悲観的な日本人、楽観的な米国人

11月 9th, 2008 Categories: 1.政治・経済

今朝のサンデープロジェクトで、「緊急追跡“帝国崩壊”」という特集番組をやっていた。サブプライムローンの破綻に端を発した不況の受け止め方について、日本人と米国人の国民性の違いがよく現れていて面白かった。

テレビで連日のように放映されるネガティブなニュースを前にして、日本人は「ああ、もうだめだ」と諦め、米国人は「すぐに回復するさ」と楽観的だ。爆心地にいる米国人が楽観的な様子を見ると、この不況もそう長くは続かないのではないかと思えてくる。

日本人の悲観論も、米国人の楽観論も、どちらも理論的な根拠はないだろう。サブプライムローンが破綻した原因が、無秩序ともいえる米国の住宅販売にあった事は、もうじき80歳になる私の母親でもニュースで見て知っている。しかし、それがなぜ、世界恐慌を巻き起こしたかという理由は、難しすぎて、お茶の間のとうちゃんかあちゃんでは理解不能だ。このように多くの「一般参加者」は、十分な情報に基づいた合理的な判断ではなく、メディアの表面的な報道に煽られたエモーションを根拠にして「市場経済」というゲームを動かしているのだ。

サンプロの特集番組の最後に、いま米国ではお金を借りる事ができないという指摘があった。家を買いたくても銀行ローンが借りられず、車を買いたくても自動車ローンを借りられず、クレジットカードローンも厳しくなりつつあるそうだ。米国民は楽観的だが、銀行が悲観的なので、いまはまだ米国の消費が冷え込んでいる。

米国の消費が冷え込んでいるので、中国やアジアの日系メーカーを含む輸出型企業では、大規模な生産調整が行われている。私が毎週通っている中国の東莞市では、 これから数千社の工場が倒産するだろうと言われている。広州のトヨタでは大量に在庫が発生し、総経理を含む駐在員全員が一人1台、ヤリス(ヴイッツ)で通勤しているという噂も耳にする。

米国の一般消費が上向けば、米国の景気が回復し、米国市場に依存する世界の輸出企業の景気も上向くだろう。その為には、米国内のクレジット・クランチを早急に修復するしかない。これはオバマ政権に期待するしかない。米国内のクレジット・クランチ問題が解決すれば、来年か再来年には、米国の消費が力を回復するかもしれない。すると日本の輸出メーカー(と海外の日系工場)は景気を回復するだろう。しかし日本国内が悲観的なままだと、国内の景気回復は、結局は一部分だけで終わる可能性も高い。

麻生政権は、国内に新しい需要を生み出す努力をしなければならない。池田信夫blogで池田氏が提唱するように、ホワイトスペースの一部を免許不要で開放するアイデアは、単に新しい機器の市場が生まれるだけでなく、インターネットなど通信のインフラがいまより一段階進化して、それをベースにした新しいサービス市場が生まれる可能性がある。更に、いったん生まれた市場は、長期的に成長し続けて、国内経済をドライブする効果も期待できる。まさに最強の経済対策といえる。

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