ベーシックインカムの実現可能性

ベーシックインカム負の所得税)は大変興味深いアイデアです。負の所得税は、最低限の生活を維持できる所得レベル(たとえば年収250万円)に達しない低所得者に政府が所得を補填して年収250万円になるまで底上げする制度です。ベーシックインカムの場合には、所得保障は収入によらず無条件に固定額(たとえば毎月5万円)を支給します。負の所得税は就労年限者を対象にしていると思われますが、ベーシックインカムは大人でも子供でも「すべての個人」へ支給するという考え方のようです。若干の違いがありますが、どちらも政府が人民に対して最低限所得保障を行う制度です。年金問題に医療費問題と、ただでさえ政府に金が無いといわれる状況で、そんな事が出来るわけがないと思う人が多いでしょう。しかしよく考えてみると、あながち不可能とは言い切れないようです。

ベーシックインカムという言葉は経済評論家の山崎元氏のブログで、その考え方をはじめて知りました。そのあとで、経済学者でネット論客の池田信夫Blogでも負の所得税という内容で読んだことがあるのを思いだしました。(最初はベーシックインカムと負の所得税が最低限所得保障のなかまである事がわからなかった。)最近になって、山崎氏のブログでベーシックインカムが堀江貴文氏のブログで取り上げられて、再び話題になっているのを知り、コメント欄を毎日興味深く眺めていたところ、「予算は何処から工面するのか」というコメントを見て、経済は素人ながら、自分に可能な範囲で、実現の可能性について調べてみようと思い立ちました。以下のような試算の内容をコメントしました。

Re:ベーシック・インカムは実現可能ですか? (bobby)
2008-12-22 23:21:38
>どのようにベーシック・インカムの財源を確保するのか、ご教示ください。

日本の人口127百万人へ毎月5万円のBIを支給するのに必要な金額は年間で76,200,000百万円(76兆円)。一方、平成20年度の一般会計予算(下記URL参照)をご覧下さい
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h20/h190911.htm

一般会計の総額は85,691,769百万円(85兆円)です。BIの年間総額と同じくらいです。常識的に考えれば、予算のほとんどを食いつぶすBIの導入は難しい。

しかし、国力を維持したまま、日本の人口がいまの半分くらいになれば、BIに必要な額は一般会計に計上されている年金・医療等に係る義務的経費33,210,943百万円(33兆円)に近い金額となり、可能性が増すと考えられます。

消費税を増税してBI予算に補填する方法、北欧のノルウェーが石油産業の80%を国有化して利益を国庫へ入れているように、日本も収益性の高いなんらかの事業を国有化して行い、そこからの収益をBIへ補填する事も考えられます。

現在の税収に消費税の増税分などを上乗せした場合、人口がどれくらい減れば毎月一律5万円支給が可能になるか、山崎さんにお聞きしたいところです。

多少期待しながら待っていたら、山崎氏より下記のようなコメントを頂く事ができました。(誤解が生じないようにコメントは全文を引用しました)

財源など (山崎元)
2008-12-25 12:44:51
一人月5万円×12ヶ月×1億2千万人=72兆円、は一般会計と比べると確かに巨額ですが、特別会計はもっと巨額です。

閣議決定された2009年度の予算案では、21ある特別会計の歳出総額は355兆円で、重複を除いた数字(「純計ベース」と呼ぶようです)で169兆円です(時事通信の記事を参照しました。http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2008122400702)。

ベーシックインカムに置き換えるターゲットは主に特別会計でしょう。

発想を変えて、72兆円を今の財政構造に追加すると考えてみましょう。

ちょっと数字が古いのですが、2005年ベースで国際比較すると、財政学でいう一般政府支出の対GDP比は日本が38.2%、フランスが54%です。差が15%強ありますが、日本のGDP500兆円の15%というとこれだけで75兆円あります。フランス人並みの負担をすれば、現状に上乗せする形でベーシックインカム月5万円が調達できます。

なお、可哀相なことにフランス人は軍事費をGDPの2.5%も負担しています。日本は1%なので、その差1.5%に相当する7.5兆円はベーシックインカムに余計に回せます(個人的には公的な医療費負担に回すのがいいと思うが)。

実際には、税率を変えたり、制度を変えたりすると、経済状況が変わるので、こんなに単純ではありませんが、官僚や政治家に動いて貰うことは簡単でないとしても、計算上ベーシックインカムが不可能だということは無いと思います。

いかにも評論家的な言いぐさで気が引けますが(もともと「評論家の気分で」という遊び感覚でやっているブログですから、怒らないでください!)、やる気になればやれるが、やる気になること自体が難しい、という類の話でしょう。実際問題として、ベーシックインカムの実現が自分自身にとって強いインセンティブになる主体がどこにいるかというと、なかなか難しいものがあります。強力な利益集団が見つかりません。

尚、インフレは長期的に心配な問題ですが、当面の心配はデフレです。デフレは、意味的に、通貨=政府の債務に対する過剰な信認ですから、当面、財政赤字を増やしたり「埋蔵金」(将来の赤字補填財源)を支出したりすることに問題はありません。

私は、グリーンスパンのように、資産価格を無視してまで通貨を拡大することがいいとは思っていませんが、物価(特に生産者にとっての物価)がデフレ的で、資産価格(特に株価)がバブルでは無いわけですから、通貨価値を薄める政策は当面、現実主義的な立場から容認できると思います。通貨も財政赤字もツールなので、状況に合わせて、なるべく便利なように使えばいい。

ただ、私は個人的に、財政赤字を作ることを、公共事業などの官僚や政治家が長期的に関わる財政支出の拡大を通じてではなく、減税あるいは単純なお金のばらまきによって(つまり、政府の大きさは大きくせずに)実現する方が気持ちがいいと考えています。

一時的な景気対策としての効果(たとえば財政赤字額に対するGDP拡大効果で測る)は財政支出拡大の方が減税よりも大きいので、今後を「予想」すると、残念ながら、減税(ベーシックインカム的な方向)よりも、利益誘導を伴う財政支出拡大が加速しそうな感じがします。

最終的には心ある政治家に頑張って貰うしかありません。

なるほど、やはり特別会計の予算の方がターゲットになるのですね。私が試算をしたときに特別予算の内容を除外したのは、特別予算の財源こそがさまざまな社会保険収入なので、ベーシックインカムに移行後は、財源は税収などで確保して、既存の社会保険の徴収は無くなるものと仮定していました。しかし考えてみれば、給料から天引きされる社会保険関係分の費用を、そのままベーシックインカム費用として給料天引きで徴収するか、相当分を所得税の一部に組み込むという考え方もできます。そうすれば、一般会計になるか特別会計になるかは別にして、相当分の予算は確保できます。

また、ベーシックインカムが広範囲な社会弱者のセーフティーネットになるだけでなく、日本の産業全体への補助金にもなり得ます。まずセーフティーネット機能により不要になるのは年金、失業保険、生活保護です。補助金機能で不要になるのは、農業、漁業など国内の零細事業者をグローバリゼーションから保護する補助金です。つまり、特別会計を維持する為の諸官庁役人と、補助金政策の為の役人のほとんどが不要になりますので、役人の世界にも早期退職制度を導入して、大規模な人減らしをします。すると、大量の役人さんの給料や組織を維持するための予算が不要になります。その経費全部をベーシックインカムの予算に繰り入れる事ができるはずです。その金額はいくらぐらいになるのでしょうか。専門家の方にぜひ金額を試算して頂きたいものです。

更に以下の財源もベーシックインカムへ繰り入れる事を検討すべきです。今や日本には、どうしても必要なあたらしい高速道路は皆無です。道路がなくて生活が不便で嫌ならば、都市部へ移住すればよい。島や僻地は、病院もコンビニもいらない、スローライフを楽しめる人たちが「好き」ですむ程度で十分だと思います。ゆえに道路財源は、既存の道路の維持整備だけを行い、あとの高速道路は適当なところまでで建設終了すべきでしょう。
1)高速道路の料金収入
2)自動車の重量税やガソリンの税金
3)タバコとお酒の税金

それでも足りない場合には、消費税の増税と、所得税の増税を行う事になりますが、これは最後の最後に検討すべきでしょう。消費税が上がるとベーシックインカムの価値が減ります。

ところで肝心の支給現金の配布方法ですが、以下のようなスキームを作成できたら少ないコスト(役人のオーバーへっと)で毎月の運用が可能になると思います。

1)国民背番号のついたIC式身分証カードを、乳幼児を含むすべての住民(外国人を含む、住民登録を行うすべての日本国国民および居住者)を発行する。国民背番号をベーシックインカムの口座管理に用いるのは、月次運用をローコストで行うる為に必要である。本人確認の為に、パスワード、写真、指紋影、署名影を電子的に登録する。もちろん身分証制度の開始以降は、印鑑、、運転免許証、医療保険証などの機能を代用するものとして民間の金融機関などでも利用を可とする。

2)郵貯銀行の下にベーシックインカム支給専用のネットバンクをひとつ作り、支給対象者ひとりひとりに身分証カードの国民背番号口座と同じ番号の支給口座を作成して、身分証カードと一緒に支給する。専用のネットバンクをつくる理由は、国が自分(親)口座から対象者(子)口座へ固定支給額を電子的に転送処理するという、シンプルで機能的なシステムの構築、高速な転送処理、低コスト運用が可能になり、毎月の送金手数料を不要にする事が可能。また支店というコンセプトの無いネットバンクは、数十人程度の事務所を都市部にひとつつくるだけで運用が可能。この口座は引き出し専用で預金は出来ず、金利もつかない。逆に月末に残高があれば1%程度を手数料として自動的に徴収する。その結果、残高が負になった場合には、翌月の支給額が口座へ入金された時点で自動的に清算されるようにする。徴収する手数料は、ネットバンク運営の費用に補填される。徴収費用で運営可能な場合にはネットバンク運営の為に政府から補填される費用は減額される。徴収する手数料が毎月の経費を上回る場合には、手数料の額を減額して調整する。

3)現金の引き出し方。支給対象者が郵貯銀行で「普通」の預金口座をつくれば、ネットバンクの口座からの送金は無料にする。ネットバンクを郵貯銀行の下につくる理由は、国が郵貯銀行の大株主である事と、郵貯銀行のATMは都市部にも田舎部にもどこにでもあるので、1社で全国をカバーするにはもっとも合理的。ただし身分証カードにはPLUSの機能をつけ、これに対応したATMであれば、(対象者がPLUSの手数料を支払って)国内でも海外でも、どこででも引き出し可能にする。ネット口座から他行への送金は、相手方銀行が認めれば無料送金を可能にする。ネット口座側では、特定の他行口座へ支給額を全額自動振込みを行う機能をつける事で、使用者の便宜を図る。このようにして、ベーシックインカム支給のメリットを郵貯銀行以外の銀行も受けらる余地を残す。

4)身分証を発行された個人は、無条件にベーシックインカムを受給する資格を得る。身分証カードの申請受付と発行は、住民登録を受け付ける地方自治体が行う。成人するまでの未成年は、5年毎に登録する写真と署名の更新を行う。もちろん、国民背番号と身分証カードの内容は全国の地方自治体のコンピュータネットワークをつないで、どこででも本人確認できるようにする。住基ネットのような中途半端でぬるい制度にはしない。全国の自治体を結ぶコンピュータネットワークは、郵貯銀行と同様に国が株式を保有するNTTコミュニケーションズのIP VPN回線を利用して、地方自治体専用の仮想専用回線を構築する。インターネットとの相互乗り入れはしない。

5)身分証発行とネットバンクとの接続。地方自治体のコンピュータネットワークと、ネットバンクのネットワークは接続しない。地方自治体で集めた新規の身分証取得者情報はオフラインでネットバンク側へ移して、1日に1回、バッチ処理で更新する。身元確認に必要な、更新された身分証情報も同様にしてネットバンク側のコンピュータへ移す。

6)ネットバンク側職員の業務は、地方自治体からの情報更新、政府から今月支給額の入金処理、対象者への一括送金処理だけを行う。支給対象者からの問い合わせは受け付けない。入金情報や未入金などのクレームは郵貯銀行の窓口を受け付ける。それ以外の個人情報に関するクレームは地方自治体の窓口で受け付ける。ゆえにネットバンク一般職員は、対象者の個人情報を閲覧する必要はなく、運用システムにも対象者の支給履歴や閲覧情報など報閲覧機能は儲けない。数人程度の高級管理職員だけを国家公務員で構成し、残りの業務はすべて郵貯銀行からの派遣職員で事務処理を行う。

7)ベーシックインカムの支給対象は家庭でなく個人である。個人のネットバンク口座へ入金されたお金は、あとから対象者(または親や親族などにより)口座振替によって生活へ集められ、世帯の生活費となる。夫婦が離婚した場合は、ネットバンクの口座振替を変更する事で、生活費を分離できる。子供が成人して家を出るときも同様である。対象者が死んだ場合、地方自治体によって死亡情報が更新され、支給は例外なく終了する。

本職がシステム屋なので、ベーシックインカムの支給方法については、ついつい細かな内容になってしまいました。要点は、ネットバングと郵貯銀行とPLUSを組み合わせる事で、毎月の支給処理を最低限の経費(数十人程度の事務職員と専用のマシンルーム1つ)で維持管理しようという事です。

さて、ベーシックインカムの実現可能性について考えて見ます。財政的には不可能ではないという見通しをたてました。山崎氏はブログのコメント欄の最後で、

最終的には心ある政治家に頑張って貰うしかありません。

と述べていますが、池田氏は逆に、

しかし、まさにその効率性が原因で、負の所得税はどこの国でも実施されていない。大量の官僚が職を失うからで ある。現在の非効率な「福祉国家」では、移転支出のかなりの部分が官僚の賃金に食われている。それを一掃して負の所得税に一本化すれば、現在の生活保護よ りはるかに高い最低所得保障が可能になろう。フリードマンは、やはりまだ新しい。

これはフリードマンが50年前に予告したけど、どこの国でも実現していない。「福祉官僚」が拒否するからです。それしかないところに政府を追い込むには、あと10年以上かかるでしょう。

と述べて、役人の強い反発と抵抗を示唆しています。役人のクビを大量に切るような政策を行う事は、いまの政治家には不可能かもしれません。第二の小泉潤一郎が現れるか、あるいは既得権益にしばられていない若い政治家が政権を取るようになれば、可能性はあるかもしれませんね。現状ではそちらの方が困難かもしれませんが...

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18 Responses to “ベーシックインカムの実現可能性”

  1. K.Sakurai
    12月 31st, 2008 at 16:38
    1

    はじめまして。櫻井と申します。
    堀江氏のブログの書込み経由でこちらに来ました。
    私もベーシックインカムに興味を持っている市井の人間の一人です。
    折角なので書き込ませてください。

    ベーシックインカムを採用する場合、始めだけは新券に頼るのが手っ取り早いと思います。国が債務過多なので、税金ベースや埋蔵金をあてにする財源確保を優先したらいつまでたっても実行できません。
    ゼロ金利や擬似通貨(ポイントマネー)が通用しているくらいですので、通貨の混乱はないと思っています。
    その代わり回収のための消費税のアップは同時にする必要がありますが…。

  2. bobby
    1月 1st, 2009 at 00:00
    2

    桜井さん、コメント有難うございます。

    新券とは金券という意味と思いますがそういう理解でよろしいでしょうか。この方法の最大の長所は、仰るように手っ取り早いというところです。しかしこの短所は、経費がかかり過ぎて大変に非効率な事です。偽造され難い金券を刷るだけでかなりの費用が必要になります。お金と違って再利用できないので印刷代がそのまま無駄になります。大量の金券を印刷場(造幣局?)から各地方自治体の窓口へ運ぶ物流経費も非常に大きいでしょう。移送前後に盗難を防ぐための保安経費も必要です。金券を配る対象者をリストアップし、金券を郵便書留などで配布する人件費と郵便代も全体では相当な金額になるでしょう。このように、金券という物を配布するのは、大変に無駄と非効率が伴います。しかも、それを毎月行うのは、非常に大きなお金を毎月溝に捨てているようなものです。

    手っ取り早く行うのであれば、ベーシックインカムより負の税金(給与所得の補填)の方が財源も少ないし、税務署と企業の経理部経由が役に立ち、物でなくお金を渡すので効率的です。しかし負の税金は、働いて税金を支払っている人が対象になるので、ベーシックインカムほど網羅的なセーフティーネットにはならないように思います。

    もっと手っ取り早い方法は、政府が公共料金(電気・ガス・水道)の費用を毎月補填する方法です。この方法は、浮浪者以外のあらゆる人達へ生活費を補填する方法です。他にも、政府が買い上げて流通させている標準価格米の販売価格を政府補填によって1/5位の値段にする方法もあります。米を腹いっぱい食べられる世の中で餓死する人はほとんどいません。

    まあ、いろいろな方法があるという事ですね。ちなみに私の住んでいる香港では、既に電気料金が政府補填によって毎月3000円くらい安くなっています。

  3. 1月 12th, 2009 at 02:45
    3

    bobbyさん、はじめまして。池田氏のブログから来ました。

    mixiのコミュに投稿したものを。。。
    例の2兆円を使って地域通貨を発行するとどうなるかと、まぁ、ネタみたいな物です。

    【前提、基礎資料】
    ●紙幣の発行費用は、以下の金額(H12の物ですが、まぁそれは・・・)
     1万円札・・・22.2円
     5千円札・・・20.7円
     1千円札・・・14.5円
     ソース:http://oshiete1.goo.ne.jp/qa63179.html
    ●通貨の発行割合
     1万円札を1とした場合、
     5千円札・・・0.18
     1千円札・・・1.46
     ソース:http://sustainability.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_e447.html
    ●どれくらいの紙幣が発行できるか(単位は縁・・・円とわけて)
     1万happy・・・420億枚・・・420兆縁
     5千happy・・・77億枚・・・39兆縁
     1千happy・・・61億枚・・・61兆縁
                合計520兆縁
    ●国民全員に配れば
     1億3千万人として
     1人当り約400万縁
     4人家族ならば、なんと1600万縁になります。
    ●地域通貨は消費に使う物とする。

  4. sipha
    8月 19th, 2010 at 21:23
    4

    産業構造、企業の利益率の変化をどうお考えでしょうか。
    ベーシックインカムによって必然的に労働人口は減少するので、あらゆる分野で寡占化、独占化が進み、企業の利益率は増大するでしょう。
    コンビニの数は3分の一になり、レジはいつも混雑するでしょう。
    企業の利益率は数倍になると思います。
    そこからごっそりと税金を取ればいいのではないでしょうか。現在の過剰競争でかつかつの企業には税金払う余裕はそもそもありますまい。

    働く人が少なすぎる>賃金増大>物価上昇>賃金と物価上昇から働く人増える>賃金物価低下
    この神の見えざる手は労働人口が必要とされる労働人口より少し上まっているぐらいでないと働かないのでしょう。
    ベーシックインカムによって必要な労働量と、労働力が釣り合うのではないかと思います。

  5. bobby
    8月 19th, 2010 at 21:39
    5

    siphaさん、コメント有難うございます。

    >産業構造、企業の利益率の変化をどうお考えでしょうか。

    確かに産業構造も労働者の意識も変化すると推測します。しかし、必然的に減少すると言えるでしょうか?経営者としての私の経験で言うと、特に日本の会社は常に、本当に必要とされるより少ない労働力で仕事をカバーしようとしています。ベーシックインカムにより賃金単価が下がれば、同じ人件費予算でより多くの動労者を雇用できるようになるという可能性も否定できないのではないでしょうか?

  6. sipha
    8月 19th, 2010 at 22:52
    6

    http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10309923304.html
    なんかにあるように。問題の根本は必要な労働力に対して、働かなければいけない人が多すぎること。
    しかも、自分の取り分を増やそうと長時間働くものだから、労働のための労働、生産のための生産で社会が疲弊しているということなのだと思います。

    少数の人が短時間働けば必要なものが生産できる現代においては、働くほど全体が貧しくなってしまうのです。

  7. sipha
    8月 19th, 2010 at 23:01
    7

    つまり、bobbyさんは人手が足りないとおっしゃいますが、ベーシンクインカムの出発点は、人手が足りないことではなく、むしろ人手が多すぎるので無意味な仕事と過当競争が生まれ、過当競争なので利益も少なく人も雇えず逆に人手不足になっているという滑稽な現状への対策なのです。
    あまりに状況が滑稽だからこそベーシックインカムという今までの常識では想像もできないシステムが思い「つかれた」のだと思います。

    話は変わりますが、今年収600万円で子供2人を養っている家庭があるとして、
    年100万のベーシックインカムがあればそれだけで年収400万円になってしまいますね。

    ですのでおっしゃる通り人件費は下がると思います。
    お父さんたちにとっては給料が半分になっても家庭の収入が増えます。(だから100万は高すぎるかもしれません。むしろ住居、ガス、電気のライフラインの確保+年50万円でいいような気がします)

    また、不要な仕事が社会から消え利益率の高い企業が増える(のがベーシックインカムの目的)なので、高利益かつ低賃金なので、税金の財源は相当のものになります。
    現在は20万円の給料を払う仕事を作るのに月30万円社会が負担しているという社会なのでそれが無くなれば社会全体が豊かになるのもうなづけます。

  8. sipha
    8月 19th, 2010 at 23:06
    8

    勤労者は増えても減ってもいいのですが、総労働時間が減らなければ元の黙阿弥です。
    総労働時間が減り、社会がスリム化して、その恩恵を

    「独占企業体ではなく日本人全体で分け合う」

    のがベーシックインカムなので、ベーシックインカムを実施しつつ総労働時間が減少しないなら悲惨なことになると思います。
    実際はそんなことになる前に賃金があまりに低くなり、ベーシックインカムのおかげで長時間働かなくていいので、総労働時間は減少すると思われます。

  9. bobby
    8月 20th, 2010 at 00:11
    9

    siphaさん

    食えないので共働きしている人、食えないので昼と夜の仕事を掛け持ちしている人の総労働時間は、ベーシックインカム補填で食えるようになれば、減ると思われます。

    一方で、受験生を持つ家庭では、ベーシックインカムがあっても、前と同じ様に働き、余分に得たお金を、より多くの教育費へ使うと推測します。

    経営者の視点から見ると、今までと同じ利益を出す為に前より多くを雇える事になります。不況時は別として、好況時には、みんなが残業しなくても良い労働力が得られると思われます。

    ちなみに大企業は、ベーシックインカム導入で解雇規制が緩和されれば、「働かない」中年管理職をどんどん切り、若手の雇用ができるので、人件費は更に下がり、利益も高まる事が予想されます。

  10. sipha
    8月 20th, 2010 at 01:49
    10

    なるほど。特権階級を容赦なく解雇でき、社会の編成がスムーズになるのですね。
    同じように、銀行も業績の悪い企業も救済しないでつぶしてしまうこともできますね。

    ベーシックインカムで日本人の考え方は変わるのか。それとも既存の常識は存続するのか。
    教育費をかけなくてもベーシックインカムと雇用が確保されている社会であるなら、教育費は現在のように就職のための深刻なものではなく、本当に教育と仕事が直結するものになってゆくのではないでしょうか。
    教育費をかけなくても子供の生存は安泰なのに、パートしてまで子供を「無理に」大学にやるでしょうか。

    ベーシックインカムが導入されると既存の企業はどうなるでしょうか。
    果たして労力を確保できるのでしょうか。
    おそらく最初は既存の多すぎる企業による労働力の奪い合いが起きるのではないでしょうか。というのもベーシックインカムのおかげで労働総時間は8割、7割になるかも知れないからです。
    人件費は増大し、それに耐えられない企業は倒産します。
    というより働く人がいないので事業が存続できないという直接的な事業縮小が起こりえます。
    (しかし、倒産に深刻さはありません。倒産というより無駄の整理です。事業縮小より会社の数が減る方が好ましいのですが。)

    少々人件費が増大しても皆が働くとは思えません。一人当たり8万円ももらったらほとんど働こうとしない人は数割はいるはずなのです。数割いれば労働市場の規模は一瞬で7割に落ち込みます。教育熱も冷めるはずです。
    全員が怠けても社会は崩壊しますし、全員が働きものでも社会は摩滅します。ベーシックインカムで適度に働き適度に怠けていただかないと困ります。どうなるやら。

    つまり、まず年100万ものベーシックインカムを導入すると
    現在の失業という問題から全く逆の
    労力不足による企業の生き残り、事業規模縮小ゲーム(深刻でないゲーム)
    にステージが切り替わると思うのです。
    不要な企業、銀行がつぶれて、必要な労働量と労働意欲のある人のバランスがとれて、その後で、多くの人を雇えるという経営者の実感もあるのではと思います。

  11. sipha
    8月 20th, 2010 at 02:00
    11

    労力が不足すれば同業種間の合併が促進します。
    合併とリストラで多くの企業は生き残れます。
    労力が不足すれば倒産する必要もなく統合されてゆくのでは。

  12. sipha
    8月 20th, 2010 at 02:49
    12

    知恵熱で目が覚めました。
    解りやすい実例を思いつきました。

    若いカップル、もしくは(同性の友人23人)が同居しています。家賃は8万円でそこそこ広いアパートマンションです。
    すでに収入は16万円あるので、夫婦で10万円も稼げば十分です。子供が生まれたらもう8万円収入が増えるので貯金の必要もありません。

    夫婦で10万円でおつりがくる。貯金が無くても不安のない社会。それなりの割合でいる出世より休みを多く欲しがる若者たち。
    これで労働力不足にならなければおかしいです。
    そしてこの労働力不足はあくまで今の社会にとっての労働力不足であって、無駄が省かれ、同業種内の統合が進んだ未来の社会にとっては別段不足になりません。

  13. bobby
    8月 20th, 2010 at 02:54
    13

    siphaさん、連投感謝です。お疲れ様です。さて...

    >同じように、銀行も業績の悪い企業も救済しないでつぶしてしまうこともできますね。

    雇用規制が緩和された場合、企業は膨れ上がった(仕事をしない)中間管理職を切り捨てます。もちろん銀行とて例外ではありません。実力のない管理職はどんどん職場を去るべきです。とはいえ、景気がよければ就職口は彼らにもあります。中小企業の管理職です。大企業では粗大ゴミでも、中小企業へ行けば貴重な管理職として重宝されるでしょう。

    さて、子を持つ母親の行動は、自分が親になってみなければ(更にいえば教育熱心な妻を持って見なければ)理解できません。ベーシックインカムが有ろうと無かろうと、一流企業を目標にする多くの家庭では、惜しげもなく教育費が投入されるでしょう。それは理屈抜きに母親の本能のようです。

    ところでベーシックインカム=時間短縮の倫理にはどういう合理性があるのでしょうか?また、一部の人を除いて人間には限りない欲望がありますので、よりよい生活の為に、いぜんとして長時間の仕事をする労働者はいると思いますよ。

    (夜中の2時に寝酒を居れてる分を割り引いてコメントお願いします)

  14. bobby
    8月 20th, 2010 at 02:59
    14

    母親は思うでしょう。公立へ通わせればお金は足りるが、うちの子はぜひ、有名私立へ入れたい。それには16万ではぜんぜん足りないが、その為には、私が朝から晩まで働いても良い、と。こういう心理は基本的に、中国や昔の香港、や東南アジアでは普遍的なようです。

  15. sipha
    8月 20th, 2010 at 09:05
    15

    >また、一部の人を除いて人間には限りない欲望がありますので、よりよい生活の為に、いぜんとして長時間の仕事をする労働者はいると思いますよ。

    まさにその一部の人間を除いて長時間の仕事をする人はいないとも言えます。これは0-100 100-0のお話ではないし、この割合は上下して変動するものだと思います。

    >母親は思うでしょう。公立へ通わせればお金は足りるが、うちの子はぜひ、有名私立へ入れたい。

    もちろんそれは不変だと思います。
    ですが、そうしないと就職できるか、生きていけるか不安という要素、世間は世知辛いので競争しないと生きていけないという要素が減る分、受験熱はその分落ち込んでもおかしくありません。

    しかし、この要素にかかわらず、無学歴でも夫婦なら確実に収入が確保でき、ベーシックインカムローンで家も買えるのに関わらず、全家庭がベーシックインカムを受験に回すということはあり得ないことではありません。
    しかし、これは望ましいことではありません。

    >労働時間短縮
    夫婦で16万。子供に8万。
    これはあまり働かなくても、受験をしなくても生きているので、仕事を分けあったなら全ての人が豊かに生きていける状態です。
    また現在と違って、会社に正社員にしがみつかなくてもまず生存できる状態です。
    正社員でなくなると給与ががたっと落ちるから正社員をやっているという人は一定割合います。
    あまり働かず遊んで暮らせるなら競争社会からドロップアウトというかそもそも参加しない人が一定割合出てくると思います。これも0か100かという話ではありません。むしろ現在が100に近いのでとりあえず下がるはずなんですが、、。
    現実として生存が安定しているのに過去の恐怖は消えずベーシックインカムが全て受験産業という不毛な産業に注入されたとしたら社会の負担は相当なものでしょう。

    日本や東南アジアで美徳とされる学歴や競争は、ライフラインが無く、正社員とパートの格差が大きいという背景があってのものです。
    もちろん際限のない欲望は不変だと思います。
    が、その際限のない欲望は不変でも、「生き残り競争に必死な分は消えてゆく」のでその分競争社会に入ってこない人は増えるでしょう。
    いや増えてもらわなければ困るんです。

    家族の内12人は働いて、のこりはずっと怠けていたというかつてのインド文化もありました。人の心は時代、条件とともに移り変わります。
    (もちろん前述の通りベーシックインカムで今の日本人がもっと日本人らしくなってしまうという危険もあり得ます。)

    「働く素晴らしさ。」
    働くことはやりがいがあり、人を成長させ、夢があり。
    上手く言葉で表現できないですがそれはとても良いことがたくさんあり、苦しみすら良い糧になるのだと思います。
    bobbyさんは正にそれを生きてこられたのだと思います。
    働く素晴らしさを否定しているのではないのです。
    そこに注意しなければベーシックインカム論者は正に日本を支えている勤勉な人たちから誤解を受けると思い知りました。
    そのあたりの無礼をどうかお許しください。

    どうしても働きすぎることで社会が疲弊しているという現状があるのであるニュアンスにおいて働くことを否定せざるを得ないのですが、bobbyさんの感じておられる意味での働く素晴らしさは不変であり、いやむしろベーシックインカムをきっかけにより伸ばしてゆくべきだと思うのです。
    とってつけたような理不尽な仕事が減り、やりがいのある仕事が増えてゆくことを期待します。

    一定の数の人が良く働き、働く素晴らしさの元人間的にも成長してゆくのは喜ばしいことです。
    しかし、みんながみんなそれをやろうとすると無理やりにでも雇用を作らないといけない超競争社会になってしまうのです。

    怠けが美徳で働くことが悪と言うというのではなく、

    よく働く人となにもしない人とライフラインのバランス

    が全体の豊かさを実現するのだと思います。

  16. ひろっぺ
    1月 14th, 2011 at 09:57
    16

    労働しない人は「消費者」という形で居続ける訳です。消費を支えるのは「労働者」です。
    労働しない人が増える=消費者が増えるという事になるので、労働枠が必然的に増えるわけですよね。
    その労働枠は人員が減っている分、価値が上昇する。つまり賃金が増える訳ですよね。この中では長時間労働する人も居るかも知れない。働けば働くほど稼げるし、その分贅沢できるわけですから

    働かざる者食うべからず。 働かない人間は悪だ。
    こういう意識は改めるべきではないのかな・・・
    たとえ働かずとも消費者ならば正義ではないが悪でも無いのではないかと

  17. bobby
    2月 12th, 2011 at 10:19
    17

    ひろっぺさん

    「労働しない人が増える=消費者が増える」は、消費者の総数はかわりませんが、労働者数に対する比率が大きくなるので、相対的に「増える」事になりますね。

    >働かざる者食うべからず。 働かない人間は悪だ。

    これは確かに、20世紀的な価値観かもしれませんね。多くの単純労働が機械によって自動化された未来には、人間の価値は労働ではなく「創造」によって量られるようになるでしょうか。

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