新型豚インフルエンザは弱毒性だから安全なのか

5月 17th, 2009 Categories: 1.政治・経済, 健康

新型インフルエンザが関西で流行を始めた。このウイルスは弱毒性であり、タミフルなど抗ウイルス剤が効く事から、現在の検疫体制を「騒ぎすぎ」と評する方がおられるようです。これらの方は、ウイルスが常に変異している事をご存知ないのでしょうか。

ウイルスによらず、全ての生物はあらゆる世代で常に進化の枝を伸ばそうとしています。ウイルスは厳密には生物ではありませんが、環境に適応する為の戦略は生物と同様にな方法を採用しています。ウイルスが環境に適応するという意味は、より多くの生物へ感染を広げるという事であり、感染した生物の体内で増殖を容易にするという事です。環境に適応する為に、ウイルスは感染力(空気感染、異種動物間感染など感染方法のバラエティー)を増したり、毒性を変化させたりします。このような環境適応能力を、ウイルスは驚くほど短時間に実現します。その理由は、ウイルスの増殖が非常に短時間に行われる為に、普通の動物なら数世代(数年)以上を要する適応を、数時間から数週間で実現します。

現在流行中の新型豚インフルエンザは、ブタインフルエンザですが、このタイプのものは、1976年2月にニュージャージー州フォートディクスのアメリカ陸軍訓練基地での感染により兵士1名が死亡し、国立感染症研究所)によりバイオハザードレベル3(個体に対する高い危険度、地域社会に対する低危険度)に分類されています。それが今回、世界中に感染が広まりつつあります。1976年のウイルスよりも明らかに感染力を強めているようです。

そして毒性やタミフルへの効力も、一定であるという保障はどこにもありません。感染が広まれば広まる程に、環境に適応して変異する可能性は広がるのです。

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