法人税廃止と外資誘致による内需振興政策

3月 1st, 2009 Categories: 1.政治・経済

中国は外貨を稼ぎ、労働者の雇用を確保する為に、30年くらい外資導入の政策を続けています。その結果、こちらの記事のように沿岸部諸都市では中産階級が1億人を超え、米ドルの外貨準備高は日本を抜き去り、こちらのように世界一になりました。

日本は先進国だから、外資を呼び込むような途上国政策は不要だ、だから中国の成功は参考にならない、と考える方がおられるかもしれません。しかし米国の経済は世界の外貨が流入する事により成立しています。

日本の工場労働者の賃金をベトナム並みにして、中国と労働市場でグローバルな競争を行い、世界の工場を呼び込むというこちらの記事を書きましたが、実際問題として、意図的に低賃金労働者層を拡大して、世界の工場になる事は、日本にとって必ずしも良い未来とは言えません。

しかしもうひとつ、政策的に外資を呼び込む政策があります。池田氏がアゴラで述べているように、法人税を廃止します。そして、東アジア地区のヘッドクォーター(地区本社)を欧米から呼び込む政策です。
欧米の企業が中国・タイ・ベトナム・フィリピンなどへ事業投資(現地への会社設立)を行う際に、日本へ東アジア地区本社を設立し、この地区本社から現地への事業投資を行うように働きかけるのです。これは主に高学歴・高賃金のホワイトカラー雇用を拡大させます。その結果、日本にとって以下のメリットがあると考えられます。

1)国内銀行の、外資企業への融資機会が増大する。

2)監査法人、弁護士事務所など高付加価値産業の業務が拡大する。

3)都心の賃貸業(高額な事務所エリア、マンションなど)が活性化する。

4)院卒やMBAなど超高学歴ホワイトカラーの雇用機会が増大する。

5)国内大企業で死蔵されている超高学歴、高学歴で有能なホワイトカラーの労働市場が開き、ホワイトカラーの雇用流動性と平均賃金が同時に高まる。

6) 国内企業と外資企業の間で、ホワイトカラーの循環がはじまり、ホワイトカラーの事務生産性が高まる可能性がある。

7)国際教養大学のような、英語で授業を行う経済系大学や、経済系学大学院の受け皿が増えて、長期的には国内経営者のレベルがアップする可能性がある。

東アジア地区本社の獲得競争で日本(東京、大阪、名古屋)の競争相手となるのは、香港北京上海シンガポールの4箇所と思われます。このうち、香港は法人税が約17%と低く、東京並みに住みやすく、金融が自由化されており、英語を話す高学歴・超高学歴ホワイトカラーが豊富なので強敵です。中国(北京と上海)は法の整備が未熟で、通貨(元)が国際通貨になっておらず、長期には政治的リスクもあって競争には有利だと思います。シンガポールも香港とならぶ強敵ですが、地理的に東アジアから遠いのがデメリットではないでしょうか。

このように政策により外資を呼び込んで産業構造を改革し内需を振興する事は、まさに政府にしかできない政策です。

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