アジアで一番に夢のある経済都市

1月 23rd, 2009 Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ

香港のジニ係数0.52はアジア1位であり、貧富の差がすごく大きいとこの記事で報道されています。 一方、こちらの記事では、ジニ係数が高い理由について、ほとんどの人が月収19万円(*1)で、清掃員やサービス業など低収入の人はその半分以下である事が突出した富裕層との貧富の差となっていると述べています。香港で月収6万4千円(*1)に満たない低収入の人が42万人(人口の6%)いるとこちらの記事で述べられているが、残りの654万人(94%)は普通かそれ以上の暮らしをしているという事ですね。

雇用の流動性が高い香港では「経済がこんなに繁栄していますよ」という私のこの記事について、小倉さんから、ジニ係数がアジア1高い事などを理由に、「bobbyさんとか新自由主義が好きな方は、そういう若者が我が世の春を謳歌する反面、末端労働者が路上やカゴの中で寝泊まりする社会が望ましいと考えておられるのでしょう。 」(ここ)というリプライ記事を頂きました。

そこで、香港社会と、6%の貧困者と残りの94%の人たちについて、20数年間の個人的な体験と、弊社の社員から聞いた生情報やネット情報をもとに意見を述べさせて頂きます。

香港のジニ係数0.52と高いのは、約94%の中産層が、活発な経済でマンションなどを所有するなど富を増しているからのようです。もちろん香港は富豪も多いので、最低層と富裕層を比較すると貧富の差は大きいのですが、香港に住んでいる人にとっては、「貧富の差」があるが故に、社会に活力が満ち、経済が繁栄しているのだという事を理解しています。経済格差が(日本のように)親の財産や受けた教育によって固定されず、「俺もいつかは高級マンションに住んで、大型ベンツに乗るぞ」という夢を、多くの人がかなえている事が、低所得者の生きる励みになっています。この事は、私が20数年前に香港に来てから現在まで、変わることの無い香港社会の特徴です。

マンション購入について。30代前後で4000万円(*1)のマンション購入について誤解を与えたようですが、富裕層の事ではありません。大卒でオフィス勤めの月給20万円(*1、*2)くらいの普通のサラリーマン夫婦が、銀行ローンで購入しています。香港のオフィス勤めサラリーマンの給料は男女格差があまり無く、ほぼ夫婦共働きで、更にアルバイトや株式投資など昼間の仕事以外の収入を持っている人も多いので、世帯収入が大きく、このようなマンションをローンで購入できるのです。実例ですが、弊社の20代後半の独身社員君(普通の家庭出身)も既に小さなマンションを銀行ローンで購入しています。

福祉について。昔から自助自立の精神が強く、香港人自身の希望によって英国式の福祉社会を避けて来ましたので、外から見える福祉制度は、10年くらい前に開始した401K方式の退職金積み立てくらいのものです。しかし内側から見ると、日本より貧困層に優しいのです。政府病院の外来は無料で治療が受けられます。普通のマンションが買えない低所得世帯向けのマンションも政府かなり沢山建設しました。金持ちになる夢破れ高齢で貯蓄も無い貧困層の人達の為に、政府の貧困者用住宅がありますし、更に病気や高齢で就業できない人には政府が生活費を支給しています。非常に寒い冬の年には、政府がそういう人たちに毛布を配布しますし、現在のような大不況で働きたいが収入が途絶えた人の為に、1億HKDの予算を計上して食料を配給(ここを参照)しています。ですから東京やニューヨークと違い、路上生活者はほとんどいません。特筆すべき貧民街もありません。

このように、何も無い極貧者の生活を支援する為の福祉予算はすべて、活発な経済がもたらす税収で賄われています。日本のような社会福祉制度がなくても、企業が栄え、税収が豊富にある香港では、弱者の為の予算を組んで、セーフティーネットをきちんと用意しているのです。

*1:為替レートは、HKD7.8=USD1.00、JPY100=USD1.00(極端なレートを避けました)
*2:一般的な香港人の月給の目安ですが、清掃員や食堂のウェイトレスなど最低収入でHKD3000(3万5千円)から、大卒初任給がHKD8000(10万円)から、30歳前後の大卒事務職でHKD16000(20万円)前後、35歳前後の中小企業の管理職でHKD30000(38万円)。MPFという401K型退職金積み立てで月給の5%を天引きされる。所得税は、月給HKD7700(9万8千円)までゼロ。

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