器の記述には、私が色をつけています。)

<1号機関係>

・原子力災害対策特別措置法第15条(非常用炉心冷却装置注水不能)通

報(11 日 16:36)

1号機の原子炉圧力容器内に消火系ラインを用いて海水注入開始(12 日

20:20)→14 日 01:10 一時中断

・1号機で爆発音。(12 日 15:36)

原子炉圧力容器へ海水注入中。(22 日 18:00 現在)

<2号機関係>

・原子力災害対策特別措置法第15条(非常用炉心冷却装置注水不能)通

報(11 日 16:36)

・3号機の建屋の爆発に伴い、原子炉建屋ブローアウトパネル開放(14 日

11 時過ぎ)

・原子炉圧力容器の水位が低下傾向(14 日 13:18)。原子力災害対策特別措

置法第15条事象(原子炉冷却機能喪失)である旨、受信(14 日 13:49)

原子炉圧力容器内に消火系ラインを用いて海水注入準備(14 日 19:20)

・原子炉圧力容器の水位が低下傾向(14 日 22:50)

・2号機で爆発音するとともに、サプレッションプール(圧力抑制室)の

圧力低下(15 日 6:10)。同室に異常が発生したおそれ(15 日 6:20 頃)

・外部送電線から予備電源変電設備までの受電を完了し、そこから負荷側

へのケーブル敷設を実施(19 日 13:30 現在)

・使用済燃料プールに海水を40t注入(冷却系配管に消防車のポンプを

接続)(20 日 15:05~17:20)

・2号機のパワーセンター受電(20 日 15:46)

・白煙が発生(21 日 18:22)

・白煙はほとんど見えない程度に減少(22 日 7:11 現在)

・使用済燃料プールに海水を 18 トン注入(22 日 16:07~17:01)

原子炉圧力容器へ海水注入中(22 日 18:00 現在)

<3号機関係>

3号機の原子炉圧力容器内に消火系ラインから真水注入開始(13 日 11:55)

3号機の原子炉圧力容器内に消火系ラインから海水注入開始(13 日 13:12)

・3号機及び1号機の注入をくみ上げ箇所の海水が少なくなったため停止

(14 日 1:10)

・3号機の海水注入を再開(14 日 3:20)

3号機の格納容器圧力が異常上昇(14 日 7:44 )。原子力災害対策特別措置4

法第15条事象である旨、受信(14 日 7:52)

・3号機で1号機と同様に原子炉建屋付近で爆発(14 日 11:01)

・3号機から白い湯気のような煙が発生(16 日 8:30 頃)

3号機の格納容器が破損しているおそれがあるため、中央制御室(共用)

から作業員退避(16 日 10:45)。その後、作業員は中央制御室に復帰し、

注水作業再開(16 日 11:30)

・自衛隊ヘリにより3号機への海水の投下を4回実施(17 日 9:48、9:52、

9:58、10:01)

・警察庁機動隊が放水のため現場到着(17 日 16:10)

・自衛隊消防車により放水(17 日 19:35)。

・警察庁機動隊による放水(17 日 19:05~19:13)

・自衛隊消防車5台が放水(17 日 19:35、19:45、19:53、20:00、20:07)

・自衛隊消防車6台(6t放水/台)が放水(18 日 14 時前~14:38)

・米軍消防車1台が放水(18 日 14:45 終了)

・東京消防庁ハイパーレスキュー14台が正門前に到着し(18 日 23:10)、

うち、6台が地上放水のため発電所に入構(18 日 23:30)

・東京消防庁ハイパーレスキュー隊が放水(20 日 3:40 終了)

3号機の格納容器内圧力が上昇(20 日 11:00 現在 320kPa)。圧力下げる

ための準備を進めていたが、直ちに放出を必要とする状況ではないと判

断し、圧力監視を継続(21 日 12:15 120 kPa)

・ケーブル引き込みの現地調査(20 日 11:00~16:00)

・東京消防庁ハイパーレスキュー隊が3号機の使用済燃料プールに放水(20

日 21:39~21 日 03:58)

・外部電源復旧工事中。

・灰色がかった煙が発生(21 日 15:55 頃)

・煙が収まっていることを確認(21 日 17:55)

・灰色がかった煙は白みがかった煙に変化し終息に向かっていると思われ

る(22 日 7:11 現在)

・東京消防庁ハイパーレスキュー隊が放水(22 日 15:10~15:59)

原子炉圧力容器へ海水注入中(22 日 18:00 現在)

<4号機関係>

・原子炉圧力容器のシュラウド工事中のため、原子炉圧力容器内に燃料は

なし。

・4号機の使用済燃料プール水温度が上昇(3 月 14 日 4:08 時点 84℃)

・4号機のオペレーションエリアの壁が一部破損していることを確認(155

日 6:14)。

・4号機で火災発生。(15 日 9:38)事業者によると、自然に火が消えてい

ることを確認(15 日 11:00 頃)

・4号機で火災が発生(16 日 5:45 頃)。事業者は現場での火災は確認でき

ず(16 日 6:15 頃)。

・自衛隊が4号機の使用済燃料プールへ放水(20 日 9:43)

・ケーブル引き込みの現地調査(20 日 11:00~16:00)

・自衛隊が4号機の使用済燃料プールへ放水(20 日 18:30 頃~19:46)

・自衛隊消防車13台が使用済燃料プールに放水(21 日 06:37~08:41)

・パワーセンターまでのケーブル敷設工事完了(21 日 15:00 頃)

・パワーセンター受電(22 日 10:35)

・コンクリートポンプ車(50t/h)による放水開始(放水時間は3時

間の予定)(22 日 17:17)

<5号機,6号機関係>

・6号機の非常用ディーゼル発電機(D/G)1台目(B)は運転により電力

供給。復水補給水系(MUWC)を用いて原子炉圧力容器及び使用済燃料

プールへ注水。

・6号機の非常用ディーゼル発電機(D/G)2台目(A)起動。(19 日 4:22)

・5号機の残留熱除去系(RHR)ポンプ(C)(19 日 5:00)及び6号機

の残留熱除去系(RHR)ポンプ(B)(19 日 22:14)が起動し、除熱機

能回復。使用済燃料プールを優先的に冷却(電源:6 号の非常用ディーゼ

ル発電機)(19 日 5:00)

・5号機、冷温停止(20 日 14:30)

・6号機、冷温停止(20 日 19:27)

・5号機及び6号機、起動用変圧器まで受電(20 日 19:52)

・5号機、電源を非常用ディーゼル発電機から外部電源に切り替え(21 日

11:36)

<使用済燃料共用プール>

・18日6:00過ぎ、プールはほぼ満水であることを確認。

・19日9:00時点でのプール水温度は57℃程度。

・共用プールに注水(21 日 10:37~15:30)

・21日16:30時点でのプール水温度は61℃程度。

参考資料
池田信夫blog : 危機は避けられたか
アゴラ:デスマーチの責任

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 00:26

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首相の指示は海水注入だった

産経新聞は18日の、「東電のバカ野郎が!」官邸緊迫の7日間 貫けなかった首相の「勘」 またも政治主導取り違えという記事で、津波の直後に、「大津波をかぶって自動冷却装置が破損し、炉内の冷却が思うようにいかない」という報告が管首相まで届いていたと述べています。

政治主導を掲げる管首相は、「まず、安全措置として10キロ圏内の住民らを避難させる。真水では足りないだろうから海水を使ってでも炉内を冷却させることだ」と指示したそうです。しかしそのどちらも、東電によって退けられました。直感という事だそうですが、結果論から見ると、なかなか良い判断であった訳ですから、リーダーシップを発揮して自分の意見を押し通して、津波直後に、緊急停止した3つの原子炉の格納容器へ海水注入してれば、福島第一原発の障害状況はかなり変わっていた可能性があります。

管首相は東工大学の理学部応用物理学科なので、学生運動にのめり込んでいたとはいえ、そこいらの政治家よりは、原子力に関する基礎知識や理解力は高いのかもしれません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/22 at 16:50

Categories: 1.政治・経済   Tags:

デスマーチの理由 – 石田氏への反論

わざわざ批判記事を書いて頂いた石田氏へ、まずは感謝の言葉を述べます。それでは、下記の①と②について反論を開始させて頂きます。

①現在の福島第一原発での事故への対処プロジェクトにおいて、このプロジェクトをデスマーチ化させたのは、政府、であるという点について。

石田氏記事のコメントで述べておられた「リーダーシップがあればデスマーチにならなかった」という事に絡めて意見を述べます。経産省の原子力安全・保安院(以下保安院と省略)の3月12日の午前0時30分のプレス発表を見ると、福山第一原発では「電源車3-4台が敷地内で待機中」とあるので、緊急炉心冷却システム(以下ECCSと省略)が夜半に停止する事を掌握していました。12日の午前7時の時点で、「電源車のケーブル繋ぎ込み作業中」であり、電源接続作業がうまくいってない事も理解していました。その後のプレス発表を追いかけ続けてみて感じたのは、驚く事に保安院は、その場凌ぎの対応を東電に続けさせていたという事です。

沸騰水型原子炉の技術解説記事を読むと、ECCS無しで炉心の冷却を行う場合に容易に想定されるのは、炉心の崩壊熱により、圧力容器内の水蒸気圧の上昇、炉心の溶解、そして可能性は低いものの、圧力容器の底へ落下した燃料の再臨界というシナリオです。「廃炉」の決意なく、全停電状態を続けるのが無謀である事は明白であり、東電と保安院は、極めて危険な綱渡りをしている事になります。

政府首脳が福島第一原発問題の評価や対策を保安院へ丸投げせず、危機的状況を管首相にまで報告していれば、早ければ11日深夜、遅くても12日早朝にも、チュルノブイリ化を何よりも恐れている管首相が、早期の「廃炉」決定を行う事はできたと考えます。(格納容器を持つ福島第一原発がチュルノブイリ化する事は実際には無い筈ですが...)

②東電の災害時対応マニュアルの想定外の事態が起こった場合、それ以外の対応については政府の責任であるから、政府が直ちに現場の指揮権を奪い、介入すべきであったという点について。

福島第一原発とその周辺の災害対策を、統合本部が管理する重要性について述べます。私はサブプライムローンのようなブラック・スワンを管理せよと言っている訳ではなく、石田氏の指摘はポイントがずれています。そうではなくて、いまそこにある危機を管理せよと述べています。レベル5とか6を想定した原子炉障害対策においては、単に原子炉そのものへの対応が要求されるだけでなく、最悪のシナリオをも想定した、原子炉と周辺住民へのダメージ制御を統合的に準備し運用する必要があるという考えを統合本部に要求する機能で述べました。福島原発周辺住民の避難範囲が、3キロ、10キロ、20キロと短時間にエスカレートして、避難住民に大きな混乱をもたらしたのは、東電と政府が対策組織として分離している弊害の典型例かと思われます。

原子炉そのものへの障害対策について述べます。これが極めて専門性の高い内容である事は石田氏が指摘する通りです。統合本部の責任者(経産省大臣?)が無理に理解する必要はありません。政府側が東電の指揮系統や個々の対応に口を挟む必要もありません。大臣は全体的な方針を決定し、原子炉への対応は、先に述べたように、東電へ任せれば良いでしょう。大枠の策定や東電の作業内容の妥当性評価については、大臣の下に支援チーム(危機管理の専門化、原発の理論や設計の専門家、原発開発メーカーの技術責任者など)を招集すれば良いでしょう。統合本部は現場を混乱させるのが目的ではなく、現場が実現可能な方向性を定め、必要な資源を集めて供給し、現場で起こる状況の最終責任を負う事を現場に明確化する事です。

想定外の天災における東電と政府の責任について述べます。電力会社は公共性の強い企業ですから、自動車会社のリコールと同列で語るのは正しいとはいえません。また東電は天災によるダメージの他に、原子炉が廃炉になる事で大きな経済的損失を負います。法律に別段の定めなく、東電の障害対応に大きな過誤がない限り、東電の責任はここまでにするべきと考えます。障害対応の為に東電以外の資源を利用した経費や、周辺住民の避難に関する費用や補償、原発外へ拡散した放射能汚染に対する補償などは、他の災害対策費用と同様に政府が負担するべきと考えます。また、それを法的に明確化する為にも、東電の現場組織は、政府主導の統合本部の下に置くべきです。

最後に申し上げたいのは、デスマーチの責任は、「悪魔の後出しじゃんけん」で東電や政府を批判する為に書いた訳ではありません。現在進行中の福島第一原発の原子炉障害への対応について、東電が一貫性のある明白な戦略のもとで、現実的で、よりリスクが低いと思われる障害対応活動を行うように、統合本部の下で改善を求めること事が目的です。

この記事はアゴラへ投稿したものです。

参考資料
1)危機は避けられたか
2)MIT原子力理工学部による改訂版・福島第一原発事故解説
3)MIT原子力理工学部による「崩壊熱」についての解説
4)MIT原子力理工学部による「最悪のシナリオ」予測に関するコメントと解説
5)遅きに失した統合本部に要求される機能
6)非常用炉心冷却装置
7)内閣安全保障室
8)原子力安全・保安院 プレス発表

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無能で隠蔽体質の東電

大前研一ライブ579(地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後)によると、東電はもともと隠蔽体質がずっとあり、今回の障害対応でも東電は政府に嘘をつき続けているので、東電の報告を鵜呑みにしている日本の大本営発表を、海外の政府やメディアはまるで信用していないと述べています。

これは恐らく、現場ではなく、東電本社の経営体質を批判しているのでしょう。また、経産省の保安院は、結局、原発の事を何も分かっていないという事が分かったとも述べています。

また、福島第一原発の対策については、米英の原子力発電のエキスパートを日本へ召集し、必要なら大前氏が日本側のエキスパート・チームのリーダーになり、「みんなで知恵を出し合って、どう対応して行けば良いか考えてゆこう」と述べています。彼の言う意味は、現在行われている対応は、そもそもマニュアルの無い手探りの対応であって、東電の現場だけでの対応は困難であるという意味を含んでいるのかと思います。

また、東電の役員クラスには(柏崎など過去の問題により)原発の専門家がひとりもおらず、全て現場任せになっているそうです。その東電の現場にしても大して知識もないのにただ偉そうにして、東芝など業者任せであり、とんでもない会社であると、東電を激しく批判しています。その東芝は、なかなかのチームを送り込んでいるが、司令塔が不足していると嘆いていました。

石田氏は現場が最も詳しいのだから、現場に任せようといっていますが、実は現場が「専門家の指揮官」と「専門家によるアドバイス」を切実に欲しているのではないでしょうか。

参考資料
福島第一原発の今後

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/21 at 09:26

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福島第一原発の20日午前中の状況

JCASTニュースが、非常によくまとまった、1号機から6号機までのステータスを記事にまとめていましたので、以下に引用させて頂きます。個々のニュースを逐次的に幾十も垂れ流している朝日新聞などは、現在の状況を確認する役にたちません。

下記は状況サマリーです。
4号機から6号機の原子炉は、定期点検で停止中だった。
1号機と2号機は非常用電源へ外部電源を接続済み。
6号機は19日に非常用ディーゼル発電機が稼動開始。

【1号機】
●新情報::
●燃料棒::冷却装置作動せず、露出。
●原子炉格納容器・圧力容器::
●外側の建屋::3月12日に水素爆発、上部が吹き飛ぶ。
●炉心への冷却水::3月12日、海水注入開始。
●使用済核燃料プール::
●非常用電源::3月19日、外部電源にケーブル接続。
●地震発生時::稼働中、自動停止。

【2号機】
●新情報::
●燃料棒::冷却装置作動せず、露出。
●原子炉格納容器・圧力容器::3月15日、圧力抑制室損傷。
●外側の建屋::3月14日の3号機の爆発で損傷。
●炉心への冷却水::3月14日、海水注入開始。
●使用済核燃料プール::
●非常用電源::3月19日、外部電源にケーブル接続。
●地震発生時::稼働中、自動停止。

【3号機】
●新情報::3月20日、放水の結果周辺放射線量が減少。
●燃料棒::冷却装置作動せず、露出。
●原子炉格納容器・圧力容器::
●外側の建屋::3月14日、水素爆発で大きく損傷。
 ::3月16日、白煙を確認。
●炉心への冷却水::3月13日、海水注入開始。
●使用済核燃料プール::水位低下で使用済核燃料過熱。
 ::3月17日、自衛隊ヘリから冷却水投下。
 ::3月17日夜、自衛隊の特殊消防車が冷却水放水開始。
 ::3月18日昼、自衛隊の消防車が陸上から冷却水放水。
 ::3月19日、東京消防庁が連続放水。
●非常用電源::作動せず。
●地震発生時::稼働中、自動停止。

【4号機】
●新情報::3月20日、冷却水放水を開始。
●燃料棒::停止中のためなし。
●原子炉格納容器・圧力容器::
●外側の建屋::3月15日、爆発し出火、屋根の一部や側面に穴。
      ::16日再出火、鎮火状態。
●炉心への冷却水::不要。
●使用済核燃料プール::「水位低下で使用済核燃料過熱」情報。
          ::3月17日、「水ある様子を確認」。
●非常用電源::作動せず。
●地震発生時::定期点検のため停止中。

【5号機】
●新情報::燃料プール水温が通常レベルに。
●燃料棒::停止中のためなし。
●原子炉格納容器・圧力容器::
●外側の建屋::
●炉心への冷却水::不要。
●使用済核燃料プール::3月19日、プール冷却ポンプ稼動。
●非常用電源::
●地震発生時::定期点検のため停止中。

【6号機】
●新情報::燃料プール水温下がり始める。
●燃料棒::停止中のためなし。
●原子炉格納容器・圧力容器::
●外側の建屋::
●炉心への冷却水::不要。
●使用済核燃料プール::
●非常用電源::3月19日、非常用ディーゼル発電機起動
●地震発生時::定期点検のため停止中。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/20 at 12:10

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早期の廃炉決定はデスマーチを防げたか

昨日の枝野官房長官の会見で、「ウォールストリート・ジャーナルで、今回の最大の不幸は東電が政府から指示されるまで海水注入決断をしなかったから、こんなにひどくなったのではないか、東電が土曜朝から決断していれば、問題はこんなに広がらなかったのではないか」という質問がでたようです。

大前研一氏は、発電所に電気があるうちに炉心の冷却水へホウ酸を入れる事ができれば、緊急冷却装置(ECCS)停止後の崩壊熱の処理が容易になったと述べています。ECCSは非常用ディーゼル発電機が停止した後も、津波発生後から8時間ほどは、非常用バッテリーで稼動していました。東北電力からの外部電力の修復が、この時間内に困難であろう事は、東北全体の被災状況をざっと見ただけで、直感的にわかったであろうと思われます。この8時間のうちに廃炉の決断を下していれば、現在のような状況悪化を防ぐ事ができたと考えます。

仮に最初の8時間以内にその決断ができなかったとしても、翌日の午前中に全炉を廃炉する決断を行なって、圧力容器への海水注入を行っていれば、やはり、いまより状況が悪くなる事はなかったと思われます。

この記事の目的は過去の決断を批判する事でなく、未来への教訓としてほしいというのが目的です。

追記(2011/03/21):ホウ酸が崩壊熱の制御に有効であるというのは筆者の誤解であり間違いです。圧力容器へホウ酸を入れる理由は、炉心が融解して圧力容器下部へ落下した後で、再臨界が起きる可能性を防ぐものかと思います。この記事の後の記事で、この誤解に気づきましたが、本記事の事を忘れていました。ご指摘頂いたminouratさんに感謝します。

6 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 10:59

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デスマーチの理由

福島第一原発の緊急炉心冷却システム(ECCS)の機能が喪失して、原子炉の停止作業(オペレーション)がミッション・インポッシブルと化した理由は何かを考察してみます。

参考資料1をもとに、地震発生から緊急炉心冷却システム(ECCS)の機能喪失を経て、炉心融解のカウントダウン開始までを再現してみます。

(参考資料1の「2011年3月12日の福島で起きたこと」より引用開始)
地震が襲った時、原子炉はすべて自動的に停止しました。地震が起きて数秒以内に制御棒が炉心に挿入され、核分裂連鎖反応は止まりました。

地震により原子炉の外部電力供給が破壊されました。...外部電源を喪失した場合、もちろん発電所は停止していますので、発電所自ら発電して冷却システムに給電することはできません。つまり冷却ポンプが使えなくなってしまうのです。

最初の1時間の間に、多重の非常用ディーゼル発電機からなる最初の一組が稼働し、必要な電気を供給しました。しかしながら、史上最大規模の津波によってこれらのディーゼル発電機が水浸しにしなり、故障しました。(著者注:ここでECCSの機能が喪失した)

ディーゼル発電機が津波によって故障した際、原子炉運転員は非常用バッテリ電力に切り替えました。このバッテリは炉心を8時間にわたって冷却する電力を供給するバックアップシステムのひとつであり、そしてバッテリは役目を果たしました。

8時間後、バッテリが干上がり、残留熱をそれ以上除去することができなくなりました。この時点で運転員は冷却損失時のために用意された緊急手順にとりかかりました。これらの手順は、多層防護の考え方に沿って予め定められています。驚くかもしれませんが、これらの緊急手順は運転員の日々の訓練の一部に組み込まれています。

この時点で、人々は原子炉内部で炉心溶融が起きる可能性について議論を始めました。もし冷却システムが回復しなければ炉心は数日後に溶融し、格納容器の中に溶け出すと予想されるからです。
(引用終了)

地震直後から津波到来までは、障害対応操作はマニュアルの範囲内であったと考えます。津波によって非常用ディーゼル発電機が失われました。そこで非常用バッテリー電力へ切り替えました。これもマニュアルの範囲内の操作であったと考えます。しかしバッテリーは8時間で切れます。この段階(11日の15時50分頃)で東電福島第一原発の管理責任者が考えるべき最優先事項を列挙してみました。(悪魔の後だしジャンケンと言われないように、なるべく常識的な範囲で考えて見ます)

1)東電本社へ状況を説明し指示を仰ぐ。
「津波の後で非常用ディーゼル発電機が停止。ECCSは非常用バッテリーに切り替わったが約8時間後に停止予定。それまでに電力を確保できない場合はマニュアル手順に従い、ECCS無しで緊急炉心冷却の手順に入るので許可をお願いします」という内容でしょうか。

2)バッテリー駆動時間内にECCSへの給電に挑戦する。

3)給電できない場合の方法を検討する。
恐らくマニュアルでは、ECCSが機能ぜず、他に冷却方法も無い場合には、炉心融解(廃炉)を前提とした冷却手段が記載されていると考えるのが合理的です。参考資料1によれば、圧力容器の外側にある格納容器は、最悪の事態における最終的な防御手段になるように設計されています。

(参考資料1の「福島原発の構造について」より引用開始)

圧力容器、パイプ、冷却剤(水)を含むポンプは、原子炉における主要なループ構造を形成し、格納容器に格納されています。この構造が、放射性物質の拡散を防ぐ四つ目の防壁です。格納容器は空気が漏れないように密閉されており、鋼鉄とコンクリートからなる大変厚い構造体です。この構造は「仮に炉心溶融が起きてしまったとしても炉心を構造内部に完全に永遠に封印する」というたった一つの目的のために設計され、建造され、テストされています。封印をさらに完全なものにするために、格納容器の周囲は大量の厚いコンクリートで覆われており、これは第二の格納容器と呼ばれています。
(引用終了)

また参考資料2によれば、圧力容器内に残る炉心の崩壊熱は、炉心を溶かすに十分な熱量を生み出す事が可能と思われます。

(参考資料2より引用開始)
崩壊熱は1日経過後には運転時出力の2%を切りますが、そこからの減少ペースは非常に緩やかです。そして1年後には0.2%程となります。この崩壊熱が除去されない場合、核燃料は加熱を始め、ジルカロイ製の被覆管の急速な酸化(~1200℃)、(同合金の)溶融(~1850℃)、そして燃料自体の溶融(~2400-2860℃)などの望ましくない事態が発生することになります。
(引用終了)

ECCSがなく、残存の冷却システムの廃熱能力が崩壊熱を上回れば、炉心融解は必然と言えます。仮に炉心が溶解しても、圧力容器が壊れるという最悪の事態に至っても、分厚い鉄板とコンクリートと大量の水がある格納容器が、溶解した炉心を受け止めて外へ出さない設計になっているからです。福島第一原発の構造は、設計が仕様通りであれば、格納容器が炉心の拡散を防ぐ為に、チャイナ・シンドロームチュルノブイリの二の舞いも起きないようになっているのです。

現場管理責任者は上記の作業を行った(指示した)と考えますが、残念ながらバッテリー駆動時間内にECCSへの電源供給を行う事ができませんでした。更に(筆者の仮定である)マニュアルに従って、炉心融解(廃炉)を前提とした冷却手段を選択する事も、何らかの事情でできなかったようです。

バッテリーが切れたのは推定で11日の23時50分。炉心へ海水注入して廃炉にすると枝野官房長官から発表があったのは22日の夜(読売新聞の報道時間は23時16分)ですから、ECCSへの給電が途絶えてから約1日近くは、東電本社あるいは政府は、1号炉の廃炉を決断しなかったと考えられます。

ECCSへの給電停止から1日近く経って、ようやく1号炉だけの廃炉を発表したという事は、その間の現場は、ECCSによらず、計器のメーターも(停電で)動かず、炉心を廃炉にする許可も得られずに、炉心の緊急冷却する道を選択させられた事になります。つまり、デスマーチが起動したのは、ECCSへの非常用バッテリー給電が終了した11日23時50分頃であり、デスマーチを起動した人は、廃炉の決定を渋った東電本社か政府内部(経産省の原子炉行政関連の役人か大臣でしょうか?)あたりではないかと推測します。

廃炉を渋った理由ですが、起動したのが東電本社であるのなら、経済的損失を恐れたのでしょうか?あるいはもし、それが政府内部の場合には、日本でレベル6の原発事故が起こる事を政治的に受け入れられなかったのか?いづれにせよ、きっと真相は藪の中から出てこないのでしょうね。

参考資料
1)MIT原子力理工学部による改訂版・福島第一原発事故解説
2)MIT原子力理工学部による「崩壊熱」についての解説

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/19 at 17:12

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放熱板を失った冷却システム

朝日新聞によれば、東北電力から引き込んだ電力線を、福島第一原発へようやく接続できるようなるとの事です。

(引用開始)
東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)では19日、電源復旧作業が進められ、同日にも1、2、5、6号機へ送電できる見通しになった。3、4号機でも20日までに送電できる見通し。電源が復旧すれば、冷却水を供給して核燃料を冷やすことができ、現在の危機的な状況から脱することができる。
(引用終了)

朝日新聞は「もう大丈夫」的に、能天気な報道をしているようです。しかしながら11日の大津波によって、2次側の冷却水を海へ放出する放熱板を失っているとの事ですので、どの程度の冷却能力を回復できるのか心配です。

この図(こちらのサイトから拝借してきました)は福島第一原発と同様の沸騰水型原発のモデルです。炉心はまず青色の一次冷却水システムで冷却されます。1次冷却水はパイプ越しに、緑色の2次冷却水システムで冷却されます。上図では2次冷却水は直接海とつながっていますが、福島第一原発は(早稲田大学の岡芳明教授によれば)2次側冷却水は放熱板を介して海へ廃熱するようになっているそうです。

いったいどうなるのでしょうか。

こちらの記事もぜひご覧下さい。

追記(2011/3/30)
どうやら福島第一原発の2次冷却水は放熱板を介して海へ廃熱するのではないようです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 11:13

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やっと始まった政府主導?

アゴラへ「政府主導」するべしとの記事を投稿したばかりですが、朝日新聞によれば、管首相が石原東京都知事に要請して、東京消防庁も福島第一原発の施設への放水への参加がはじまったようです。

(引用開始)
東日本大震災で損傷した東京電力福島第一原子力発電所の3号機への放水・冷却作戦は18日、初回の17日より消防車の台数を増やした自衛隊に加え、東京消防庁も参加した。作業は夜遅くまで続いた。自衛隊の放水は3号機に届いたが、冷却の効果ははっきりしない。

東京消防庁の参加は、菅直人首相が17日、東京都の石原慎太郎知事に要請して実現した。災害救助のスペシャリストである消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)を中心とする139人と消防車両30台。放射線量を測定できる特殊災害対策車や大型化学車、40メートル級のはしご車などが派遣された。

18日、第一原発での放水作業が始まったのは午後1時55分。午前中は東電が電源復旧作業を進めたため、午後の開始となった。

対象は水素爆発を起こして損傷がひどい3号機。まず、陸海空3自衛隊の消防車6台が建屋内部にある使用済み核燃料が入ったプールに向かって次々と放水した。その後、米軍の消防車1台も放水。東電関係者が操作した。17日は自衛隊の5台で計30トンの放水だったが、18日は6台が40トン、米軍の消防車両2トンの計42トンを放った。

東京消防庁も同日夜、放水の準備を進めた。

最初の放水作業にあたったのは車両5台、隊員13人。送水車で海水をくみ上げ、ホースで水を送り、最大で22メートルの高さから毎分3.8トンの放水が可能な屈折放水塔車が3号機に放水する計画だ。

作戦に使う送水装備は「スーパーポンパー」と呼ばれる送水車とホース延長車の2台で構成。最大で毎分3.5トンの水を2.1キロ離れた場所に送ることができる。だが、現場は被災してがれきが多く、ホースを設営する作業が難航。放射線量が上限を超えないように隊員を引き揚げさせて交代要員を出し、再度放水を試みる方針だ。

ハイパーレスキューは、1995年の阪神大震災を受け、震災対策用に翌96年12月に設けられた精鋭部隊だが、被曝(ひばく)の危険が伴う現場への派遣にはなれていない。同消防庁は18日午後、今回の派遣隊の総隊長を務める佐藤康雄・警防部長の「隊員の安全管理を図りつつ、できるだけ任務を全うしたい」とのコメントを発表した。

一方、菅内閣は18日、放水にかかわる各部隊の連携を強化するため、自衛隊と消防、警察、東電による「現地調整所」を、現場から約35キロ南の常磐道・四倉パーキングエリアに設置することを決めた。全体の指揮は自衛隊が担う。作業の長期化を視野に入れ、別の場所に100人規模の宿泊施設を確保することも検討している。

防衛省は19日朝から、陸上自衛隊のCH47ヘリコプターを飛ばし、特殊な機材で原発の施設内部の温度を計測する方針だ。
(引用終わり)

しかし管首相は統合本部に参加していないので、これは政府といっても統合本部の働きとはいえないのかもしれません。どうなのでしょう?

結果論になりますが、政府が12日にこのような動きをしていれば、福島第一原発の状況はかなり違っていた可能性があると思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/18 at 23:22

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デスマーチの責任

デスマーチ(死の行進)とはIT業界でしばしば使われる言葉です。可能性が極めて低い状況の中で、成功への大きな負荷を与えられたプロジェクトが陥る状況の事です。

福島第一原発においては、津波が緊急炉心冷却システム(ECCS)の機能を消失させ、外部発電機が繋がらない事が明白化した時点で、この障害対応プロジェクトはミッション・インポッシブルへと変化し、デスマーチがはじまったと推測します。しかもここでは、炉心融解、広域放射能汚染という恐怖に加えて、現場自身への死の恐怖という、サラリーマン生活の中では考えられない異常に高い負荷があったと考えられます。(私の状況認識が間違っているのであればご指摘下さい)

デスマーチ発生の責任は、現場の問題を過小評価した(或いは現場の資源を過大評価した)上位組織にあります。IT業界の場合、採算という大きな壁があるので、分っていても現場に任せるしかないという状況はある適度理解できます。しかしながら今回は、広域放射能汚染という大規模災害リスクの前に、採算という壁は有り得ません。上位組織は、持てる全ての資源を最短時間で投入して、最大効率で事態の沈静化をはかるべきでしたが、そうはならずに事態を悪化させて現在の状況に至っています。この責任は誰にあるのでしょうか。

福島第一原発が東日本大震災に耐えられなかった責任、そして今日までの障害対応の責任は、私は東電ではなく、政府にあると主張します。以下にその理由を述べます。

東電の責任範囲について考えて見ます。私企業による電力事業を政府が認可した時点で、事業者は一定の経済合理性を保つ事を求められます。たとえ原子力発電所であっても、東電が責任を持って事前に準備する障害対応の範囲は、認可された自然災害の範囲内に限られると考えます。7メートルといわれる津波用の防波堤で原発の建設を認めたのは政府ですから、それを越えた大津波が緊急炉心冷却システム(ECCS)の機能を消失させた時点で、それ以降の最終責任は東電から政府へ移ったと考えます。

東電の対応能力について考えて見ます。緊急炉心冷却システム(ECCS)機能が消失し、外部電源が繋がらないと判明した時点で、上記で述べた理由により、東電が災害用に準備していた対応資源や対策マニュアルの範囲を超えたと考えます。現実に、東電の施設内にある資源だけでは、どうしようもない状況であったと考えます。たとえば使用済み燃料による火災の消化に自衛隊や米軍ヘリが使われましたが、これらは東電の資源ではありません。昨日は3号機への注水の為に、消防車の運転を東電社員が警察官へ「お願い」したそうですが、警察官も消防車も東電の資源ではありません。これらの状況を見ると、障害対応に要する資源が東電の資源を越えている事は明白です。

政府は東電に責任を押し付けながら、中途半端に状況へ介在して、自衛隊や消防や警察を動かしています。しかしながらその為に、現場にいる全ての組織の指揮権限や責任が不明になり、混乱と非効率が生じます。この場合、東電が使える「政府の資源」も土壇場まで不明ですから、東電はまず自分の限られた資源で対応する計画しか立てられず、結果として後手にまわっています。米政府からの技術支援や冷却材提供を断るというような混乱が生じたのも、政府の介入が中途半端だったからでしょう。

このように福島第一原発の大規模障害に対して、政府が責任を持って現場の沈静にあたるべきであるのに、4日間も東電に対応を丸投げした後で、中途半端な統合本部を設置してお茶を濁しています。(先の述べた3号機への注水作業の件を見ても統合本部の効果は残念ながらまだ見えていません)

現在の統合本部は、管首相の発言から考えても、東電の手綱を政府が締める為の組織という意図が感じられて不安です。米政府は米軍の核専門家要員9人を日本へ派遣するそうですが、彼らを効果的に利用する為には、統合本部に合流するのが合理的です。そうなれば益々、東電の手綱を締める為ではなく、政府が主体となって東電や自衛隊や米軍やその他の組織が一体となって、障害対策にあたる必要があると考えます。

一刻も早く統合本部の効果が現われて、現場のデスマーチが沈静化し、状況が収束する事を切に願っています。

この記事はアゴラへ投稿しました。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 22:51

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フクシマ50

福島第一原発の現場の状況がわかる情報を朝日新聞でみつけました。全文を下記に引用します。

(引用開始)
福島第一原発で作業にあたる人々が、欧米メディアやネット上で「フクシマ50」と呼ばれている。

米紙ニューヨーク・タイムズ電子版が15日、「顔の見えない無名の作業員が50人残っている」とする記事を東京発で載せた。米ABCテレビも「福島の英雄50人――自発的に多大な危険を冒して残った原発作業員」と報道。オバマ米大統領は17日の声明で「日本の作業員らの英雄的な努力」とたたえた。

最前線で危険な作業を担うのは、東京電力のほか、東電工業、東電環境エンジニアリングといった子会社、原子炉を製造した東芝、日立製作所などメーカーの社員たちだ。

地震発生後には800人いたが、15日朝に4号機で火災があり、750人が退避。監視などのために残った50人が、フクシマ50になった。その後、新潟県の柏崎刈羽原発などからも応援が駆けつけ、交代しながら作業。送電線を引いて電源を確保する作業員も加わり、18日朝には総勢約580人が現地に入った。

作業員は頭まで覆われた防護服姿。頭をすっぽり覆う防護マスクもつけている。胸には放射線量をはかる線量計。その日に浴びることができる放射線量をセットし、8割まで達すると警報音が鳴る。

原子炉内への注水作業は、人海戦術だ。1人の作業時間を決めて弁まで行って操作。それを交代で繰り返す。格納容器内の蒸気を外に逃す弁を開く作業では、1人が大量の放射線を浴びた。18日までの負傷者は20人を超えた。

建屋の爆発で飛び散ったがれきが、作業をはばむ。放射線量が高い1~4号機での活動は難しくなり、いまは電源確保や5、6号機に人を振り向けている。

現地の対策本部は、原子炉の山側にある免震重要棟にある。作業員は、この棟で寝泊まりしている。東京・内幸町の本社2階にある緊急時対策室に現地の状況を伝え、指示を仰いで作業を進める。

本社の緊急時対策室には、100人以上が詰める。中央に円卓があり、大型モニターが現地の様子や計画停電の状況を映す。社員の一人は「テレビ会議で厳しい環境で作業する仲間をみていると、涙が出そうだ」。中央には清水正孝社長がすわる。周囲には復旧班や計測班の机があり、対策を練る。原子力安全・保安院は、別室に陣取る。

原子炉圧力容器や格納容器内の圧力計や水位計は、一部が機能を失っている。何が起きているのかは、限られたデータから推測するしかない。ある幹部は「スリーマイル島やチェルノブイリの事故のときにどんなことがあったのか思い浮かべながら、何をすべきか考えている」と明かす。
(引用終わり)

東電社員が現場にいるのは当然として、設備の修復作業しているのは、想像通り設備納入業者(東電工業、東電環境エンジニアリングといった子会社、原子炉を製造した東芝、日立製作所など)でした。私が心配するのは、東芝や日立の制服を着ているが、実は孫受け・ひ孫受けの零細業者が来ているのではないかという事です。彼らが火災や爆発や被爆で大怪我したり死んだ場合に、元請の大手企業がちゃんと補償するのか、という心配もあります。そういう事がない事を祈っています。

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水素爆発は想定内

MIT NSE Nuclear Information Hub(日本語翻訳はarcの日記)によれば、福島第一原発の1・3号機の水素爆発は想定された範囲内であり、特に危惧するべき事態ではないとの事です。そもそもこの建物は爆発時に天井がぬける設計になっていたという情報もあります。水素爆発は見た目には非常に印象的でショッキングな事件でしたが、それで漏出した放射性物質であるヨウ素とセシウムの濃度は急速に低下しました。我々は情報を正しく理解し、リスクを評価するべきです。

無知に基づく、感情的な反応は何も解決しません。

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遅きに失した統合本部に要求される機能

今日になって、政府はようやく、福島第一原発事故に対応する統合本部を設置すると新聞で知るに及び、ついに我慢ができなくなり、この原稿を書く事にしました。地震発生から実に4日も経過した今になって、政府による統合本部の設置は遅すぎて話になりません。しかも、深刻な放射能汚染に対応してゆく可能性が高い現時点において、本部長と副本部長が済産業相と東電社長というのはどういう事でしょうか。

東電は原子力発電所を運営する専門集団ではあっても、そもそも大規模な事故に単独で対応する能力や資源を持っていたのか疑問です。原子炉の開発・建設は開発会社と建設会社が行い、個々の事故対応は、それぞれの設備を納入した下請け企業が行っていたと思われますから、今回のような広範囲の設備や機能の喪失に対しては、政府は地震の直後に統合本部を設置するべきでした。これは未来の日本政府への教訓としてほしいと考えます。

次に、このタイミングで設置された統合本部に要求される機能についてですが、事故対策チームとダメージ制御チームの2つを同時並行で稼動させるべきです。

1)事故対策チーム

  原発内で生じているすべての問題を改善して沈静化させる作業を主に受け持ちます。政府は東電、原発設備に関連する主要企業(開発、建設、設備納入)の技術者と管理者、自衛隊、米軍、その他にもチーム責任者が必要と認める資源(人・物・金)を、政府の力で集めてきて対応させるべきです。

2)ダメージ制御チーム

  事態が悪化する事を前提に、避難・輸送・治療などを受け持ちます。計画の作成では、最悪の結果を頂点として悪化状況を段階化し、各段階における計画を作成して準備を行います。政府は放射能汚染に詳しい専門家、被爆治療に詳しい専門家、周辺自治体関係者、避難や輸送を受け持つ自衛隊・米軍・消防、周辺や首都圏の病院関係者、その他にもチーム責任者が必要と認める資源(人・物・金)を、政府の力で集めてきて対応させるべきです。

ダメージ制御チームは事故対策が失敗した時の保険ですから、非常に重要です。事故対策に失敗した場合には、高濃度の放射能汚染が周辺避難民を襲う可能性があり、避難が間に合わない場合には多数の被爆患者を短時間で首都圏の大病院へ搬送し、被爆治療を開始できるように準備しなければなりません。

またダメージ制御計画を発動させる事態においては、統合本部の最高責任者は管首相であるべきです。そのような重大な責任と決断を、大臣と私企業の社長へ負わせるべきではありません。政府と管首相の早急な対応を切望します。

*この記事はアゴラへ投稿しました。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/15 at 22:30

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