風評被害は東電の責任か?

11月 6th, 2011 Categories: 1.政治・経済

3・11による放射能汚染の風評被害について、東電が損害賠償せよという意見が有りますが、私は大きな違和感を持っています。原子炉の損壊による放射能汚染と、結果として生じた風評被害は別問題です。理性的に考えれば、東電は「積極的に風評被害を起こす」合理的理由は何もありません。物事は是々非々(*1)で考えられるべきです。

まず認識すべきなのは、風評被害の直接の加害者は誰かという事です。これは誰かといえば、それを行っている個人ひとりひとりです。しかし、風評危害を受けた農家や企業が、個々の人に対して損害倍書を請求するのは、人数も多いし、特定したり証明したりする事が困難です。ゆえに風評被害を行っている直接の加害者に対して損害賠償の訴訟を起こす事は現実的と言えません。

風評被害を行っている直接の加害者に責任を追求する事ができないとしたら、次に責められるべきは誰でしょうか。私は新聞やテレビなどのメディア企業と考えます。個々の人が風評被害を起こす事を決断する為には、その人にとっての根拠となるべき、偏向された情報源が必要です。テレビや新聞は、建前として政府の方針である「年20ミリでも安全」を支持しているように見えますが、個別的にみると大臣の記者会見で汚染水を飲めと要求して「話題」を自分で作るなどで風評被害を煽り、売上や視聴率を伸ばそうとしています。農家や企業は、新聞社やテレビ局に対して、そのような記事や番組を根拠として、損害賠償を起こす事は可能ではないでしょうか。

日本には言論の自由というものがあり、基本的に誰でも好きな事をネット上で発言できます。しかし、それが大きな影響力を持つ場合は、発言内容に責任を求められる事もあります。代表例は個人や会社への誹謗中傷で、しばしば裁判沙汰になります。「1年1ミリを少しでも超えると危険である」という主張は、個々の人が風評被害を行う主要な原因のひとつと推測されます。政府の1年20ミリはÌCRPの勧告がベースになっており政治的な根拠があります。1年100ミリ以下で人体に悪影響がある証拠が無いと、多くの科学者が述べています。このような状況があり、1年20ミリで問題ない事が結果として証明された場合、武田氏を含む、1年1ミリに固執した人達は、風評被害で民事訴訟の対象となる可能性があると思われます。

(*1)震度6の地震あるいは15メートルの津波と、福島第一原発の放射能汚染の相関関係は明白ですが、原子炉と燃料プールが損壊した原因について、東電の経営者が無過失であるかどうかは、伝わってきた情報から考えると疑うに十分な合理性があり、司法の手で調査し判断して欲しいと望むものです。

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