生活保護は親族の連帯責任を審査の条件にすべきで無い

5月 14th, 2009 Categories: 1.政治・経済

日本では、生活に困窮した人に対するセーフティーネットとして生活保護という制度があります。この制度を漠然と知っている人が多いと思いますが、具体的な申請条件や実際の状況について知っている人は少ないかもしれません。生活保護の申請者の条件について、下記のリンクをまずは読んでみてください。

1)生活保護の申請までの手順
2)生活保護の審査について
3)資産を持つ方の生活保護の申請

上記のリンク先の記事の中で、問題は2)の審査についてです。審査の必要条件の中に、「収入と共に、もしその人の収入が最低生活を満たしていない場合でも、親族からの援助は期待できないかや年金や手当てといった給付を受けることはできないかといったことに関する質問がなされます」という条件があります。

親族とは、具体的には親や兄弟姉妹の事でしょう。成人年齢に達した男女が、個人(結婚している場合には夫婦)で生計を立てられない場合に、親・兄弟は援助しなければならない「法的義務」があるのでしょうか?もし法律にそのような義務が明記されていないならば、こちらのブログにあるように、親族がある事を「拒絶」する理由にするのは役人の越権行為ではないかと考えています。

もし法律に、親族は親族を援助する義務があると明記してある場合には、そのような「親族の連帯責任」は明らかに時代錯誤であって、セーフティーネットは個人または世帯単位を審査の対象条件にすべきではないかと考えます。

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5 Responses to “生活保護は親族の連帯責任を審査の条件にすべきで無い”

  1. 名前は御勘弁を
    5月 27th, 2009 at 22:05
    1

    初めまして。
    よろしくお願いいたします。

    法律に書いて無くても、「暗黙の了解事項」「慣習」「常識」というものが有ると思います。

    子供が独り立ちできないうちは、成人しようが、別居であろうが、親が面倒見るのが当たり前では?
    独り立ち出来ない子供を(それだけの余裕がある仮定として、独り立ちさせてあげられない)親が責任を全放棄し、それをみんなの税金で面倒見るのでしょうか?

    逆に親の面倒を子供が見るのも同じコトだと思いますし、兄弟となるとさすがに二親等なので、責任は薄れるでしょうが、他人よりは面倒を見る見識があっても良いのでは?

    「法律に書いてないコトで役人が拒否するのは越権」ということで、一見正当そうな理屈に見えますが、実際のところ、当たり前の話(先ほどの「暗黙の了解」「慣習」「常識」)を判らない人が多くなってきているので、「常識としてどうですか?」と、改めて聞かざるを得ない。ってところでは無いでしょうか。

  2. アリエフ
    5月 27th, 2009 at 22:59
    2

    成年年齢に達した親族に援助しなくてはならない法的義務、確かにありませんね。
    そのように親族に援助してもらうのは個人の勝手、選択の問題。ただ、税金で賄われている生活保護制度の受給者が「個人の勝手」だと言い出して、金持ちの親族からも援助してもらったら、「権利濫用」といった批判が起きるのは必至でしょうなあ・・
    「法的義務」でないから「権利濫用」やったってかまわねえ、そんな法律がどこにあるのかねえ?笑えるわ!

  3. bobby
    5月 28th, 2009 at 01:40
    3

    名前は御勘弁さん、アリエフさん、コメント有難うございます。

    >子供が独り立ちできないうちは、成人しようが、別居であろうが、

    「子供が独り立ち」というのは主観です。しかも生活保護窓口の役人は、予算オーバーを防ぐ為に、できるだけ受付人数を減らそうというバイアスが働いています。そのような行政窓口の役人が主観によって承認と却下の判断が下せるというのは如何なものでしょうか。

    >金持ちの親族からも援助してもらったら、
    生活保護受給者の収入は行政によりWatchされていると思いますので、金持ち親族からの現金援助が認められれば、生活保護が打ち切られでしょう。ですから、そういう方法での権利濫用はなかなか難しいのではないかと思います。

    そもそも国民のセーフティーネットの受給規定が、権利悪用者がいる事を前提として条件設定されている事が間違っていると思います。受給規定は憲法に則って条件設定し、権利悪用者は役所なり警察なりが発見・通報するしくみにすべきです。

  4. 現業員
    6月 8th, 2009 at 23:53
    4

    親族間(親子・兄弟)の相互扶助は民法877条で義務として定められています。
    現憲法よりも古い規定だったと思います。おそらく制定した当時の日本の伝統を体現した法規ではないでしょうか。

    生活保護法4条では、個人の能力やその他のあらゆる資産(親族の援助を含む)を活用してもなお最低生活に達しない
    方のみが生活保護を受給できるとされています。
    また、生活保護法77条において、親族間の扶助義務を果たさなかった扶養義務者から、
    国が支出した部分について徴収することができる、とも定められています。
    ですから、親族の扶助が望める方が生活保護を受給することは本来は違法な状態ということになります。

    これらの規定が時代にあっているかどうかは現場の人間でも悩むところではありますが…

    実態としては、これらの規定について厳密な意味で履行している自治体はほとんどないと思いますよ。
    また、これらの法規の履行については自治体間でも温度差があると思います。
    一般的に、自治体の財務力の差が生活保護受給のハードルの高さの差となって現われているようです。
    本来、あってはならないことですが。。
    法を文字通り解釈して適用すれば、生活保護受給者は10分の1程度まで減ってしまうかもしれません。

  5. bobby
    6月 9th, 2009 at 00:32
    5

    現業員、貴重なコメント有難うございます。

    >親族間(親子・兄弟)の相互扶助は民法877条で義務として

    これが生活保護法で定める親兄弟の支援の根拠になるのかを確認したいところです。

    >生活保護法4条では、個人の能力やその他のあらゆる資産(親族の援助を含む)を活用してもなお最低生活に達しない

    現在のネットカフェ難民などに多いタイプ、つまり勉強して新しい事を習得したり資格をとるだけの知的能力はあるが、意志薄弱で日々の安易な生活に流され、十分な職業能力をつけられない最下層の若年労働者を救済するとすれば、これらの条件を法律から取り除く必要がありますね。

    本来なら共産党や社民党議員がやるべき仕事のように思いますが、票田にならない彼らは、どこの政党の議員も真剣に取り合うつもりはないのかもしれません。

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