新聞報道の印象操作規制について

5月 10th, 2013 Categories: 1.政治・経済

新聞に掲載されているニュースは読者のリテラシーの低さを利用したギミックで世論誘導が常に行われているなと、時事ネタの批評記事をブログで書くようになって感じるようになりました。

ギミックの1つに、事実を選択的に書く事で、読者へ印象操作をするという方法があります。その例の1つとして、日本へ帰省中に入手した8日付けの愛媛新聞の社会面にあった記事を紹介します。「オスプレイ3機 岩国基地へ飛来」という見出しの記事中に「防衛省によると、米軍は飛来の目的を明らかにしておらず」という記述があります。目的が不明だというのが事実だとして、それが今回だけなのか、普通の事なのかによって、導き出される内容は異なりますが、そこは「あえて」記述がありません。記事中に盛り込む「事実」を書き手が選別する事で、読み手の印象を特定の方向へ誘導するのは、意見主張を行う時の代表的な手段の1つです。私は自分でブログ記事を書き、いろんな人とネット上で議論するようになって、こういう「卑怯」な手段もあるのだとはじめて知りましたが、茶の間で新聞を読んでいる多くの方はご存知ないのではないかと思います。

よく見かけるもう1つのギミックに、事実の中に新聞社(記者)の憶測を混入して印象操作をする方法があります。本日(10日付け)の朝日新聞ネット版(*1)の記事からその例を紹介します。

「国民一人ひとりに番号をふり、納税や年金などの情報を管理する「共通番号制度」法案が9日の衆院本会議で可決され、今国会で成立する見通しになった。成立すれば、2016年1月から制度がスタートする。政府や自治体は国民の情報を把握しやすくなるが、国民のくらしがどれだけ便利になるかはいま一つ見えない。」

上記の文章の最後に「国民のくらしがどれだけ便利になるかはいま一つ見えない」とあります。これは事実ではなく新聞社(記者)の意見です。しかし、ニュース文章の中に意見を混入させる事で、ニュース文章全体が事実であると読者に誤認させ、意見の方向へ読者の印象を誘導する事が可能です。この他にも、ニュース文章の中にしばしば「☓☓となりそうだ」という表現を見かけます。これも新聞社(記者)の意見ですが、そのように理解している読者がどれだけいるのでしょうか。

また、新聞社はニュース記事の事実部分がほんとうに事実である事を紙面上で十分に担保していません。新聞社のような社会的信用の無い我々ブロガーは、記事中で取り上げた事実が読者に自明でない場合に、その引用元の記事や文書をリンクや記事末の引用などで明らかにする事で、それが書き手の妄想でない事を担保する必要があります。新聞社においても、ニュース記事の事実部分が取材によるものか、通信社から配信された伝聞であるかを明白にする責任があると考えます。

社会的な責任を負っている新聞社であるからそこ、その新聞記事においては、読者を卑怯な手段で印象操作して世論誘導を行わないように法的な規制がを設ける必要があると感じています。私の考える規制内容について以下に提案します。

1)ニュースの中心となる事実方法と新聞社の意見を分離する。(形式に関するルール)

「何月何日何時何分に何処で誰にどんな事がありました」という事実部分と、よって「☓☓となりそうだ」「☓☓であるべきだ」等の意見の部分を1つの文章中に混在させる事を禁止して、事実報道部分と新聞社の意見部分を明白に分離して明示的に表記します。

2)事実の入手に対する責任を明確にする。(形式に関するルール)

大新聞社のニュースというだけで、記事の中で事実とされている事を、読者は無条件に事実と認識してしまいます。しかし実際には、事実の仕入れ先が別の通信社である事は珍しくありません。そこで、中心となる事実部分について、☓☓通信社からの配信であるとか、☓☓記者による取材である等、誰がその事実に責任を持つのかを文末に記述して明白にします。通信社からの配信をもとに、あたかも自社取材であるかのような記事作成は行わない。これは新聞社がニュースの入手方法について定めたもので、そこから先のニュースソースを明示する事を求めたものではありません。

3)意見部分の文責を明白にする。(形式に関するルール)

意見部分を書いた記者名を文末に記述して、文責を明白にします。

4)事実を選択的に書く事で印象操作を行わない。(内容に関するルール)

ニュース記事の事実部分と意見部分の双方において、意図の有無に関わらず、事実を選択的に書く事で読者に誤解を与える事を行わないようにします。これは個々の記事の内容に関するものであり、掲載する記事の選択を特定の思想に基いて意図的に行う事は認めます。右寄りの記事を多くするとか、既得権擁護の記事を多くするなど、新聞社が独自の主張を行う事それ自体には関与しません。

5)その他の方法による印象操作の禁止。(内容に関するルール)

ここに明記していない方法であっても、記事の内容の中で、事実でない事をあたかも事実であるかのような記述方法を用いて、印象操作を行う事を禁止します。

6)規制の方法(しくみ)

総務省の下に、新聞報道をチェックする委員会を設けて、上記の条項について日常的な独自調査のほか、新聞読者からメール等のクレームを受け付けて、調査して総務省へ意見を述べます。それをもとに総務省は新聞社へ是正勧告を出します。総務省は事前に、新聞社の宅配事業を政府による許可制とし、是正勧告に従わない場合には新聞の宅配許可の取り消しを可能とする事で新聞社に対する強制力を持ってはどうかと思います。(他に良い案があればコメント欄等で教えてください)

 

安倍首相は前回政権の時に新聞報道による世論誘導で痛い目にあっていると思います。新聞は第四の権力とも呼ばれているようですが、権力が暴走しないように、上記のような、あるいはもっと良い案があればそれについて検討して、ぜひ導入をして頂きたいと考えております。

参考資料:

1)共通番号制、成立見通し ○…役所手続き一部簡略化 ×…高い費用・情報漏れ心配(朝日新聞)
2)新聞協会の編集権声明
3)安倍官房長官印象操作事件(wiki)
4)偏向報道(wiki)

 

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