邦楽レコードの還流禁止は大反対

10月 7th, 2004 Categories: 1.政治・経済

今日は、日本のレコード会社がやろうとしている並行輸入禁止について文句を言いたいです。

H_OguraさんのBENRIというブログで、10月1日に「輸入禁止期間に関するパブリックコメント」という記事がありました。こんな大事な記事を6日も見逃しにするなんで大失態。

早速長文コメントを書いて「送信」ボタンを押したところ、なぜかコメントがアップしません。

しかも私のコメントが消え失せてしまいました。

ガーン!

夕方の大事な時間を投入して、渾身のコメントを書いたのに、ビクトリアハーバーの藻屑となって消えてしまった。

よーし、こうなったら俺のブログで勝負だ!

という訳で、こちらに書いてTBすることにしました。決してH_Oguraさんを批判しているのではなくて、並行輸入阻止を批判しております。その点をご考慮の上で、よろしくお願いします。

早速、BENRIさんのブログにある問題提起部分を下記に引用させて頂きましょう。


文化庁が輸入禁止期間についてパブリックコメントを求めているようですので、この点について考えてみましょう。


レコード輸入権の趣旨は、アジア諸国から低価格の正規CDが日本国内に並行輸入されてしまうと、特別に高い価格で提供されている国内盤が売れなくなってしまうが、それは日本のレコード会社がアジア諸国にて積極的に事業展開する上で支障が生ずるので、一定期間日本のレコード会社がアジア諸国で販売している正規CDの並行輸入を禁止しようというものでした。


したがって、輸入禁止期間を考える際には、


1.アジア盤が並行輸入されなければ国内盤が大いに売れていたであろうという期間だけアジア盤の並行輸入を禁止すればよい


2.邦楽CDがアジア諸国で積極展開できるようにすることが大切なのであって、諸外国のレコードの売上げを保護してあげる必要はない


3.著作権者(著作隣接権者を含む)の権利は強化すればするほどよいという時代は終わっている


という視点が大切ですね。

アジア盤の邦楽CDといっても、そのほとんどは国内から輸出されたものですので、並行輸入ではなくて還流という言葉で表現したいと思います。

還流禁止期間を考える上で、上記3つの視点を考慮する事が大切だという事ですが、ここでいきなり苦情モードに入りたいと思います。どれくらいの期間が「還流禁止期間」として適しているかという切り口そのものが、既にレコード会社の術にはまっていると思われます。

ズバリ、還流禁止措置は適切な考え方ではない、と結論付けたいと思います。(安易な結論で済みません)

以降、シロウトが及ぶ限りの思考で、3つの視点について考えて見ます。

視点1は大切か?

人気の邦楽CDが、オリコンで何ヶ月間ヒットチャートに入っているとか、その間に廉価なアジア盤邦楽CDが還流されると、音楽業界がどれだけ損害を受けるか、という考え方は、著作権とは別の次元の問題とおもいます。レコード会社は、アジア盤CDを、いつから販売開始するかを、自社の判断で決められるのです。否なら売らなければ良いでしょう。アジアの現地では一刻も早く(アジア価格で)売り出したい、一方、そのアジア盤の邦楽CDが日本へ還流されるのは困るというのは、その企業(あるいは音楽業界)のわがままとしか思えません。

私が良く知っている電子部品の業界では、同じ会社の同じ製品を、日本の販社から買って香港へ輸入できるし、現地の販社から買う事もできます。メーカーが海外で安価に販売した部材を、国内へ還流させて販売する事も可能です。もしメーカーが販路を規制して還流を防ぎ、販売価格を統制するような事になれば、恐らく独占禁止法に違反する犯罪行為になるのではないでしょうか。

沢山の業界では、独占禁止法の下で自由競争させられているのに、邦楽CDは、政府が法律で販売を規制しようとしています。産業界の事情を知るものであれば、このような辻褄が合わない事に、大変な違和感を覚えるのではないでしょうか。

という事で、視点1の内容を考慮する事は、必要ないと考えます。

ちなみに独占禁止法といえば、AV Watchという音楽業界ニュースサイトで、還流阻止は再販制度との2重保護か?という記事がありました。邦楽CDは、国内では、既に再販制度に守られてるのですね。(これも早期撤廃すべきでしょう。)

視点2は大切か?

日本のレコード会社は、なぜアジアへ展開する必要があるのでしょうか?日本国政府は、日本のレコード会社が、アジアでの展開を後押しする必要があるのでしょうか?そんな必要はないでしょう。では何故、レコード会社はアジアへ行くのか?

アジアに日本の文化を伝えるという事なのでしょうか?私は信じられません。ほんとにそうであれば、音楽業界がバックアップしたNGOでもつくって、そういう団体にやらせればよいのでしょう。

企業である以上、お金を儲けて、株主に利益を還元するというのが、株式会社の基本的な目的のはずです。何故アジアへ行くのかといえば、そこに邦楽CDのマーケットがあると考えているからでしょう。邦楽CDを販売して利益が得られるという判断があるから、アジアへの展開を行っていると考えるのが適当と思います。

はたしてレコード会社の海外展開を、日本政府が法律を作って後押しする必要があるでしょうか?

故に、視点2を考慮する事は不要と考えます。

加えて言うならば、アジアで1500円で販売できる邦楽CDを、なぜ日本では2300円でないと販売してはいけないのでしょうか?法律で定められた価格規制はないと思いますが、そうすると闇カルテルでもあるのでしょうか?

アジア(たとえば私の住んでいる香港)で、邦楽CDを1500円で販売して利益を得ているとしたら、日本国内で2300円でないと利益を確保できない、そんな絶対的な理由があるのでしょうか?

パソコンとインターネットが普及した現在、どんなマイナーな歌手でも、自分でレコーディングして、有料音楽ダウンロードサイトから販売する事ができます。マイナーな歌手が、一方的にレコード会社に頼らなければならない時代ではないと思います。営業活動をするのだって、インターネット上にブログやプロモサイトを立ち上げて、創意工夫を凝らして自己アピールを行えば良い。やる気と自己資金なりのプロモができます。

視点3は大切か?

ある国で正規に、かつ合法的に販売されている音楽CD(著作物)が、別の国(両国とも国際的なレベルで著作権法が実施されているという条件)にもってくると違法(あるいは販売に制限を受ける)という考え方は、著作権素人の私にとっては、大変に違和感を感じます。

私はシステム開発屋なので、ソフトウェアに販売権とか、使用権とか、いろんな派生する権利があるのは知っていますが、企業のご都合に合わせて著作権を捏ね回しているようで、いつも違和感を感じています。

そういう訳で、上記の視点3は必要と考えます。というか、大賛成です。著作権を妙に捻じ曲げて還流を止めようとする並行輸入は、ぜひともH_Oguraさんに頑張ってもらい、阻止してほしいと願っています。

ところで、机上の空論ばかりでは説得力がないので、昨夜、香港のレコード販売店の現地調査をしてきました。チムサチョイの北京道にあるHMVのアジア音楽コーナーで、邦楽CDの棚を覗いてきました。

4-5年前は、邦楽CDといえば国内価格で調達したものを輸出していたようで、国内で2500円で売られているCDが、HKD220(今の為替レートで3130円)くらで販売されていました。

演歌歌手の棚に並んでいるほぼすべての邦楽CDは、HKD220前後で売られていました。アジア盤が無いのか、昔輸入したまま売れ残っているのでしょうか。

ポップミュージックの棚に移動して、いろんな邦楽CDを眺めました。価格はだいたいHKD99(1400円)からHKD115(1640円)でした。なるほど、これがアジア盤なのか。しばらくHMVに来ない間に、情勢がだいぶ変わったのですね。その辺のCDを手にとって詳しく見ると、ジャケットの印刷は日本語です。おもてから見ると、国内CDとの違いはないようでした。裏側を見ると、小さな紙切れが挿入されていて、中国語の説明がなにやら書いてあります。CDをパッキングしたときに入れたのでしょう。

別の邦楽CDの裏面には、「日本販売禁止です」と印刷されていました。あれっ、まだ還流を禁止する法律は開始していないはずとおもうのですが、レコード会社が勝手に禁止して良いものなのでしょうか?

ちなみに、HMVの入り口のところで、(たぶん米国の)ヒットチャート上位の音楽CDを大々的にプロモしていました。値段は、HKD90(1280円)からHKD120(1700円)の間でした。

米国の音楽CDも、香港向けに安い値段で販売しているのでしょうか?ちょっと米国のamazonサイトで飛んで、国内での販売価格を調べてみました。

むむむ...

定価(メーカー希望小売価格?)はUSD18(2000円)前後で、販売価格はUSD14(1550円)前後でした。

という事は、米国の音楽CDは、香港で売っている価格とさほど変わりないという事ですね。つまり、米国のレコード会社は、香港で販売するときに、アジア価格を行っていないという事ですね。

H_Oguraさんの引用部分にも、アジア諸国から低価格の正規CDが日本国内に並行輸入されてしまうと、特別に高い価格で提供されている国内盤が売れなくなってしまうがと書いておられますが、まさにその通り、世界で一番高いのではないかと疑ってしまいます。

レコード会社は、ロイヤリティーの問題を言うが、それでは米国はどんなんだ!と言いたい。邦楽のアジア盤とほぼ同じ価格で販売している米国の音楽CDは、どうなんでしょうか?

米国のCDで問題にならない事が、邦楽CDで問題になるという事は、アジア(というか世界展開)するにおいて、日本の常識を世界の常識にすり合わせれば済む事ではないかと思います。

レコード会社がいろいろな言い訳的な理由を述べていますが、結局は、自分の高コスト体質を棚上げして、詭弁を弄して現状を乗り切ろうとしているとしか思えません。

と、ここまで書いたところで、似たような記事を見つけました。

まっ、人の事は置いといて、ここまで書いたんだし、このままアップする事にしましょう。

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2 Responses to “邦楽レコードの還流禁止は大反対”

  1. 5月 15th, 2007 at 14:19
    1

    ソフトウェアの開発は、 企業全体のシステム再構築と考えています。
    単なるソフトウエアでなく、ダイナミックに変化する環境の中で生きて使われ? 企業システムをより確かなものにしていくことをめざしています。新潟オープンソース協会が設立されて約3年、まだ新潟にオープンソースは定着せず、私自身も自社のことで手一杯で新潟オープンソース協会に協力的とはいえないが、オープンソースのイベントでもっと熱気を感じ取れるようにがんばって行かなくては。

    ソフトウエアは、それが単に動作服装ERPすればいいというのではなく? お使いいただいているお客様の役に立っているかどうかが最も重要なことです。
    コンサルティングを行い構築設計したソフトウエアであっても、服装ERP期待した結果を生み出すとは限りません。ソフトウエアも?使い方?使う人によって生きてくるものです。

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  1. kitanoのアレ トラックバック | 2004/10/12
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