飲食業者はみんな過労死するのか

1月 28th, 2009 Categories: 1.政治・経済

小倉氏は前の記事に対する反論記事で、「労働基準法を無視して長時間労働を強いていることが広く知られている飲食店チェーンの仕事」と非難し、「結局のところ、bobbyさんは、日本に居住する一般労働者に対し、「飢え死にするか、過労死するか、どちらかを選べ」と仰りたいのでしょう。」と決め付けています。小倉氏は飲食業に恨みでもあるのでしょうか。全国の飲食業で働いている人は何十万人もいると思われます。ブラックな例をひとつふたつ挙げて、「派遣切られた人が飲食業へ行くのは自殺行為」というのは如何なものでしょうか。

過労死110番によれば、過労死が発生する職種は学校、病院、事務職、店舗と広範囲に渡っているようで、飲食業が特に札付きの悪者という訳ではないようです。どんな業界にも労働基準法や労働安全衛生法など、法律を守らないブラックな企業はあるものです。小倉氏は飲食業界を攻撃されますが、この記事を読むと勤務医なんか地獄の職業ですね。金融関係のプログラマも月に150時間から200時間残業している人は多いようです。法曹界だって、この記事を読むと、過労死する人はいるようです。だから小倉氏は法曹界をブラックだと言われますか?

こうして見ると、世の中に「過労死」するかもしれない職業は頭脳労働から接客業や肉体労働まで多岐に渡っており、小倉氏の「飲食業は危険」という理論は成り立しません。派遣切りされた失職者がその日の食にも困るような時に、とりあえず飲食業で食いつなぐという理屈は依然として合理的であると思われます。

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6 Responses to “飲食業者はみんな過労死するのか”

  1. yajikita
    1月 28th, 2009 at 01:43
    1

    飲食店は賄いもあるので、食べるのに困ったら働くにはいい場所です。NYでも皿洗いからはじめてレストランのオーナーになるなんて話もありますし。
    それから、いい大人が学生じゃあるまいし法学部だとか経済学部がとかいっているのが日本的ですね。大学のの勉強なんて4年です。そのあとの社会人経験のほうが重要じゃないかと思っています。大学の専門を仕事にしている人はそんなに多いのでしょうか。確かにほとんどの弁護士様やお医者様はそうですね。しかし、ほとんどの人が大学の専門に関係なく仕事をしているのでは。私は理系ですが入社当時は周りは文系のほうが多かったです。最近は理系も増えましたが。みな大学の専門とは違った仕事をしています。メリルリンチのCEOだったジョン・セイン氏は大学は経済学部ではなくMITで電子工学を専門にしてたはずです。欧米の金融のマネージメントは理系出身が結構います。私見ですが、Bobbyさんは経済学を勉強したからではなく、社会人として経済を肌で感じた経験から言っているような感じがします。私の肌感覚と近いものがあります。日本からはなれていろいろな国でいろいろな人種の人と仕事をしてますがグローバルにビジネスをする場合は日本特有の事情だけでは物事を進めるのは困難です。

  2. bobby
    1月 28th, 2009 at 12:08
    2

    Yajikitaさん

    コメント有難うございます。弁護士も経済学者も、どちらも世の中の事を考えているのは同じだとしても、仕事から来る視点や価値観の相違が意見の違いを生んでいるのだと思います。経済学者は世の中の大きな「しくみ」を考えるのが仕事です。社会の底辺が最小限になるしくみを考える事は出来ても、実際に生まれる弱者達を救うの事は得意ではない。弁護士は「しくみ」の中で虐げられたり弾き出された個人を助けるのが仕事ですが、普通に生活している大多数の人達は業務範囲外で見えない。

    どちらが全体の福祉の役に立つかといえば、経済学者の理屈の方が合理的であるのは間違いないのですが、底辺の人たちへの影響力は弁護士の方が大きいかもしれない。私が小倉氏との議論に興味があるのは、そういうところかもしれません。

  3. yajikita
    1月 28th, 2009 at 17:44
    3

    確かに興味がわく議論ですね。私も彼らの見ている世間というのに興味があります。大企業の経営者がお金持ちというのは日本の場合は賛成できかねますが。日本航空の社長が収入が機長より安く電車通勤をしているという清貧さが欧米の経営者の間で驚かれているくらいですから。
    私は11年前に8ヶ月ほど失業していたことがあります。昨今の失業の話も他人事ではない気がいたします。ただそれまでに2年は生活できる資金を貯めていました。でもあと半年仕事が見つからなかったら飲食業で働いていたと思います。食べ物はどんな時代も必要ですから。私の知り合いの話ですがデザイナーになる夢を叶えるために1年間トヨタの下請けで期間工をして200万円創業資金とと当面の生活費を貯めてソウルでデザイナーの修行をしている人がいます。その時に目的があれば期間工はいい仕事ではなかと思いました。私が彼女にできたのは美味しいご飯を御馳走するくらいでしたが。

  4. bobby
    1月 28th, 2009 at 21:01
    4

    Yajikitaさん

    私もこの20数年間に香港で2度失業しました。1回目は香港に来てすぐに会社が倒産し、2回目は日本のバブルが弾けた直後です。海外で失業すると、就業ビザの問題があるので日本で失職するより大変ですが、何でもやるつもりで頑張れば、なんとかなるものですね。

  5. 1月 28th, 2009 at 23:59
    5

    例に挙げられたなかで、とくに
    ・勤務医
    ・金融関係のプログラマ
    は労働時間に関する限りブラックそのものですね。前者などは昨今非常に話題になっています。「月に150時間から200時間残業」というのは例の80時間を大幅に上回っており、論外としか言いようがありません。それらは「現状がこうなのだから仕方がない」と言わずに、問題提起されてしかるべきです。というか、現にされているのですけれども。
    「飲食業が特に札付きの悪者という訳ではない」のは確かにそうですが、であるならばチェーン飲食店などは上記の業界を含め、構造的に労働環境が悪くなる傾向にある――という話にはならないでしょうか? チェーン飲食店(もう少し厳密に言うと、和民や白木屋なども含むチェーンの居酒屋)は以前からそういう問題が取りざたされている業種でして、はっきり言えば「悪評が高い」です。勤務医やプログラマに比べると、専門的なスキルを必要としないぶん低賃金であることも拍車をかけています。
    ついでに申し上げると、小倉氏はあくまで「チェーン飲食店」(チェーン居酒屋)の話をしているわけですが、bobbyさんはそれを「飲食業」一般に恣意的に拡張している時点で少々卑怯な論法ではないかと感じました。飲食業全般の話をするならもちろん大半はまともな企業のはずですが、小倉氏は最初からそのレベルでの話はしていません。

  6. KK
    2月 8th, 2009 at 17:12
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    小倉氏の論旨は「飢え死にするか、過労死するかの選択を迫る新自由主義」
    のタイトルのとおり,新自由主義の問題性を語るもので,某飲食店の話はその一例でした。
    これに対して「こうして見ると、世の中に「過労死」するかもしれない職業は頭脳労働から接客業や肉体労働まで多岐に渡っており、小倉氏の「飲食業は危険」という理論は成り立しません」というのは,反論対象がズレていると思います。
    そして,むしろ「世の中に「過労死」するかもしれない職業は頭脳労働から接客業や肉体労働まで多岐に渡って」という論は,小倉氏の新自由主義批判の論拠を強めるものだと思われます(本当は小倉氏の新自由主義批判には賛成なんですよね?)
    また,「派遣切りされた失職者がその日の食にも困るような時に、とりあえず飲食業で食いつなぐという理屈は依然として合理的であると思われます。 」という点も,そのような状況に置かれた個人の選択として合理的であっても,個人がそのような状況に置かれざるを得ない社会システム自体の問題性に対する回答にはならないと思われます。

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