インサイド・ジョブ : そして3・11との類似性

10月 4th, 2011 Categories: 1.政治・経済

ブッシュ大統領の時代に加速した金融緩和は、サブプライムローンを組み込んだ金融派生商品を生み出して、空前の不動産バブルをドライブしました。しかしサブプライムローンは時限爆弾であり、2008年に爆発して世界同時不況を生み出しました。俗にいうリーマンショックです。

インサイド・ジョブは、リーマンショックが起きた原因について、政官学を巻き込んだ癒着の構造に焦点を当て、鋭く切り込んで問題点を暴き、アカデミー賞を受賞した大変興味深い経済ドキュメンタリー映画です。投資会社のCEOが監督官庁のポストについて利益背反が生じたり、問題のCDOを含むデリバティブ商品についての規制強化を阻止する為に、金融業界が大量の金を政界、ロビイスト、大学へばらまき、議員が規制を阻止する法律を作ったり、高名な経済学者が規制緩和にお墨付きを与えたりした問題を、当事者達とのインタビューをベースに、事の始まりから終わりまでのストーリーを順を追って構築しており、見る価値の十分にある映画です。

このように、政官学が業界と癒着する事でお手盛り行政が行われ、技術的には予測可能であったリスクを、みなが見てみぬフリをするので「想定外」の事は起こらないと信じてしまい、最終的には想定通りの破滅が到達してしまうというシナリオは、福島第一原発の事象を招いた状況にそっくりといえるようです。

映画を見終わって思ったのは、大企業の役員が企業と行政府の官職とを何度も往復できる米国にくらべれば、日本の官僚天下りから生じるモラルハザードの弊害は小さいと言えるのかもしれません。

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