転職でランクアップさせるスキルと給料

香港の新卒は、どうやって知識とスキルを身につけ、給料アップを目指すのでしょうか。有名大学で成績優秀な生徒は、いきなり大企業の良い職種へ就職するので、話しとして面白くありませんから、この話しから除外しましょう。条件は、中クラスかそれ以下のレベルの大学を卒業して、普通に求職活動する人を例にします。

香港で就職するときは、面接される側も採用する側も、ある程度職種を指定してきます。求職者の選択条件は会社名優先ではなくて希望職種優先が一般的です。採用する側も職種を指定して面接します。香港は狭くて、大企業といわれる会社の数は多くないですし、その中の営業やマーケティングやエンジニアなど人気の高い職種の募集数は少ないですから、ほとんどの新卒は、中小企業に入社します。

入社しても社風や仕事内容が気に入らなければ、数日から数週間で辞めて、別の会社を探し出す人もいます。新卒の就職開始期間はだいたい7月から9月くらいと幅があるので、多少のやり直しが効きます。最初の会社で1年から3年くらい仕事を続け、自分の受け持ち業務で1人前の知識と経験を身に付けたと自己判断できたら、次の転職先を探します。

香港では、雇用の流動性が高く、社員の多くが3年から5年で転職するので、大企業から中小企業まで、いつでも多くの会社が求人募集しています。また、常に新しい会社が生まれ、即戦力の人員を求めています。ですから厳しい不況時でもない限り、今より良い待遇の会社への転職はそれほど難しくありません。

新卒で入社すると給料は当然低いです。多くの会社は、社内での昇給速度は遅いですし、能力の上昇に見合ってもいません。ある分野でとりあえず1人前の知識を身につけて即戦力になれば、その能力をベースに、今よりワンクラス高い給料をオファーしてくれる、今より大きな会社を探して転職します。

似た業種への転職であっても、会社毎に商品や仕事のやり方が違いますので、いろいろ新しい事を学べます。自分の居る業界に先が見えたり、別の可能性を試してみたくなった時は、今より少し給料を下げてでも、別の業界へ転職する事も検討します。長期的に考えて、そちらの方が面白そうだとか、給料の最終到達点が高いという事を考えます。事務職からIT関係の職へ進路変更する為に、夜学に通って資格を取る社会人は非常に多くいます。弊社のエンジニアの多くは、専門分野の知識を高めるために夜間制の大学や大学院へ通ったり、MBAのコースに通っています。そうしていつかはもっと大きな会社へ転職してゆくでしょう。

小さい企業は(給料を除けば)社員を大切にするので、会社が傾きでもしない限り、人員調整による解雇もめったにありません。10年とか20年も継続して勤めている人がけっこうな比率でいたります。会社のサイズが大きくなるほど、好況と不況での仕事量の差が大きいので、不況時に人員調整される可能性が大きくなります。また、大きな会社は合併や提携で部門の新設や廃止が頻繁に起こるので、長期雇用のリスクは高まります。

このようにして新卒(月給1万香港ドル)からはじまり、30歳前後で給料2万香港ドル、35歳までに給料2万5千~3万香港ドルにまで到達します。35歳前後になると、さすがに給料やポジションの問題で転職しにくくなりますので、そこそこの給料で人員整理リスクの低い会社の管理職に滑り込んで、あとはできるだけリタイア(住宅ローンを払い終わり、子供全員が大学卒業する)までその会社に留まれるように頑張ります。

余談になりますが、リタイア後の話もします。香港には長期雇用者の退職金制度というのがあり、2年以上継続して働くと下記のような計算で退職金を貰う事ができます。35歳から55歳まで20年間働いた場合で、退職時の給料が3万5千香港ドルならば、70万香港ドル(およそ900万円)の退職金がもらえます。

それからMPFという401Kタイプの退職積立金があり、60歳になったら被雇用者が現金化できる退職積立金です。月給の5%を被雇用者が、同じく5%を雇用者が出して、株や債権などを組み合わせたファンドを、業者を経由して毎月購入します。この分の金額は所得税から控除できます。

香港では中流のサラリーマン家庭の多くは共働きですので、退職後はローンの払い終わったマンションに住み、2人の退職金とMPFあわせて数千万円程度の金額を、少なくとも老後の生活の原資とする事ができます。

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