息子に株のディーラーを薦めてみた

最近の若い世代のような無気力人間にならないように、自分の子供の教育には気を使ってきた。特に気を使ったのは、(子供だから欲しいものは沢山あるが)少しだけ買い与えるようにして、常に欲求が残るようにしてきた。そのせいだろうか、もうじき11歳(小学5年生)になる息子には強い物欲がある。

PSP3000などゲームマシンは当然として、スライド式フルキーボードのついたPDAとか、ソニーの最新型Pシリーズのミニパソコンのような、大人びたものも含まれている。そして、強い物欲を持っている為だろうか、将来の夢(職業)は「大金持ち」だそうである。妻は医者とか弁護士といったありきたりな職業を吹き込んでいるが、こういう職業はいまどきそれほど収入が良いとはいえない。おまけにかなりの激務になるので、稼いだ金を使う時間が無いかもしれない。

本人の希望は単純で、「身体的な危険の伴わない」安全な仕事で、給料がすごく良い職業が良いようである。昨日も息子から、「YouTubeの社長の年収は1億円ある?」と聞かれた。彼の望みはなかなか高そうだ。そこで、私が(仕事がら)あちこちの客先に出入りしながら見てきた中で、非常に良い給料の職業を薦めて見た。それは、銀行や証券会社のディーリングルームにいる、自己ポジションで株の売り買いをしているディーラーである。為替と違って株のディーラーは、地元の株式市場が開いている時にしか売り買いをしないので、実労時間は1日に4-5時間程度だ。昼飯は11時半から1時半までゆっくり食べれるし、残業も(管理職以外は)不要だ。祝祭日は100%休む事ができる。それでも良いパフォーマンスをキープできれば年収で数千万円くらいになるだろうと思っている。(もちろん、そこまで到達するのは大変だろうが...)

さて、株のディーラーと言っても、10歳の子供にはピンとこない。まずは株式会社と資本金の関係から説明を始めた。だれかが会社をはじめる為には、最初にまとまったお金がいる。そのお金が資本金で、お金を出してくれるのが投資家。しかし、身近なところで投資家を探すのは大変。そこで株式市場というものが出来て、会社のお金を出して欲しい人と、もうかる会社に出資したい人が集まって、株券の売り買いをするようになった。この株の売り買いをする人がディーラー。ところが10歳の子供には、資本金が株券になって、それが売り買いできる事が理解できない。こまった...

次に説明したのは、コロンブス船長の船。スペインから船を出して、遠い国の宝物を掠め取ってくるにはすごくお金がいる。一人の金持ちから全部のお金を出してもらうのは難しい。そこで、たくさんの人から少しずつお金をだしてもらい、無事に船が宝物を満載して港に戻ってきたら、出資額に応じて儲けたお金を払い戻すしくみができた。ところが、そこから株券の説明に結びつけられない。

最後に、ママが会社を作ったら、という非常に身近な例で説明を試みた。ママが会社を作るのにお金が10万ドル必要。でもママはお金が無い。そこで1枚10000ドルの株券を10枚刷り、農家の人が野菜を市場で売るように、ママの会社の株券を株式市場で売って、資本金を集める事ができた。ママの会社が1年で100万ドルの利益を出して、それを出資比率で分配したら、株券1枚につき10万ドルのお金(配当)がもらえた。そしたら1万ドルを出して10万ドルをもらえるのだから、この株券には10万ドルの価値になった。この株券を持っている人が、自分の家を買うためにお金が必要になり、他の人に1枚10万ドル売ったとすると、差し引き9万ドルの利益になる。このように、値上がりする前の株券を買って、値上がりした後で売れば大儲けできるだろう。

身近な例を出して説明した為か、(株券がお金になる事はあまり理解できないようだが)お金が儲かる事は理解できたようだ。息子は、「ようするに競馬のような事が延々と続くんだね」と言ってきた。ちょっと違うのだが、まあ10歳という事で大目にみよう。「だからYouTubeの社長より、倒産したリーマンの社長の方が給料が何倍も良いんだよ。ボーナスだって10億円くらいもらっているのだから」と説明すると、かなり興味を引かれたようであった。

彼が社会人になるまで、株のディーラーが魅力的な職場であり続けてほしいものである。さて、彼は将来、どんな職業につくのであろうか。

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