育児よりベビーシッター(2)

5月 3rd, 2013 Categories: ブログ評論, 1.政治・経済

育児休暇より廉価な外国人ハウスヘルパー(ベビーシッター)を家庭内に導入する事に対する反対意見を頂きましたので、私の反論を下記のようにまとめてみました。

 

1)保育所と住込みベビーシッターの住み分け

保育所は擁護と教育が目的であり、一般的な営業時間は7時から19時まで(*1)なので、職務上の責任を要求される正規雇用労働者のニーズに十分に対応できません。保育所の営業時間で対応可能な労働条件を得られるとしても、家庭内での家事・育児の負担の軽減の役には立ちません。逆に、ハウスヘルパーを導入しても子供の教育や社会性を付与する意味で、保育園や幼稚園が併存する意味はあります。

(私の個人的意見としては、企業内の労働環境の是正を行い、企業が十分な労働者を雇用して慢性的な残業を解消する一方で、雇用の流動性を高める事で育児の為に離職した女性が以前と同様の職種および待遇で容易に再就職できるようにする事に賛成するものです。しかしそれが可能だとしても、そのような変化には時間を要するという事、また女性の企業内の地位向上と管理職への登用が増加しないと女性の労働市場での価値向上が望めないという「卵が先か鶏が先か」という問題を解消できないのではないかと懸念します。この2次的な問題を解消する為に、働く女性を増加させる対策としてハウスヘルパーの導入は有効だと考えます。)

 

2)24時間保育園という異常な環境

子供にとっても保育士にとっても、24時間保育園という環境そのものが異常だと考えます。また、夜間の労働に従事する母親(片親)家庭において、24時間保育園が親の責任を補完する事はできません(たとえば熱のある子どもの受入を保育所が拒否した場合に、親は仕事を休まなければなりません)が、住込みのハウスヘルパーは親の代理として子供と家の管理に対する一定の責任を負わせる事ができます。(もちろん、親の責任を完全に補完する事はできませんが)

 

3)公立保育園の増大は福祉行政を税制的に圧迫する

公立保育園は大きな税金補助がなければ市場で存在する事が不可能です。母親の雇用が増大するほど政府の会計を圧迫します。しかし、民営のハウスヘルパー導入は税金補助を必要としません。

 

4)外国人ヘルパーの法律は別枠で設ける

企業労働と家庭労働は目的も環境も異なりますので、別のルールや基準で考える事には一定の合理性があります。香港ではハウスヘルパーは移民法(外国人労働者の就業ビザ)でも労働法(就労条件)でも別枠を設けて運用されています。

 

5)5万円で割りに合うか?

香港の住込みハウスヘルパーは月額5万円ほどの最低賃金が法律で決められています。食住の経費は別途に雇用者負担ですが、大した追加費用にはなりません。大卒新卒で企業に就職し、出産時に月額で20数万円以上の所得を得ている共働き家庭の女性が子供をもうけた場合、出産して3ヶ月程度で職場復帰し、以前とほぼ同じ条件で就業して給与を得る方が、退職してあとからパート職につくよりも、企業にとっても家庭にとっても結果としての負担は小さいと考えます。

離婚や死別による片親家庭の場合は更に、24時間保育より住込みハウスヘルパーの方が、親として安心して家を空けられます。

更に、ハウスヘルパーは子守だけでなく家事(掃除、選択、料理、公共料金の支払いや買い物)を行いますので、月額5万円はフルタイムで働く片親・共働き家庭の母親にとっては5万円の投資価値は十分にあると考えます。

 

6)福祉の改善

住込みハウスヘルパーは親にかわって家事を行う事ができるので、片親・共働き家庭の母親が就業と育児の肉体的疲労による疾病、精神的疲労による育児ノイローゼ、その結果生まれる家庭内暴力、育児遺棄などを一定量抑止する事が期待できます。また、従来なら生活保護に頼らざるをえなかったような家庭でも、住込みハウスヘルパーによりフルタイム就業が可能になるケースが期待できます。

 

 

良いことばかりを書くのはフェアではないので、デメリットについても書きます。

1)香港、シンガポール、中東などで、雇用主からハウスヘルパーへの家庭内暴力事件がしばしば発生します。

2)雇用主がハウスヘルパーへ辛くあたると、ハウスヘルパーが子供に仕返しする事件がしばしば発生します。

3)ハウスヘルパー目的で来た外国人労働者が、目的外の職種(企業の事務、飲食サービス、売春)で利用させる事件がしばしば発生します。

4)特にフィリピン人のハウスヘルパーは、休日である日曜にカトリック協会でミサの後に公園等に大勢で集まって過ごす習慣があり(たとえば香港島のセントラルには毎週日曜に大勢のフィリピン女性が地面にゴザを敷いて、食事をしたり歌ったり、おしゃべりしたりという光景を見る事ができる)日本の文化に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。(彼女たち自身が治安を乱す行為をするという事はあまりありません。)

 

 

参考資料

1)保育所(wiki)
2)福祉行政報告例(平成24年3月分概数)

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