女性差別を定量化する指標

5月 2nd, 2012 Categories: 1.政治・経済

女性差別をすると経済は悪化するという記事を読んで触発されました。日本の企業は、課長や部長といった比較的責任の重い中間管理職のポジションをゲットしている女性の数が非常に少ない事に、昔から違和感を感じております。特に大企業においてその傾向が強いのではないでしょうか。

大企業の事務職の仕事を要約すると、書類の作成です。それは末端事務員から管理職に至るまで、例外ではありません。重要なのは、要求を理解し、対象となる内容を理解して、上司が満足する内容を所定のフォーマットに詰込んで提出するという作業を期日までにできるかどうかです。そしてこの能力は、大学の授業で繰り返し出される課題レポート作成と酷似しています。試験とレポートにまともに取り組み、きちんと課題をクリアして来る卒業生は、男女を問わず、企業の管理職としての潜在能力を有しています。

そこで、企業が男女差別を行なっていないならば、企業における労働者の男女比構成も、大学生の男女比率に似た数値を示す筈です。まずは下記の表を御覧ください。在京の有名大学をピックアップして在校生の男女比を表にしたものです。(元ネタはこちら)


上記の表に含めた大学では、女性が平均で36%を占めます。これは全大学を含む数値ではありませんが、参考値として見る事は可能かと思われます。さて、企業内、家庭内や社会全体が女性労働者に対して差別的でない場合、年齢や管理職という「切り口」で見ても、男女比率に大きな差が生まれる合理的な理由はありません。大学を卒業して企業へ就職した男女を100%として考えますので、特別な理由(あるいは差別)がない限り、結婚や出産後も共に働く事が合理的な訳です。故に、大学における男女比率は、特に都市部の大企業において、企業内の女性差別の有無を調べるひとつの指標として用いる事ができると考えられます。

もう一つ、企業における管理職、特に実務を行う中間管理職における女性差別の有無についても、大学の男女比率の数値を調査の指標として用いる事が可能であろうと考えます。管理職というのは原則として、評価対象となる一定のグループ内でより優秀な者が選ばれると理解しています。つまり、良い書類を期日通りに作る能力がより高いものが選ばれるという事です。そこで大学における成績優秀者のグループを見ると、女性が極端に少ない東大や東工大のような例を除き、女性の成績優秀者が男性より多いと言われています。しかし、企業の中間管理職は圧倒的に男性が占めているという現実があります。

中嶋氏の記事に戻れば、企業が実務能力の優秀さ以外の別の基準で新卒者や管理職を選定している限り、不適格な社員、不適格な管理職がえばられる事になり、企業は生産性が低下して利益を逸する事になるであろうと考えます。更に言えば、結婚や出産や育児が女性のキャリアに及ぼす影響がより小さくなれば、長期的にキャリアアップを目指す女性がメジャーとなり、ホワイトカラー家庭での家庭収入が文字通り倍増するとか、ホワイトカラー労働者全体に占める優秀な人材が倍に増えて日本全体の生産性が向上するとか、世帯収入が倍増すると消費も旺盛になるので経済が成長するとか、いろいろと良い事はあるだろうと推測します。

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