経済的相互確証破壊は強力な抑止力か?

10月 17th, 2011 Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ

米中がそう易々と核戦争を含む全面的な戦争を起こすと考える人がいないでしょうが、朝鮮半島有事に起因して米中の戦争が勃発する可能性が高く、中国が、台湾や日本と交戦状態に入った際には、米国は中国に対して軍事行動をとることを断言している、と述べているのは海防ジャーナルです。

ランド研究所による米中衝突のシナリオ

中国政府が北朝鮮の国際的な保護者的存在である事は広くしられているようですし、これまではそのように振る舞ってきたと考えられます。ところが先の北朝鮮と韓国の紛争(北朝鮮が韓国の島へミサイルを打ち込んだ件)では、若者達の間で、「中国はなぜならず者の北朝鮮を守らなければいけないのか」という意見がネット上を賑わせた事は興味深い事実として記憶されるべきかと思われます。

ブログ主さんが翻訳したと思われる記事の内容を読むと、日本については、「断言している」のではなく、エスカレーションの危機を承知の上で、日米双方は中国本土への攻撃を考慮する「必要がある」と、提言しているのであって、米政府はかならず日本を全面的に助けてくれると断言しているようには読み取れませんでした。

ところで、このレポートで私が注目するべきと思うのは<経済的相互確証破壊(Mutual Assured Economic Destruction:MAED)>の項目です。両国経済は史上類を見ない程に緊密さを増しており、米中が衝突すると、双方ともに経済へのダメージが最も大きく、これが強力な抑止力になるという点です。

中国が様々な国内問題を解決して共産党政権を今後も維持する唯一の方法は、経済発展を続ける事です。中国から見た場合、日本との釣魚島(尖閣諸島)は地下資源という経済問題です。全体からみれば些細な経済問題の為に、米日を巻き込んだ軍事衝突を起こし、その結果として経済成長をぶち壊し、自ら政権崩壊の危機を呼び込むというのは、改革開放以来の政府の一貫した政策と矛盾します。つまり中国政府にとっては、経済成長を続けられる限りは、米を巻き込む可能性のある「戦争」は外交交渉の道具として使うブラフとしてしか機能しないと考えるべきではないでしょうか。

米国も中国も、戦争の為ではなく経済的利益の為に大きな軍事力を維持しているという事を、平和ボケしている我々日本人は忘れるべきではありません。

Facebook Comments
Tags:
Comments are closed.