貧富の格差とは何か

2月 19th, 2009 Categories: 1.政治・経済

昨日の記事で、格差社会とは「階層間格差が大きく、閉鎖性が強くて、階層間の遷移が不能もしくは困難な社会」と言いました。ところでwikiを読むと、格差にはいろいろな種類があるようです。格差の代表例は貧富の格差(経済格差)です。これはどうして生まれるのでしょうか。また格差が生じる事は悪い事なのかという事について考えて見ます。

貧富の差はいろいろな要因によって生じますが、富の蓄積は(犯罪を除けば)経済活動の結果ですから、善悪とは関係ありません。経済活動が活発であればあるほど、貧富の差は開きます。その結果生じた富裕層が社会的に固定されてしまう事が貧富の格差(経済格差)です。

貧富の格差は貧困層を生み出す傾向があり、これが進むと大量の失業者による極貧層となり、更に進むと(歴史を見れば明らかなように)社会不安や革命や戦争を生み出す事もあります。しかし貧富の格差は本来、大きな貧困層の発生を意図していません。富の蓄積には(良い)労働者と安定した社会が必要であり、社会不安や革命や国有化を招く貧困層の増大は、富裕層にとって益が無いからです。つまり経済格差自体に善悪は無いが、それが結果として貧困層や極貧層を生み出す「効果」は悪であるといえるかもしれません。

それでは貧富の格差と貧困層増大の相関関係は何でしょうか。考えられるのは労働者のモチベーション低下、つまり直接的な経済的要因でなく心理的な要因です。しかもそれは今日の衣食住に関するものではなく、未来への閉塞感という心理的要因です。学生や若い労働者にとって、一生が低賃金労働と最下層の生活に固定された将来しか無いと知る事は、学習や向上意欲の喪失、勤労意欲の低下に直結し、生活の質は益々低下して、最後は大量の失業者と極貧層を生み出すのではないかと考えます。

日本はバブルが弾けた後で社会に閉塞感が高まりました。経済的には問題ない世帯収入があっても、良い大学を出ても就職できず、正社員であってもリストラされ、社会保障費はいつかはパンクし、いくら頑張っても金持ちになれないという閉塞感が、無気力な学生と労働者を大量に生み出して、引きこもりや非正規労働者の問題へと繋がって来ました。

つまり貧富の格差とは、富裕層を固定するしくみそのものではなく、その結果生み出される国民全体への閉塞感が学習や向上や労働の意欲を低下あるいは喪失させ、経済を停滞させてGDPを低下させ、結果として失業率を増大させ、社会不安を起こしてゆく負のフィードバックという「悪い効果」が問題のようです。

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