株価予想と温暖化予想

佐藤秀氏ブログのコメント欄で、「 IPCCの予測は、科学的に決着がついているか」という温暖化論議をやってて、2つの事に気づきました。一見理屈っぽい人ほど、この罠に嵌ってしまう事が多いようです。

  • 数字化された確率数値を無条件に信じる人が多い。

お天気予報の降水確率は、これは統計的な確率数字を表していると思います。その理由は、気象衛星、お天気レーダー、気圧配置、全国の降水量の検知器や温度計・湿度計などの情報をもとにコンピュータでシミュレーションをして、その予想と実際の結果を何十回も何百回も繰り返し比較しながら、降水確率の数値を統計的に導き出す事ができるようになったものでしょう。

IPCCの科学者は、人為的なCO2による温暖化の信頼性を“very likely” (greater than 90 percent confidence)と表現して います。普通に考えると、科学者が言う90%というのは、数学における統計学的手法により導き出された確率(%)と間違えてしまいますが、実は違います。 よく考えれば素人でもわかりますが、現代の科学で、再現性の無い未来の予測について、統計的に確率を求める事は困難です。ようするに、うちの会社の営業マンが、今度の案件を受注できる確率は90%確実だ、というのと本質的には同じです。それだけ自信があるよ、といいたいのですが、90%という数字の裏に何らかの科学的手法による計算式があるわけではありません。だから、たとえ科学者が90%といったところで、それは「科学的に確実だ」という事を何も証明していません。

  • 科学的な手法をとっているから、それが科学的理論であるとは限らない

欧米の証券会社では、コンピュータと数学を駆使した「株価予想」が非常に発達しています。過去の株価はファンダメンタルズや市場の人間心理が生み出した結果ですが、「株価予想プログラム」は、ただ過去の株価上下のパターンだけから近未来の「株価予想」をしています。wikiの「テクニカル分析」を読んでください。「多くの経済学者、金融工学者はこれを根拠が無く、科学的理論とはいえないと批判している。」とあります。欧米が得意とする「システムトレード」も本質的にはかわらないと思います。つまり科学的手法を用いているから科学的理論とはいえない。しかし、リチャード・デニスとか大成功した人もいるわけで、科学的理論でないから無効であるという事でもないという事です。

人為的CO2による温暖化の理論には、これに似たものが見えるような気がします。 地球温度の上下は、株価と違って自然現象が集積した結果ですが、温暖化シミュレーションはその原因要素をプログラムに組み込まれていません。なぜそれがわかるのか?それは、いまのところ科学者はだれも、温暖化のメカニズム理論を科学的に証明していないからです。原因要素の理論無く、環境変数を外挿して過去の温度変化にだけ対応できるように作ったシミュレーション・プログラムが、どれほど正確に100年先の未来を予想できるのでしょう?しかし、権威ある科学者や政治家が「地球は人為的なCO2の排出で温暖化している」といえば、みんなの頭に自動的にバイアスがかかって、信じてしまうようです。

これでも人為的CO2温暖化理論は科学的理論といえるのでしょうか?

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4 Responses to “株価予想と温暖化予想”

  1. たけちゃん
    8月 21st, 2008 at 10:24
    1

    こんにちはbobbyさん。またやってきました。

    記事中にあげられていたブログのコメントを読んだり、
    bobbyさまの記事を読んだりして思い出した小説があります。

    題名は忘れたのですが筒井康隆の小説で、
    その内容はというとざっとこんなかんじ。

     あるパチンコ屋に大学教授がやってきた。
     教授はいろいろな計測器具や計算器具を駆使してパチンコ台の前でしきりに考える。
     やがてある結論に達したようで、パチンコ台をその結果にあわせてセッティング。
     固唾を呑んで見守る、他の客、店員たち、教授は千円ぶんの玉を買い、台に流し込み、、
     玉はみるみる台に吸い込まれていき、、、教授が振り返って一言。
     「千円スッた」

    前にも申した通り私は現役の実験物理屋です。
    だからすこし辛口になってしまう部分はあると思うのですが
    やはり温暖化の議論というのはまさにこの小説そのまま、だと思うんですよね。

    科学的な議論というのは
    ・事象に対するモデルをたて
    ・そのモデルから導くところの結果を実際の結果と比較検証し
    ・その結果、正しく事象を説明できてはじめてそのモデル(=理論)が認められる
    というものです。これは最後まで完結しないと科学になりません。
    とくに後の二つの「再現性の確認」というのが特に重要です。
    ここがたとえば、トンデモや特許との大きな違いといいましょうか。
    この第1段階目のところまでしか短期的(といっても数十年、数百年のレベルですが)
    にはどうしても実現できないのが温暖化の議論です。

    そして一番の問題は、大学教授がスッたのは千円ですが
    温暖化では100兆円とか言うレベルで財布の中身が無くなりそうなんですよね。
    それだけのお金があれば、もちろん他にもいろいろな方策が取れるはずで・・
    #べつにそのほんの一部を研究費でオレにヨコセというのではありません(笑)

    まあでも、一言で言うと「しょうがない」でしょうね。
    こういうことを冷静に説明して納得してくれる国民ならば
    マイナスイオンも磁気なんとか水も全く相手にされないはずなのでして。

    そう言う点では、教育の側にも立っているので少し責任も感じています。

  2. たけちゃん
    8月 21st, 2008 at 10:41
    2

    気にもなったので、ちょっと調べました。

    筒井康隆 「パチンコ必勝原理」

    でした。
    短編集の「日本以外全部沈没」の中に載ってるようです。

    読んだのは多分30年くらい昔だったと思うんですが
    面白かったのか結構内容も正確に覚えていたようです。

  3. bobby
    8月 21st, 2008 at 16:51
    3

    たけちゃんさん

    >科学的な議論というのは
    ・事象に対するモデルをたて
    ・そのモデルから導くところの結果を実際の結果と比較検証し
    ・その結果、正しく事象を説明できてはじめてそのモデル(=理論)が認められる
    というものです。これは最後まで完結しないと科学になりません。

    なぜいま温暖化するのか、この理屈をまだだれも解明していません。CO2の増加は相関関係は科学的に認められるとしても、CO2の増加と産業革命の時期が重なっているのだって、状況証拠でしかなく、偶然でない事を証明した学者はいないでしょう。

    環境シミュレーションというとよく例に出される台風予測がありますね。ちょうど今、台風12号が発生しています。この台風予測も、初期段階から良く見ていると、台風が急激に発達する場合には、予想の精度が悪い事がわかります。予測プログラムと実際の結果を繰り返し比較改善できるのにこの程度なのです。
    http://www.imocwx.com/typ/typ_12.htm

  4. 1月 29th, 2009 at 16:04
    4

    昔読んだことがあるような・・・。

    今気づきましたが、
    「千円スッた」

    「サイエンス」
    を掛けてあるのでしょうか?

    どーでも良いことですが。

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