石巻市は津波復興のモデルになるか?

12月 7th, 2011 Categories: 1.政治・経済

石巻市雄勝町の現状 -住民不在の建築制限により町が消えようとしている – MRIC

石巻市が津波で浸水した地域を建築基準法第39条(*1)の災害危険地域に指定して、住民に立ち退きを迫り、高台(あるいは他地域?)へ移住させようとしている件について、「行政の横暴により町が消滅しようとしているのだ」という批判があります。もとの町に戻りたいという感情は理解できますし、どこまで浸水すれば「危険」かについては適切に判断されるべきかと思いますが、行政は住民を想定される自然災害から守る義務があると考えますので、私は基本的に石巻市の方針に賛同します。

「石巻市は、住民の意向を意図的に操作し、1cmでも浸水した地域にこの建築制限をかける方針という。このような規制がかかると、雄勝町のような小さな町はひとたまりもない」という事ですが、行政は住民の「長期的」な安全を守る為に、時には住民の非合理的かつ感情的な意見を無視したり、合理的な方向へ誘導する事が必要と考えます。というか、それが政治というものではないでしょうか。

3・11はこれから日本で起こるであろう大津波被害を行政が再検討するきっかけを与えてくれたと考えるできです。今回の例が示したように、大津波がくれば津波堤防で低地の資産や人命を守る事は困難です。都道府県は市町村と協力して地質学的な大津波の痕跡調査を行い、 周期的な大津波が来る可能性がある地域は順次、住民の組織的な強制移住を行うようにするべきです。いつか津波が来るとわかっている場所を居住地として許可し続ける事は、行政による「未必の殺人」のようなものかと思われます。必要であれば市町村が住民の強制立ち退きができるように、国会で立法するべきです。

 

(*1)
建築基準法第39条 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。
2 災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。
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