雇用の流動性と不当解雇は別次元の問題

1月 21st, 2009 Categories: 1.政治・経済

雇用の流動性を高める事の是非について小倉秀夫氏とブログ記事の中で議論しています。私は賛成で小倉氏は反対の立場です。小倉氏が「労働法を改正して、企業が気分次第で解雇しても国は何もしないというふうに変えていこうというわけです」(ここ)という意見を述べられました。(*1)私は、企業にとって労働者は大事な資産ですから、企業が労働者を大量に解雇する事は、大量の血を流すのと同じ事なのです(ここ)と反論したところ、小倉氏が「労働者を気分次第で簡単に解雇するような経営者はいる」(ここ)という事例付きの記事を書かれました。(以上、ここまでの経緯をまずは説明させて頂きました)以下は小倉氏が挙げられた事例です。

「女子労働者については,①容姿が衰えたから解雇,②経営者(の子息)の求愛を拒んだから解雇,③結婚したから解雇,④出産したから解雇,という事例が頻発し,労働者が泣きを見ることになりそうな気がします。また,男性労働者を含めても,①平日に病欠をとったから解雇,②有給休暇を消費したから解雇,③残業代を請求したから解雇,④経営者の私用を無償で手伝わなかったから解雇,⑤給料の引き下げに不満を漏らしたから解雇,⑥特定の政党,政治家,宗教団体の集会に参加しなかったから解雇」

残念ならが、これらは基本的に現在の法律で禁止されている事例であって、個別に法律で取り締まるべき問題であり、雇用の流動性を高める事とは関係ありません。わざわざ池田氏の不当解雇事例まであげておられるようですが、会社と労働者がともに利益を得る為の労働市場全体の話しと、それを悪用する個別の法律違反を防ぐ話しは、分けて考えたほうが良いと思われます。

しかしながら、せっかくですので上記のような法律違反慣行について私の意見を述べさせて頂きます。雇用の流動性が高まり、労働者が自由に転職できるようになった社会では、そのような筋の悪い会社からは良い人材が流出し、経営者は株主から責任を問われる事になるでしょう。ネットの発達した現代において、このような悪質な会社は、ブログや掲示板でたちまち悪名が広まり周知の事実になるからです。最終的に経営者はそのような慣行を改善し、懸念されるような悪い慣行は消滅する事になると考えられます。

*1:現在この文章は削除されたようです。

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2 Responses to “雇用の流動性と不当解雇は別次元の問題”

  1. pugpon
    1月 21st, 2009 at 20:05
    1

    Bobby さん お邪魔します。
    それにしても年末の派遣村騒動以来、労働問題について言及するブログがあちらこちらで見られるようになりましたね。(笑)
    小倉氏との議論拝見させてもらいましたが、Bobbyさんに100%同意します。小倉氏や湯浅誠氏のような正義感に燃えた人は、きっと真面目でいい人なんだろうとは思われますが、いかんせん彼らの主張が実際に採られた場合に何が起こるかという想像力の欠如はひどい。解雇を困難にすればそれだけ労働者にとって採用のハードルは上がるばかりか、ただでさえ高い法人税と急激な円高のハンディキャップを背負った日本企業は、尚更、製造拠点を海外シフトするのは間違いないでしょう(そうなると、体力のない中小企業はさらにツライ)。製造業の派遣禁止などという万人に不幸な間違った施策が採られて40万を超える新規失業者がでないよう祈るばかりです。

  2. bobby
    1月 21st, 2009 at 21:43
    2

    >Pugponさん

    派遣騒動のおかげで、私のブログも連日アクセス数が千を超えるようになり、みなさんからコメントも頂けるようになりました。(笑
    小倉氏のように頭脳明晰な方でも、「可哀想」の罠から抜け出せないのですから、大勢の方が冷静な判断ができないのは無理もないのかもしれません。
    私のお客さんがいる東莞には、日本の中小企業の工場がたくさんあります。日本に残っている工場をたたみたいと仰られる方も少なくありません。東莞にいる若社長が本社を継ぐ時が、日本の工場がなくなる時なのでしょうか。

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