リベラル保守は対義結合である

10月 24th, 2017 Categories: ブログ評論, 1.政治・経済

保守・リベラルはいくつかの場面で用いられている言葉です。たとえば保守派・リベラル派というのは、政党やメディアの思想的傾向を表す修飾語としてよく用いられているようです。

保守・リベラルという言葉の意味を「保守的」に解釈すると、その人達が何をしているかによって、それは保守派とかリベラル派であると解釈されているようです。最近は保守派政党の代表格であった自民党が経済政策でリベラル派の株を奪っているので、リベラル派と言われていた民進党を改め立憲民主党の枝野氏も、「我々はリベラル保守である」とか言い出しているようです。おまけに漫画家で論客の小林よしのり氏も「保守とリベラルは対立概念ではない」と申しております。

参考文献:すごくうまい選挙だった

私はこの解釈に、ものすごい違和感を覚えております。

以前に私のブログ記事「真にリベラルなメディアがほしい」でリベラルと保守の用語定義を紹介しましたが、ここでもう一度、大辞林を引用しておさらいしたいと思います。

◯保守とは、古くからの習慣・制度・考え方などを尊重し,急激な改革に反対すること。(ここをクリック

◯リベラルとは、自由を重んじるさま。伝統や習慣にとらわれないさま。(ここをクリック

上記で示したように、保守・リベラルという言葉のコアにあるのは、意思決定時における価値判断の傾向です。2つの言葉の定義の中で、保守の「古くからの習慣・制度・考え方などを尊重」という価値判断(バイアス)から「自由になって」意思決定を行うのがリベラルです。

リベラルは保守の対義語ですので、「リベラル保守」というのは「対義結合」となります。こういう用法は消費者の注意を喚起するためのマーケティング技法(ここをクリック)として用いられる事があるようです。枝野氏や、彼を応援する小林よしのり氏は、選挙民へアピールする為に、この「対義結合」を意図的に使用したのでしょうか。

ちなみにですが、上記の傾向が継続的に強く現れる人達の事を、保守派あるいはリベラル派と定義されるのだと考えられます。この定義は「現在その瞬間の動的なありさまの表現」であって、その状態が「継続的に行われている静的なありさまの表現では無い」事に注意するべきだと思います。

たとえば明治政府は、江戸幕府という「保守派」政府の伝統的束縛から自由になって、新しい日本を作ろうとしたという意味で「リベラル派」でした。しかし、リベラル政権も一定期間続くと、自分の伝統や習慣を産み出して「保守派」になります。

日本共産党は、「保守派」となった明治政府への対抗組織として結党された時は「リベラル派」だったと考えられますが、それから100年弱経った現在、固定された綱領や政策による一貫性を持った時点で「保守派」になったと言えます。

自民党には伝統や慣習を重んずる「保守派」の議員が多いようですが、安倍政権で行われた非伝統的金融政策(ここをクリック)は、その名の通り「リベラル的」政策です。また、自民党が過去につくった改憲草案(ここをクリック)を捨て、公明党案に近い加憲案を推し進めようとするさまは、自民党から見ても党外から見ても「リベラル的」発想であると言えます。

今回の衆議院選挙でも自民党が圧勝しましたが、安倍政権には今後も引き続き、保守派議員の多い自民党とは距離を置き、野党の提唱する政策の中で良いものはどんどんパクって、安全保障体制の強化と経済の発展に尽くして頂きたいものです。

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