橋本氏の教育改革は誤解されている

2月 20th, 2012 Categories: 1.政治・経済

橋本大阪市長の掲げる「教育改革」について、秋原葉月氏は大阪教育基本条例はアメリカで破たんした落ちこぼれゼロ法とそっくりと批判していますが、認識が古いのではないでしょうか。

まず大阪市長選マニュフェストから、教育改革の項目を下記に引用します。

(2)教育改革

大阪市における教育行政は、教育委員会の独立性という名の下に、教員組織と教育行政が聖域化され、市民から遠ざけられ、閉鎖された教育委員会、教育委員会事務局の中で全て決定されてきました。しかし、大阪市の教育委員会は、わずか6人で構成されており、しかも常勤は、委員長の1人だけであり、残り5人は、全て非常勤の委員です。そのような体制で、教員等の人事権を含めた500校を超える市内公立学校のほぼ全ての教育行政を管理しており、これでは、適材適所の教育人事、児童・生徒目線の細やかな教育サービスを行うことは不可能です。児童・生徒の将来を考えると、加速する昨今のグローバル社会に十分に対応できる人材を育てる教育、個々の児童・生徒の個性を伸ばす教育、障がいやハンディがある児童・生徒をきめ細やかにフォローする教育、まさに各学校が切磋琢磨し、学校ごとに学校の特徴を発揮できる教育の仕組みが必要です。教育委員会に教育行政、教員組織の全てを無条件、無責任に委ねるのではなく、教育委員会制度を一から見直し、現場の先頭に立つ校長のマネジメント能力を尊重し、校長の権限を強化し、児童・生徒の目線に立って、保護者や周辺地域住民が積極的に教育に参加、関与できる仕組みを構築する必要があります。そのために教育改革を断行します。

① 現状
将来の大阪を支え、発展させていくためには、その人材となる大阪市内の児童生徒に対する充実した教育を行い、自主自立の精神をもった人材を育成することが不可欠です。しかしながら、現在の大阪市の学校教育は、校長の権限が弱く、学校をマネジメントすることが困難な状況にあります。また、児童、生徒、保護者が学校を選ぶことができず、学校間の競争がないため、教育サービス提供の切磋琢磨がない状況です。

② 教育改革

以上の観点から、明日の大阪を担う人材を育成するため、硬直化した教育委員会任せの学校教育を抜本的に改革します。

総論
ⅰ 保護者、周辺地域住民等が参加する学校運営協議会により地域の声を教育に反映させます。
ⅱ 市長が教育委員会と協議して実現すべき目標を設定します。
ⅲ 校長、副校長を段階的に内外公募し、マネジメント能力が高い人材を登用します。
ⅳ 市立学校における教員の任用や人事評価について校長の意見を反映させます。
ⅴ 学校運営について校長に予算要求権を付与します。
ⅵ 教員が授業に専念できる体制を整えます。
ⅶ 校長については目標達成度、教員については人事評価の結果を給与に反映させます。

各論
ⅰ 小学校区隣接選択制を採用し、一定隣接区域で学校選択を可能にします。8
ⅱ 中学校区ブロック選択制を採用し、ブロック化した区域で学校選択を可能にします。
ⅲ 学力テストを実施し、学校運営協議会の求めに応じてその結果を公開します。
ⅳ 小中一貫・中高一貫教育の推進を図ります。
ⅴ 児童いきいき放課後事業を公募にしたり、管理作業員や給食調理員を地域から雇用することで地域の雇用促進を図るとともに地域と学校との連携を深め、民間参入を促して、サービスの向上を目指します。
ⅵ 普通高校、商業高校、工業高校について、統合を推進し、専門性及び機能の強化を図るとともに、大学、産業界との連携を積極的に行います。

以上で引用終わり。

そして、「下位5%」の教員の評価と免職方法いついて、朝生に出演した橋本氏は番組中(およそ133分あたり)で下記のように述べています。

1)保護者による外部委員会を作る。
2)外部委員会が教師を相対評価して「下位5%」を決める。
3)2年連続で「下位5%」の教師に指導研修を受けさせる。
4)研修の後に能力を絶対評価して、教師として不適格となれば免職する。

つまり最新バージョンの「教育改革」においては、教師の評価は学力テストでも校長でもなく、外部委員会が行う事になっており、2年連続で「下位5%」と評価された教師は、更に別の(絶対)評価によって最終的な適格性の確認をした上で、はじかれた者がだけが免職するという事になっています。

橋本氏は議論において常に「対案を示せ」と言いますが、あれはどうやら議論に勝つためのテクニックではなく、政策を進化させる為のもののようです。小幡績は小泉にあって橋本市長にないものという記事の中で、「中身のない政治家でガッツがあり、けんかに強く、侠気があれば、最強なのである」と述べています。

橋本氏が求めているのは、現在の行政を、結果を出せる民主主義のしくみに変える事であり、その為の方法論について特定の政策に執着していないという事です。故に、橋本氏の中では、議論するごとに政策内容は進化し続けるのかもしれません。そして彼の批判者は常に、一歩も二歩も後ろからしか攻撃できないという事のようです。

石水智尚 – Mutteraway

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