尖閣の奪い合いは誰にとってもろくな事になりません

9月 20th, 2012 Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ

緊張が高まっている日中間の尖閣諸島問題で、中国とアメリカの政府関係者にぜひとも考えてもらいたい事について問題提起します。

日本でも中国でも、尖閣問題を巡って日中間で戦争(武力紛争)を行う事について肯定する意見が強まっているようです。大陸在住の香港人の友人と昼飯を食べながら話したのですが、中国のネット上では釣魚島(尖閣諸島)を武力で奪取せよという意思というか期待のようなものがものすごく高まっているのだそうです。これは非常に悪い兆候です。このような人民の熱気が高まると、政府は尖閣諸島への武力侵攻を踏み止まれなくなる可能性は低くありません。このような中国政府に圧力をかけられるのはアメリカ政府だけですが、米国の国債を世界で一番持っている中国ですから、アメリカは自国の国益をどのように守るべきか難しい判断があるでしょう。

そこで、中国軍が尖閣諸島への武力侵攻して実行支配を開始した場合にどのような事が起こるか、下記の2つの可能性について検討してみます。

1) 日本政府は武力による反撃を自衛隊に命じて、戦闘を開始する。

日本政府が開戦を決断すれば、自衛隊は短期勝負ではアジア最強なので、戦闘を開始すれば少なくとも1回は、短期間で尖閣諸島を取り戻せるでしょう。しかし中国がメンツにかけて物量にものを言わせた再戦を挑んでくると、双方とも消耗が大きくなり、少数精鋭の自衛隊だけでは苦しくなります。しかし自衛隊が戦い続けていれば、ついには日米安保が発動して米軍の戦力投入が始まり、物量と質の両方で勝る日米連合軍が最後には勝つでしょう。

この場合、日系企業と米系企業は中国大陸から叩き出され、日本とアメリカの経済は短期的に大きな打撃を受けます。その一方で、チャイナリスクの大きさに恐れを抱いた外国資本が中国大陸から撤退を開始し、中国の経済は日米より更に大きな打撃を受けます。中国の経済が悪化すると、人民の不満は極大化して大規模な暴動が主要都市で発生し、政府はもはや民意を掌握できなくなり、共産党政府が存亡の危機に立たされる事が考えられます。このように、日米連合軍が勝利しても、関係各国はおおきな不利益を受けます。

2)日本政府は「竹島」の前例に習い、抗議はするが武力による反撃を自衛隊へ命令しない。

現実に目を向けると、日本側の最大の問題点は、政府が自衛隊による反撃を決断できないのではないという事です。もし適時に決断できず開戦のタイミングを逸すれば、日米安保は発動せず、尖閣諸島は「第二の竹島」になって膠着してしまい、どうにもならなくなるでしょう。今の政府を見ていると、こうなる可能性は低くありません。中国政府もこのシナリオを想定しているのでないかと思われます。

このような状況が発生すると、中国政府はまんまと尖閣諸島を手にして人民は熱狂し、横で見ている韓国政府も「ざまあみろ」とほくそ笑むかもしれません。ところがどっこい、実はこちらの方が中国、韓国、アメリカにとって面倒な事態を生み出す可能性が高いのです。 日本は黒船ショックという外圧によって江戸幕府からアジア最強の帝国主義国家へ短期間に変貌しました。もし太平天国の日本が尖閣諸島を戦わずして奪われるような事態が発生すると、日本の国民は短期間に右傾化し、あっという間に憲法改正(9条破棄)して軍国主義へシフトし、最終的には日米安保を破棄して核武装まで行き着くのではないかと危惧しております。

中国も韓国も、自国の目の前にある日本が核武装した軍事大国になってしまうと、長期的に大変困るのではないでしょうか。 アメリカにとっても、アジアの盟友が仮想敵国の一つになる事態はなんとしても避けたいでしょう。中国とアメリカの政府関係各位は、尖閣諸島(釣魚島)の奪い合いは、誰が勝ってもろくな事が無い事を理解して頂き、中国の武力侵攻回避の方向で最大限に努力して頂きたいと熱望するものです。

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