ブログと職業

10月 5th, 2004 Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ

頂いたTBを私宛にメール通知する機能が調子悪くて、半月前にharvestrainさんから頂いたTBに気づきませんでした。(すみません。)harvestrainさんの記事を引用しながらブログ閉鎖宣言で思うこと(2)では書かなかった内容を補足したいと思います。

自分の業務をブログに書くのは、どんな職業でもリスクが伴います。それでも、医療ブログは公共の福祉を増進させる意義が、リスクに勝ると思うのです。


私は、システム開発者だ。有名なサイトや有名な企業の社内システムを手がけたこともある。当然ながら守秘義務があるので、関わった案件の詳細な情報やクライアントが推察できるようなことは書けない。しかし、関わった仕事から学んだ教訓や思いをブログに託すことで、その道のプロでない人たちへ、少しでも見えない世界、遠い世界が身近になればと思うことはある。時には、それはこの業界の印象を悪くするようなことであったり、結果として評価を下げてしまうようなことである場合もある。

私のようなシステム屋が、お客様である導入先の担当者の問題や、業務上の裏話しを匿名で書いたとしたら、どういう事が起こるでしょうか。日経コンピュータという雑誌にはそういう記事が沢山あります。しかし、個人のブログでそれを書く事は、不必要なリスクを負う事につながります。

システムを導入する会社は、病院の患者ほど多くないので、話題になるような面白い話しであれば、どこの客先で担当者はだれと、2チャンネルあたりですぐにネタバレしてしまう可能性があって、匿名性を保つのが難しいと思います。

もしも、お客様である企業にブログ記事の内容が知られてしまった場合、守秘契約があれば、契約違反という事で訴訟を起されるか、あるいはお金で補償しろという事になります。守秘義務がなくても、そんな会社は信用ならんという事になり、そういう会社に発注してくれるお客がいなくなって、たちまち会社は倒産、私は路頭に迷う事でしょう。客商売の辛い面です。

そこへ行くと医療業務関係者は、そういう面で恵まれていると思います。ある患者の治療情報(成功であれ、失敗でれ)は、他の多くの患者が治療を受ける上で(かなりダイレクトに)利益につながります。ブログ著者に悪意さえなければ、「公共の福祉」という錦の御旗があるので、治療情報や記事を匿名で公開するという人々の合意を得られやすいのではないでしょうか。(院内組織のスキャンダルのような暴露話しは、病院の数が少ないので、バレて失職しないように気をつけて下さい)


ブログを続けることに命をかける必要はないかもしれない。精神的に辛くなるのであれば、無理をする必要はない。けれど、個人ブログにおいて、医療関係者の発信する情報は私たち患者となりうる立場の人からすると、貴重な存在であることも覚えておいてほしい。それを喜んでいる人たちが大勢居るということも、応援している人たちが居るということも、忘れないでほしい。

人間は、知りたいという欲求を持っています。その次は経験です。知り、経験した内容を、最後には、だれかに伝えたくなります。それがブログの精神の根底にあると思うのです。

医療ブログを書かれる多くの医療関係の方は、診療内容の記事を書くときに、単に伝えたいという欲求のほかに、医者としての(患者を助けたいという)本能があると思います。ひとつのブログ記事が、沢山の悩める患者達に、明るい希望を与えてくれるかもしれません。

とにかく、一人でも多くのお医者様や医療関係者の方に、医療ブログを始めて頂きたい、あるいは続けていただきたいと願う次第です。

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