雇用拡大と企業農家

1月 5th, 2009 Categories: 1.政治・経済

池田信夫blogによれば、「10年以上も名目ゼロ成長が続く原因は短期的な景気循環ではなく、生産性(TFP)の低下という長期の要因である。」「日本経済の非効率な部門を整理して「自然成長率」を高める政策が必要なのではないか。 」と指摘している。国内産業でもっとも非効率な産業の一つが農業である。国が兼業農家、過疎地農家の農地、その他の遊休農地を集約して大企業(株式会社)が生産性の高い大規模農業を行えるようにする事は、経済効率を高め、雇用を拡大し、日本を経済成長させるという面で非常に興味深いアイデアであると思う。それらの点につき、以下のように考察した。

【兼業農家は廃止させるべき】
兼業農家は雇用機会を奪っている。兼業農家が農地を手放してサラリーマンになれば、別のひとり(家族)が農家を始める事ができる。逆にサラリーマンを辞めれば、別のひとりがサラリーマンの職を得る事ができる。兼業農家から強制的に農地を取り上げたり、専業農家になるか二者択一を迫る事はできないが、税制の変更により兼業農家をやり難くする事はできるはずである。多少時間はかかるが、専業農家になるか農地を手放すかを自主的に決めさせる事ができる。

【農村を守る為の農業制度は廃止するべき】
過疎化が進む山村の農業を(国が)守るのは合理的ではない。人は好きな場所に住んで、好きな仕事をする自由を持っているかもしれないが、あらゆる場所で、国がそれを保障する必要はない。国は過疎地に住む農民の税制を変える事で、過疎地での継続的な農業をやり難くする事ができる。過疎地での公共的サービス(役所、学校、郵便、電話など)や、半公共的サービス(交通、放送、医療など)を打ち切るか、コストに見合ったサービス料を徴収する事で、過疎地農民はそこに住み続けるメリットを失って、自ら都市と周辺部へ移住する事ができる。都市と周辺部に人口が集約すると国や企業のサービスコストが下がるだけでなく、住民の増加により衣食住関連のサービス業が盛んになるので、都市と周辺部での雇用が増す。過疎地農家が移住する時に、廃業した農地に高い税金をかける事で、過疎地の農地は国または民間へ譲渡されるようにして、過疎地の農地を国または企業に集約させるようにする。

【兼業農地と過疎農地の集約】
廃業した兼業農家と過疎地農地の土地を、国まはた企業へ自発的に譲渡させる。自発的に民間の買主を見つけられない農家の土地は、値段は安くなるが国が土地を買い取れるようにする。このようにして過疎地の農地や宅地はいったん国が買い取って集約し、企業が利用できる状況になれば農地などの目的で販売(入札)できるようにする。

【企業の農業への参入】
企業が農業へ参入(企業農家*1)できるようにする。農業は戦略的に重要な分野であるから、国は企業の参入に対して、最低資本金規制(最低資本金を十分に高く設定)や、株主規制(外国株主の排除)など、時流にあわせて多少の参入障壁を検討しても良い。企業農家は専業農家と異なり、大規模な投資(大きな農地の取得、大規模な設備投資が出来るので、現在の専業農家より優れた効率で農業を行う事が期待できる。企業農家では、農業作業員や農業技術者をサラリーマンとしてを雇用するので、大きな新規雇用を期待できる。企業農家は別の企業農家へ会社と土地をセットで転売できる。転売せずに廃業(または倒産)した時は、農地はいったん国に譲渡して、別の企業または専業農家が購入するまでは国が管理する。

【廃業した農家の生活保障】
過疎地農家が土地を安価で国に譲渡して、都市周辺部へ移住した場合、新しい居住地ですぐに新しい職が見つけられるとは限らない。このような移住者の生活保障の方法としてはベーシックインカムにより対応するべきである。
*1 : 企業農家は私がつくった造語です。農業株式会社と同じ意味です。

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