おおざっぱに正しい格差是正方法

4月 20th, 2009 Categories: 1.政治・経済

社会には様々な格差がありますが、ここでは経済格差を是正する方法について話します。池田氏はアゴラのこの記事で、「おおざっぱに正しい経済学を」と主張されました。私も同感です。こちらの記事に書いた通り、経済学が「人間」という不確かな存在によって構築された市場を扱う以上、科学という体裁に拘るあまり、「使える道具」になれないというのは悲しい事です。

さて、現在の日本は格差が拡大していると言われ続けています。小泉元首相によって拡大したと言われていますが、日本はずっと昔から経済格差の大きな社会だったとも言われます。どちらが本当かは、ここでは問題にしません。同じく池田氏のこちらの記事では、「希望を捨てる勇気」について述べられています。現在の日本は希望が無く、それ故に強い閉塞感が広がっています。その原因は、財政赤字でも福祉や医療の破綻でもありません。どう頑張ったら成功する「人生の絵」が書けるかがわからなくなったからです。下の図を見てください。ちょっと考えても、世の中には経済的に成功する方法はたくさんあります。いまの日本では、就職氷河期の出現により、高学歴=一流企業=人生の成功という道の信用が失われ、しかも、それ以外の成功する方法は非常に選択しにくくなっています。いま行政がすべき事は、経済的に成功する「いろいろな方法」を、もっと選択しやすい制度づくりを行う事ではないでしょうか。
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さて、ひとつの市場に用意されている勝者の椅子には限りがあります。上図のどれかの方法によって成功した人(企業)が、勝者の椅子にしがみ付いているかぎり、後続者が椅子にすわれるチャンスは小さくなります。そのようにして勝者の場所が固定されてしまう事を、経済格差と考えましょう。椅子にしがみつく方法はいろいろありますが、非常に効率が良いの方法は、後続者へ大きなハンディキャップを与える「規制」を政府につくってもらう事です。規制を正当化する「理由」は、あとからいくらでも考える事ができます。逆に言うと、勝者の椅子に座る資格を「政府規制」ではなく「市場競争」が判定するしくみにすれば、老いて力を失った企業はどんどん退席するので、新しい成功者が生まれる可能性が増します。このように「下克上」の容易な市場環境を構築する事で、勝者つねに変動し、新陳代謝が盛んになって、経済は長期的な停滞を免れるのだと考えます。
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追記:
人は既存の成功者(個人あるいは企業)が衰退して退場し、新しい成功者が椅子に座るのを見る事で、自分の人生にも成功の可能性(希望)がある事を実感できるのだと思われます。以前に香港の例で、けけさんという方が「データで議論できなくなったら夢かよ」とコメント欄で馬鹿にされましたが、私はいまでも、最も効果的な経済政策は起業家や労働者に「あなたも努力すれば成功できるかもしれない」という夢や希望を与える事だと考えています。

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One Response to “おおざっぱに正しい格差是正方法”

  1. 4月 23rd, 2009 at 20:01
    1

    21世紀型の介護立国などを目指して。
    http://angel.ap.teacup.com/newsadakoblog/1286.html

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