私立学校の安全と学費

12月 1st, 2008 Categories: 1.政治・経済, 海外子女教育

オバマ次期政権の国務長官はヒラリー・クリントンになるようだ。オバマ政権が成功を収めて8年間を乗り切れば、次は女性大統領になる可能性が高くなったと思う。ところでその記事の下にある関連記事の履歴欄で、オバマ氏の娘が「名門私立校へ転校」という記事(22日に掲載)を見つけた。この記事を読んで、「ああ、日本人はきっと2つの点で誤解するだろうな」と思った。

まずは記事の本文を見てほしい。

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この記事のまず最初の部分で記事を書いた記者は、オバマ氏の公立学校に関する政策と、家族の安全に対する配慮を意図的に混同させて、読者を「特権階級=名門校」へ誘導しようとしている。大統領の子供は、テロや誘拐の標的になり易いのであるから、そのような対策のある学校へ通わせるのでない限り、親は安心して子供を学校へ送り出す事ができないであろう。大統領の子弟だけでなく、有名人やお金持ちの子弟がみな、営利誘拐の対象になり得るのであるから、そのような社会層の子供が、一般大衆とは別の学校へ通わざるを得ないのは仕方が無いことであると思う。日本でも、皇族はみな学習院へ行くではないか。

また、名門校だから学費もこんなに高いんだよ270万円、というように読者を再度誘導しようとしている。日本でも私立高校の学費が年間で100万円以上するところはあるだろう。海外の大都市にあるインターナショナルスクールにも、高校の学が2万ドルから3万ドルくらするところはけっこうあるはずだ。たとえば上海アメリカンインターナショナルスクールは高等部の年間学費がUSD2万2千だ。ここは名門という訳ではなく、普通の駐在員の子供が通っている。しかし保安環境はとても良い。広い敷地(四角い学校敷地の周囲を、3mくらいの頑丈な鉄柵でぐるりと囲ってあり、通常の手段で壊したり乗り越えたりするのは困難そうである。全ての入り口には保安ガードが居て、出入りする大人の身分証を検査している。学校敷地の真ん中には野球グランド3つ、サッカーコートとそれを囲む400m陸上トラックがあって、有事の際には、大型のヘリコプターが数台ほど離発着できそうだし、さすがは保安意識の高い米国の学校だなと感心した。最後に、オバマ氏の娘はシカゴでも私立学校へ通っていたと説明されている。オバマ氏は大統領になる前は上院議員であった。上院議員は庶民ではない。すでに特権階級である。ゆえに、私立校に通うのは当然であろう。日本では庶民の家庭ですら、無理をして生活費を削ってでも私立学校へ通わせようとしている親が多いと聞く。子供をいじめから守り、良い教育を受けさせたいと望んでいるようだ。

ちなにみに、私の息子が通うインターナショナルスクールの学費は、月1000ドルほどである。これはけっこう安い部類に入るので、保安レベルは公立学校とさほど変わらない。いつかうちの会社のソフトがバカ売れして、分不相応なお金を手にした時には、住んでいるアパートから子供の学校まで、保安の為にグレードアップしなければならない可能性も今のところゼロではない。

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