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和をもって企業統治は可能か

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日頃から効率的なシステム設計を行う為に努力を重ねている「システム屋」は、システムの使用者たる組織の効率化にも興味を持ちます。ベトナム在住のシステム屋であるelm200さんは、日本的組織内部の村落共同体を破壊すれば合理性を回復できるにおいて、組織論的なアプローチから、日本社会の改善方法を考察しています。しかしながら各論に入り込みすぎて、全体の論旨が見えにくくなっているように感じたので、一般論として下記にまとめてみました。

組織の構成員が、自分の所属する末端組織の利益(効率性)を最大化しようとするのは、組織構成員にとって「合理的」な行動です。小さな組織の集合体が大きな組織です。個々の組織が自己の利益の最大化を追求すると、他の組織との間で「利益のコンフリクト」が発生します。全体組織が一定以上に大きくなると、全体としての組織と、個々の内部組織との「利益の「コンフリクト」も発生します。

内部組織の本来の存在目的は、「全体組織」の利益を追求する為です。全体組織の存在目的が、「全体組織の利益の最大化」であるとしましょう。しかし、内部組織間の利益のコンフリクトが、「全体組織の存在目的」とコンフリクトする事は大きな問題です。そしてこの問題は、人間が構成する組織に普遍的に存在するのではないかと考えます。では、この問題に対するソリューションとは何でしょうか。

解決方法は、ある意味、単純明快です。合理的に考えれば、下記をきっちりと行うだけです。

1)全体組織の存在目的を明確化する。

2)内部組織の存在目的が、全体組織の存在目的の実現である事を明確化する。

3)組織統治者は、1と2を組織全体で共有させる。

4)組織統治者は、1の目的が最大化されるように、個々の内部組織の機能と利益を調整する。

すなわち組織のトップ統治者は、自己の目的を明確化し、その目的に向かって組織全体が効率良く機能するように、組織の最適化を行い、内部組織の「統治」をしっかりと行う、という事ではないでしょうか。欧米や中国に限らず、全体組織が効率よく目的を達成している会社や組織においては、「トップダウンによる意思決定」という名のものとに、上記の1から4が行われていると考えます。

ではなぜ、多くの日本の企業や組織でそれができていないのでしょうか。elm200さんのもうひとつ別の記事では、日本では組織統治者によるトップダウン統治が苦手なようだと指摘しています。そのような文化的傾向に対して、elm200さんは「日本の組織に「強烈な異物」を強力に注入するしかない」と述べ、大規模な移民政策を提案しています。

しかし文化自体を変える事は、時間が必要であり、即効性がある解決法とはいえません。移民法が成立するには多くの時間が必要です。移民が増えたとしても、文化が大きく変わるには更に何世代もの時間が必要でしょう。トップダウンによる組織統治法の他に、日本的な「和」を利用した、即効性のある合理的な統治法はないものでしょうか。私は過去の経験に基づき、下記の方法を提案します。

1)全体組織の存在目的を明確化する。

2)内部組織の存在目的が、全体組織の存在目的の実現である事を明確化する。

3)統治者は、内部組織の個別問題を「組織間会議」で共有させ、問題解決が全体組織の利益を最大化する方向へ誘導する調整者となる。

実現する事ができれば、どちらの方法にせよ、結果は同じです。


Be the first to comment - What do you think?  Posted by admin - 2010/04/18 at 16:13

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags: ,

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