琢磨とバトンの走りの違い

9月 18th, 2004 Categories: 車の話し

琢磨は速い。琢磨の方が予選のタイムが良い。しかし、バトンの方が頻繁に入賞している。この違いはなんだろうか?考えてみた。

琢磨もバトンも速い。決してBARホンダの車が速いだけではなく、2人のドライバーは、この車のポテンシャルを十分に引き出して、速く走る技を十分に備えていると思う。

琢磨はしばしば、バトンよりも予選タイムが良い。イタリアまでの15戦で、琢磨のスターティンググリッドがバトンより前であった事が6回、2列目(4番手)以内でのポジションでスタートした事が4回もある。バトンにはポールポジションが1回あるが、琢磨は2番手ポジションが1回ある。

りっぱなものである。過去のどんな日本人ドライバーも、F1で、このように速く走る事ができなかった。

しかしである。レース終了後の結果を見ると、圧倒的に、バトンの方がドライバーズ・ポイントを稼いでいる。イタリア戦終了後の状況は、琢磨が23点であるのに対して、バトンは71点である。

ポディウムに立った回数でみると、バトンは8回、琢磨は1回である。これは大きな違いだ。

なぜ、このような違いが出るのか、考えてみた。

無人のコースを速く走る2人の能力にそれほど差が無い事は既に述べた。では、なにが違うのか。

今、考えている事は、レース上手、という要素である。テストコースや、予選サーキットで、速く走るためには、この瞬間の車のコンディションで、目の前のコースを、いかにミスせず、上手く攻めるかという事が大事と思う。そこには、後ろからプッシュしてくる車も、周回遅れのじゃまな車もいない。

レースでは、この瞬間の車のコンディションだけ考えているわけにはいかない。レース終了(あるいは次回のピットイン)まで、いかに車やタイヤのコンディションをキープするかを考える。毎週を最後まで、全力で走る事はできない。

時には速く走るよりも、抜かれないように走る事も必要だ。琢磨はしばしば、スタート直後の第一、第二コーナーで、前に行こうとあせるあまり、逆に、後続車にパスされて順位を落としている。

不用意なスピンも多い。いい調子で順位を上げているなーと思うと、突然に順位が2つくらいポコッと落ちてしまう事は、1回や2回じゃなかった。

リタイアの回数も、琢磨とバトンでは大きな差がある。琢磨はよくリタイアする。エンジントラブルが何回もあった。バトンは1回だけだ。同じマシンでこの差は、やはり2人のドライビングの質の違いかと考えざるをえない。

レース上手をより具体的な言葉にすると、現在のレースに対して、良い長期戦略と短期戦略を持つという事になるのではと思う。

長期戦略は、ドライバーだけでなくチームスタッフの支援が大きいので、それほど危惧することは無いと思う。問題は、短期戦略(タクティクス)である。目の前のレース展開に対応する、ひとつひとつの対応は、このタクティクスが強く影響してくる。しかも、こればかりはチームからの助言や指示を待つ事はできない。すべて、自分で考えて、実行しなければならない。

ぐだぐだと書いてきた。なにが言いたいかというと、「琢磨よ、もっとタクティクス(短期戦略)を身に付けろ!」と結論付けたい。

書き終わってみたら、なんか当たり前の事ばかりだ。まあいい。

とにかく、たのむぞ琢磨。

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