政府のダブルスタンダードが風評被害を生み出したのか?

11月 7th, 2011 Categories: 1.政治・経済

前記事Twitterコメントを読みましたが、放射能汚染を起こしたのは東電だから、風評被害の責任も東電が負うべしという意見は、筋が通っておらずすっきりしません。個々の人の行動が正当性(*1)を持たないからこそ「不評風評被害」と定義されるのであり、そのような不合理な行動の結果にまで東電が責任を負うべき、というのは筋が通らないと感じます。

1年1ミリを1ミリでも超えたら法律違反というのは、現在の法律では正しい認識ですが、法律違反=健康被害は間違った認識です。1ミリでも超えたら健康被害という科学的に明白な根拠があれば、そもそも1年0.01ミリあるいはそれ以下に設定されていたでしょう。健康被害を真剣に考慮するのなら職業従事者(原発作業員)の限度値を参照するべきです。それを知っているべき立場の武田邦夫氏の記事には問題があると考えます。また、被爆についてのダブルスタンダードを作って国民を混乱させているのは東電ではなく政府です。その結果、国民が過剰防衛に走り、風評被害が生じたのであれば、それは東電ではなく政府の責任を問うできです。

放射線がそこにあるのだから「実害だ」という意見がありました。放射能は自然界のどこにでもあるので、ある事自体が問題だというのは間違った認識です。逆に、そのような意見こそが風評被害を招くと考えます。ただあるのではなく、健康被害を起こすレベルである場合に、「実害だ」という事が言えます。以下にwikiの自然放射線の記述を引用します。ちなみに、1年1ミリにこだわってる武田氏などの知識人は、これと自説との辻褄を会わせて頂く事を希望します。

「人間が受ける自然の放射線による被曝の内訳は、宇宙線から年間ほぼ390マイクロシーベルト、地殻・建材などからの自然放射性核種から年間480マイクロシーベルトの外部被曝を受けている。そして体内に存在している自然放射性核種(カリウム40、炭素14)から年間ほぼ290マイクロシーベルトの内部被曝を受けている。これらに加え、空気中に含まれているラドンから年間約1260マイクロシーベルトの被曝を受けている。合わせて自然界から年間2.4ミリシーベルト前後の被曝を受けていることになる。」

放射能汚染状況に関する情報不足を問題視する人がいました。これは私も同意しますが、情報不足の責任を問うのは東電ではなく、政府であるべきです。政府は監督官庁として情報提供を強制する権限を有しているからです。それを意図的にしないのだとすれば、原子力関係の情報を管理する国際的な秘密協定でもあるのでしょうか?

(*1)風評被害そものもの是非は議論していません。個人が自分と家族を守るために行う防衛行動は、その人と家庭内においてはそれなりに合理性があると考えます。しかしながら、そのような意見が公言され、その為に貿易防衛行動が集団で行われた場合、消費者の利益と供給側(農林水産業者や企業など)の利益が背反する事は明白です。ここで問題を提起しているのは、単純に、風評被害の責任は誰にあるのかという事です。

Facebook Comments
Tags:
Comments are closed.