環境学者の倫理的責任

地球は今、温度が上昇しているという説と、いいや下降を始めたという説がある。また、異常気象と砂漠化が進んでいるという説もある。しかしテレビや新聞を見ると、政府は毎日、人為的温暖仮説の大キャンペーンを継続中だ。しかし人為説の根拠は希薄であり、100年後に海面が数十センチ上昇するという予測もきわめて不確かである。このような事に莫大な税金を投入する事は許されるのであろうか。

知らない人もいるだろうから、まず事実を述べる。我々が生きている21世紀という時代は、1万年ほど前に終わった氷河期と、その次の氷河期との間にある「間氷期」とわれる状況にある。詳しくはこちらを参照されたい。であるからして、地球の温度が上昇しても、あるいは下降を始めたとしても、間氷期という事で科学的に説明できない事はないと思われる。

いろいろなメディアで、現在の温度はかつてないほど上昇していると言われているが、それは嘘である可能性が極めて高い。なぜなら6000年から5000年ほど前の縄文時代の日本は、現在より更に温度が高く、海面も高かったと、古墳を調べている考古学者は考えているからである。5000年前当時の温度や海面を記録した文献は残っないけれど、東北地方で稲作跡が発見されたり、貝塚の場所が現在の海浜より内陸部にあるという事実から推測されている。蒸気文明のなかった縄文時代の温暖化原因を、いまの人為的と言う環境学者はいないであろう。
地球シミュレータという超高速コンピュータが、地球温暖化をシミュレートして未来の影響を予測した。この結果を重く見る人がいるようだが、残念ながらこのシミュレーションの信頼性は極めて低いと言わざるを得ない。シミュレーション技術で、現在もっとも発達している分野のひとつが、金融工学による株価予測である。特に欧米の証券会社や投資会社では、大きな費用を投入して、世界中の優秀な数学者や物理学者の知恵を集めて過去の株価変動を数式化し、優秀なプログラマを集めてシミュレーションプログラムを作成し、未来の株価を予測する事で莫大な利益を得てきた。ところが、この疑似科学的なシミュレーション技術が、過去に何度か大規模に破綻している。ブラックスワンといわれる大暴落である。なぜ大暴落をシミュレーションは予測できないのか。それは、シミュレーションが「過去の数値化」であるのに対し、大暴落は過去に例の無い「新しい挙動」であるからだ。現在の温暖化(または異常気象)が人為的なものであれば、地質学的には「ごく最近」にはじまったばかりだ。仮に現在は間氷期の、本来は温度が下降すべき時期にもかかわらず、産業革命からはじまった人為的CO2排出の影響蓄積によって引き金を引かれた「人 為的温暖化」の始まりであるとしよう。この場合、地質学的尺度でいえば、人為的温暖化は始まったばかりである。つまり、過去に例の無い「新しい挙動」である。その新しい挙動の初期の立ち上がり変化をフォローしたシミュ レーションモデルをいくらいじったところで、その全体像(スパンの長さ、ピーク時の温度、始まってから終わるまでのシナリオ)をとらえる事が不可能な事は、べつ に環境学者でも数学者でなくても自明である。それが確実にできるというのなら、もはやそれは「科学」とはいえないだろう。

しかし現実に、日本の政府は欧米政府の尻馬に乗って、かくも科学的に不明確かつ不確かな人為的温暖化抑止の為に、人々の税金から莫大な予算を組もうとしている。その根拠とする「学者の説」は、環境学者から出たものである事は間違いない。 であれば、心ある環境学者は、いまこそ声を大にして、自らのブロクやホームページで声高に叫ぶべきである。人為的温暖化は証明されておらず、シミュレーションの結果はあくまで参考値でしかなく、確実な事がわかるまでにはまだまだ時間を要するという事を。

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7 Responses to “環境学者の倫理的責任”

  1. たけちゃん
    7月 22nd, 2008 at 21:24
    1

    はじめまして、興味深く読ませて頂きました。突然失礼致します。

    縄文海進について注目しておられますね。それならば、さらにもう12000年くらい昔にもご注目下さい。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%B0%B4%E6%BA%96%E5%A4%89%E5%8B%95
    この間の海面の上昇の平均スピードは100年で1m(!)です。
    東京湾もなかったし、ロシアとアラスカは地続きでした。

    こんなダイナミックな変化をしている地球において、断片的な情報から温暖化がさも決定的な事項であるかのように喧伝するのは、正直無理矢理な面ばかりが目に付きます。たとえ本当でも、良い面と悪い面両方があると思いますが、良い面に関しては、あまり宣伝はされていませんよね。

    私は気象学者ではないので、詳細は分かりません。なので、あくまで憶測にしかすぎませんが、この「予想という名の脅迫」は信憑性はあまりたかくなく、それを根拠に何十、何百兆円のコストをこれから支払おう、としている人類は正直滑稽にみえます。私は物理屋ですが、私と同じ業種の人ならおそらく同種の印象をもたれる研究者が多数だとおもいます。過去の整理(何度上昇して、何cm海水面は上昇し、その要因は何であったのか)さえマトモにできていないのに、未来を予測するなんてとても無理な話で
    す。

    ただし。

    もうこの流れは止まりません。これで「儲けることもできる」という人たちが多く現れてしまっていることがその論拠です。日本はこれから少子化を迎えて、なんとか資源は全くでなくても世界の中で生き残るための手段を考えて行かねばなりません。その為には、敢えてアホのふりをしてでも、環境保護、地球温暖化阻止を声高に叫び、それに対応する商品や技術を世界中に売りさばかねばならない、と思っています。京都議定書とか、何の因果か日本がそのリーダーシップを取り得る立場にいることは、まさに千載一遇のチャンスだと思っています。

    問題は、そういうことをどれだけ役人や企業の人たちが認識していてくれるかどうかなんです。こんなこと、全く素人の私でも簡単に見通せるわけですが・・・・海水面が上がったって、沖ノ鳥島はあきらめて、オランダの様に日本中にすこしづつ堤防でも築けばOK、(←新しい公共事業のタネが産まれて良かったですね!=国会の皆さん)ですが、何もしないままでは海ではなく世界の中で沈んでしまいます。

  2. bobby
    7月 22nd, 2008 at 22:48
    2

    たけちゃんさん、長文コメントありがとうございます。

    >こんなダイナミックな変化をしている地球において、断片的な情報から温暖化がさも決定的な事項であるかのように

    仰るとおり、同感です。私も温暖化は専門外ですが、システム屋という仕事柄、問題箇所と全体システムのとのつながりをいつも考えてしまいます。いまの温暖化論は、アウトプットばかりが注目されていて、インプット(原因)の方は、「わかり易いから人為的CO2でいいや」みたいなところがあって嫌いです。

    インプットは地球学全体(海洋の表層海流、深海海流を含む海洋循環、大陸棚のメタンハイドレート、大陸棚の隆起や沈降、氷河、表層大気、宇宙線、太陽活動、考古学、プレート移動、地球磁気、生物学、...)を総動員して、大規模な気象変動を可能にする仮説を立てて検証して、その上でシミュレーションして再確認して...みたいな事が必要ではないかと思うのです。

    いまの温暖化論は、そういった地球学による包括的な理論がぜんぜん無い。たかだか二百年以下の温度上昇記録、同じく大気中のCO2増大、陸上氷河の減少、海面高度の上昇など、きわめて限定された視点での仮説であり、あまりに地球温暖化を馬鹿にした理論だと思うのです。

    米国政府が地球温暖化政策を国内で導入しない一番大きな理由は、現在の温暖化理論が「きわめて政治的」な理論で、真に米国に危機をもたらすものでない事をすでに承知しているからでしょう。

    日本政府がぜったいにやってはいけないのは、ロシアや中国からCO2排出権などという詐欺商品を買わない事です。単なる無駄です。国内の温暖化産業はまだ、日本企業が潤って経済が底上げされるだけマシです。

  3. bobby
    7月 22nd, 2008 at 23:12
    3

    たけちゃんさん、紹介頂いたwikiの「海水準変動」は大変興味深い情報ですね。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E6%B0%B4%E6%BA%96%E5%A4%89%E5%8B%95

    人為的CO2温暖化論者や、現在の気象・海面を根拠の無い「正常」と考える方々は、まずは古気候での海面高度について、人類無しできちんと説明した後に、その上に人為的CO2を乗せた時の変異についての理論を説明するべきですね。それなくしては、科学的合理性も説得力もまるでありませんよ。

  4. たけちゃん
    7月 23rd, 2008 at 00:13
    4

    bobbyさま、ご返事、ありがとうございます。

    CO2は確かに温暖化を促進しているのかもしれません。
    定量的な議論はやはり難しいと思いますが。
    そこは私にはよくわからないところです。
    (でも誰もわからないと思いますがね)

    で、たとえそうだとしても、とりあえず物理屋さんとして考えることは、これまでこんなに激しく温度、海水準、などなど変化しているのに、何十億年間も地球の気温がある程度の幅で収まっている、というのは何かしらの自然な負帰還な機構が働いているから、です。別に誰かがスイッチ押して操作しているわけではないですからね。それが地球という星に生まれた我々人類の幸福、そのものでしょう。大事にしないといけないとは思いますが。

    だから逆に、人類がCO2をバンバン排出しまくっても、逆に対して地球の温度をビシビシ上げることは難しい、と考えるのが「ごく自然」です。それを暴走するだの、金星のようになるぞだの、言う人はまず、それなりの根拠と実験結果を示すべきですよね。実験はできないのですけどね・・

    とにかく、この地球温暖化というやつは、前提として実験的検証というのが不可能という厄介な事象です。(CO2をどれくらい排出するとどれくらい地球の平均温度が変わるか、ということを確かめようがない)そういう点においては、ある意味、これは科学ではありません。物理屋という数学者の次に論理だって物事を考える職業だから余計にそう思うんでしょうが。100年後の海水面を予想するよりは、おそらくあすの最高気温を予想するほうが、かなり簡単ではないかと思います。気象学者の方は、まずはそこから頑張るほうがよさそうに思うんですが。

    それでも、最初に書いたとおりこの流れの中で日本が損な役回りにだけはたってくれるなよ、というのが私の願いです。あれだけ地球温暖化について叫ぶのに、気象に関する日本の最大の情報源、気象衛星ひまわりが予算不足でなくなってしまうかもしれない、というアンバランスな国が日本国というところです。だから私はとても心配なんですよ・・・・

  5. bobby
    7月 23rd, 2008 at 01:41
    5

    たけちゃんさん、コメント連投有難うございます。

    >CO2は確かに温暖化を促進しているのかもしれません。

    たけちゃんさんは池田信夫blogから辿ってこられたのですか?あちらでは、元大学教授さんのコメントで、CO2の温暖化効果に疑問を投げかけられています。吸収される赤外線は水蒸気と重なっており、水蒸気の大気濃度の方が桁違いに多い事から、CO2による有効な温室効果ははたしてどれくらいあるのか、という事です。仮に大気中のCO2に有効な温室効果があったとしても、大気中のCO2濃度はたったの0.04%(wikiによれば0.0381%)です。これが倍になったところで、大気全体に及ぼす温室効果はいかばかりだろう、という事も指摘されています。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E5%A4%A7%E6%B0%97

    このような疑問が出る事自体、CO2の温室効果理論はまだまだ練りきれていないように思います。

  6. たけちゃん
    7月 23rd, 2008 at 20:33
    6

    こんばんは。

    私は週刊木村剛からやってきました。
    そのブログはまた読んでみようと思います、ありがとうございます。

    もうひとつ。
    こういう非常に時定数の長い事象は、100年かけて起きた現象ならば、同じように100年くらいかけて変化させられるなら変化していくものです。いま払うコストが効果があるのかどうかが分かるのも100年や200年先のことになりますね。

    その頃の進歩した科学ならば、もっと簡単に対策できるかもしれません、そうなれば、100年前に祖先たちは、こりゃまた壮大な無駄(な温暖化対策)をしたものだなぁ、と思われてしまうに違いないです。

    しかし。(こういうのが多くてすみません)

    確かに石油や天然ガス、石炭などに依存した文明は、CO2以前に、「富」が余りにも偏りすぎて、それ自体が人類にとっての災いの火種であるとも思っています。日本が生き残るための術、というだけではなく、例えば南北格差を縮めるための口実としても温暖化対策というのは使えるだろうと思います。

    例えば、画期的な太陽電池が生まれたとします。
    太陽光線は地球上に公平に、いやどちらかといえば、赤道直下あたりの比較的貧しい国に豊富に降り注ぎます。エネルギーの入手手段が太陽光にもしスイッチすれば、こうした国に富を分配することができますね。

    滑稽ではありますが、悪いことばかりではないと信じています。>温暖化

  7. bobby
    7月 23rd, 2008 at 22:48
    7

    たけちゃんさん、コメントありがとうございます。

    >その頃の進歩した科学ならば、もっと簡単に対策できるかもしれません、そうなれば、100年前に祖先たちは、こりゃまた壮大な無駄(な温暖化対策)をしたものだなぁ、と思われてしまうに違いないです。

    フロンガスみたいに、みんなで大騒ぎしながら、結局は人為的なフロンガスのせいだったのか...とか。人為的CO2温暖化抑止事業も、計画時にはそれなりにもっともな理由があったはずなのに、誰も思い出さなくなってしまって、何兆円の投資はどこへ行ったのか...とか。あるいは、有明湾の干拓事業みたいになってしまうかもしれませんね。

    技術として考えられるのは、(ほんとうに0.04%のCO2が温暖化を促進させているとすれば)大気中のCO2を安価かつ大量に固定化する技術が出来るとか。

    あるいは、軌道上に極薄のかつ巨大な太陽光遮蔽版を置いて、熱の入力を制御する事で、地上や海上の温度を直に制御するとか。

    いづれにせよ、くだらない排出権とかにお金を出すより、科学。技術的な温度制御方法に直に投資した方が、科学進歩と経済振興と温暖化抑制のためになると思います。

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