自分の面倒を見る権利
大麻の問題が騒がれている。それに対して、池田信夫blogは大麻で逮捕するのならタバコを禁止せよという意見を表明した。J-CASTでは更に、大麻は本当によくないのか内外からの異論で話題沸騰というフォローアップ記事を書いている。
大麻はアルコールやタバコに比べて害が少ないという説があり、欧米では個人で大麻を吸引する事に比較的寛容であるが、慢性吸引すれば大麻精神病やがんの原因になるという説を紹介し、最後に編集者が森本教授の口を借りて、下記の意見で締めくくっている。
「確かに、タバコやアルコールが危ないというのには賛成します。しかし、大麻は海外で規制が緩いからと言って、日本でもそうすべきということにはなりませ ん。無害ということはないからです。私個人は、歯止めがきかなくなるので、規制すべきだと思います。自己責任を重んじる欧米との文化の違いもあるでしょ う。日本では、大学の責任まで問われるのですから」
ここでまず、大麻・麻薬・覚せい剤が政府から嫌われる理由を考えてみよう。大麻にしろコカインにしろ、リスクを承知で個人が吸引するだけで、どうして重い罪に問われるのか?それは政府が社会を管理(統治)するために、おおいに邪魔な存在だからであろう。大麻・麻薬・覚せい剤は人々の生産性を下げ、治安を悪化させて、管理コストを増大させてしまうと考えられているからだと考える。
欧米ではなぜ大麻の規制が緩いのか。麻薬や覚せい剤は、身体と精神に非常に悪いという大義名分で政府の規制が容易であるが、大麻はアルコールやタバコより体や精神に対して悪いという科学的根拠が無い。規制する根拠が薄弱なものを、「貴方たちに良くないから」という理由だけで無理やり規制しようというのは、民主主義社会の考え方に反する。ゆえに欧米では、大麻の規制が緩やかなのであろうと思われる。
一方で日本の政府が、「歯止めがきかなくなるので、規制すべき」だという考え方が強いのは、日本(政府も国民も)は基本的に民主主義の文化が十分に根付いていないからではないか。だれか偉い人がルールを決め、人々はそれを無批判に受け入れるべきだという江戸時代的な考え方が未だに心の底に染み付いているようである。
もしこの考えに異論があるのなら、以下の問いに答えてほしい。
【問い】 あなたはなぜ、大麻は規制すべきだと思うか?
体に悪いと答えた人、大麻の何が体に悪いか説明してほしい。大麻は酒やタバコより悪くないといわれている。そのほかにも、スポーツカー、バイク、登山、ダイビングなど死ぬリスクを高める要素はこの世界にたくさんあるのだが、それをどう思うか聞かせてほしい。
より強いドラッグへの入り口だ答えた人、既にアルコールという入り口がある事を思い出してほしい。そして、大麻がハードドラッグへの入り口であるという根拠も示してほしい。信用できる統計がどこにあるのか示してほしい。
法律に違反しているからと答えた人、あなたはその法律の必然性をまず考えるべきだ。冷静に考えて十分に合理的な根拠がみつからないのなら、その法律は単に政府があなたを管理する為のものでしかないという事を知るべきだ。それが分からないあなたは、北朝鮮に生まれた方が幸せだったかもしれませんね。
大麻繋がりでお邪魔しました。
ところで、欧米諸国では、大麻を一服したくらいでは逮捕されない国が沢山あるので、一度、大麻を体験してから、意見を述べられては如何でしょうか? キチンと筋を通される事は必要ですよ。
SAMUさん、
SAMUさんのブログを拝見しました。私は(たぶんSAMUさんと同様に)大麻吸引に重罪を課す日本の法制度には(本記事に書いた内容の通り)反対です。ところでこの記事は、大麻の良し悪しについてではなく、法律や規則について、合理性や、誰の為のものかという事を良く考えましょう、法律・規則だからと無批判に受け入れるのは止めましょう、そして政府はもっと国民の自己責任能力を信じましょう、という話しです。