規制より教育

池田信夫blogによれば、ネット規制問題は大詰めだそうだ。自民党案は「法律による規制」、民主党案は業界による「自主規制」。どちらも規制して保護するという視点には変わりない。実質的な規制が困難なインターネットで、教育という視点で考えられないのだろうか?

  • インターネット技術の基本構造は、小規模なネットワーク(回線業者とプロバイダー)が無数の網の目のように接続されたネットワーク構造である。
  • インターネット上のコンテンツのほとんどは、許可も認可も不要な無数のウェブサーバーにホスティングされている無料のホームページ、ブログ、掲示板、写真や動画配信サービスを利用している。
  • これら無料コンテンツ・サービスでは、コンテンツ提供者は虚偽の名前や住所で登録する事は極めて容易であり、虚偽登録による有効な罰則もなく、虚偽登録を防ぐ事も極めて困難である。
  • これら無料コンテンツ・サービスで提供されるコンテンツは、明らかに違法な情報は実は少なくて、違法とも合法とも区別の付きにくい灰色コンテンツが無数にある。
  • 無数の灰色コンテンツを、コンピュータ・プログラムにより自動的に白黒判断させる事は技術的に困難であり、 人間によっては判断が分かれる事となり、裁判所が個別に判断を行うにはあまりに対象の数が多すぎるという問題がある。
  • 未成年の閲覧が不適であると定量的に判断する事が困難であるにもかかわらず、それらのコンテンツを法的に情報を(未成年者の目から)遮断する事は、コンテンツ発信者と閲覧者双方の権利を犯して憲法違反になり得る問題がある。
  • 憲法違反の問題を別にしても、だれもいない室内で未成年である閲覧者が、未成年である事を自己申告しなければ活性化しないコンテンツフィルター機能を容易にパスして、(本来は閲覧規制されている)自分の好きなコンテンツが自由に閲覧できてしまう事を阻止する有効な規制手段がない。

上記の内容を一言でまとめれば、インターネットとはそもそも「無政府状態に極めて近い」世界であり、そこへ出入りしようとする人間は、子供でも大人でも、その人がアクセスしようとするコンテンツに応じた知識と力を備えていなければ、どのような影響を受けるか誰にもわからない。この世界に出入りする人は、法律やルールといった外的な規制力はほとんど効果がないという事である。

では、何をどうすれば、無政府状態に近い世界で自己を保ったままでいられるのだろうか?それは、だれかが規制やルールを押し付けるのではなくて、自分で「自己を保っていたい」と望む事である。 どうすればそれを望むようにさせる事ができるのか?それが教育であると思う。何を教育するかといと、

  • どのようなコンテンツ・サービスにアクセスできるかという知識。
  • コンテンツ・サービスを正しく利用する方法。
  • 正しく情報発信する方法。
  • 質の悪いコンテンツから身を守る方法。
  • ネット上のコミュニケーションから身を守る方法。
  • 完全な匿名でいる事がほとんど不可能だという技術的な知識。
  • ネット上の詐欺、ウイルス、スパイウェアから身を守る方法。

などである。 子供達には十分な情報が必要だが、いまの大人は規制して遠ざける事しか頭に無い。隠せば隠すほど、子供は好奇心が高まり接触の機会が増えてゆく。そして事故に会う。ならば遠ざけるのではなくて、十分な知識を与えた上で、どうしたらコンテンツの良し悪しを判断し、ネットから自分の身を守り、自分を保っていられるかを教えるべきである。これは家庭と学校の問題である。しかしながら家庭には、IT知識音痴の親は多いだろうし、IT情報をまるで知らない親も多数いるだろう。そこで政府は、まず家庭の親を教育すべきである。親へ教えるべき事は、

  • 家庭内で親が子供に果たすべき義務と権利と法的罰。
  • ネット上にはどのようなコンテンツがあるか。
  • そこへはどのようにしてアクセスできるか。
  • 子供のメールを閲覧する方法。
  • 子供が見ているコンテンツを(自分で、先生または業者に依頼して)知る方法。
  • 家庭内で(自分で、先生または業者に依頼して)子供のコンテンツ規制を行う方法。
  • 家庭内で見せたくないコンテンツの閲覧を止める方法。

また、学校と家庭が協力して行える事もある。

  • どのような良質なコンテンツへ子供の興味を向ける方法を考える。
  • どのようなコンテンツを家庭内規制すべきかを考える。
  • どのような家庭内規制が効果的かを考える。
  • 家庭内でネット規制すべきかを考える。
  • ネットについて子供との家庭内コミュニケーションを考える。

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One Response to “規制より教育”

  1. sonohigurashi
    6月 1st, 2008 at 08:09
    1

    両方必要なのでしょう。マジメに。

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