結局、日本の好景気を支えていたのは輸出企業だけだった

2月 3rd, 2009 Categories: 1.政治・経済

日本は連日、不況による暗いニュースが目白押しだ。何百人、何千人単位で非正規雇用者が解雇され、正社員も給料1割カットの承諾書が社内で回され始めたと聞く。金融機関の傷が浅い日本ですらこうなのだから、世界不況の爆心地である米国はさぞや悲惨だろうと思いきや、渡辺千賀氏のこちらのブログによれば、米国(金融街と自動車産業地域など一部の地域を除けば)はそれほど暗い雰囲気という訳ではないらしい。

確かに米国では、消費者が銀行からお金が借りられなくなって、大きなお金の消費は低下している。しかし、サブプライムショックで購入した自宅を追い出された人達も、家をギブアップした後で借金だけが残るわけではないらしい。また、消費が冷え込んだとはいえ、もともと内需は旺盛な国柄だけに、高い買い物を我慢しているだけで、日常生活はあっけらかんとしているようだ。

さて、サブプライムショックの直接被害をあまり受けなかった日本の景気が、こんなにも悪いのは何故だろうか。その理由は、非正規雇用者を大量解雇している企業の名前を見れば明らかだ。今日の朝日新聞(ネット版)の記事一覧画面を見るだけで、トヨタ、日立、パナソニック、住友化学、神戸製鋼と、これだけの企業名がずらりと並ぶ。これらの企業に共通しているのは、グローバリゼーションの波に乗る輸出型企業という事だ。日本の金融は問題なくても、輸出企業がつまずくだけで、日本の景気はこのようにどん底になってしまった。

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我々は今日まで、戦後最長といわれる「かげろう景気」の牽引役が誰だったのか関心さえなかった。しかし今、それが輸出型産業だった事がわかった。そして、輸出企業が(米国不動産バブルが弾けた影響で)90円前後の円高になった瞬間、国内の景気も終焉を迎えた事がわかった。

さて、日本人はこれからどうすれば良いのだろうか。輸出企業は、これからもできるだけ頑張って欲しいが、内需拡大の牽引役は難しいだろう。円高が続き輸出が益々苦しくなる事を考えれば、おいそれと内部留保を吐き出したりしないからだ。国内で内需を喚起する産業が他にもっと必要だ。

渡辺氏は「床屋とか、看護師とか、ベビーシッターとか、ペットシッターとか、電気工事の人とか、水道屋さんとか、そこにいる人にしかできないサービス業は一杯ある訳で」と述べているが、弱りきっている既存の土木・建築業界を潰して、大企業が消えた「空き地」で中小零細企業を競争させるとか、農業の企業参入規制を大幅に緩めて、たくさんの企業が参入できるようにするとか、既存の放送業界を潰して、電波とインターネットをミックスさせた企業を地域毎に興すとか、内需を喚起するいろんな手がある筈だ。

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