中国当局がマイクロブログを規制

最重要課題である社会の治安維持の為に情報統制を行ってきた中国政府ですが、経済発展に伴うネット人口の増大と、情報伝達技術の急速な発達により、ネット情報の統制に綻びが生まれ、状況への適応に苦労しているようです。

中国当局のマイクロブログ検閲は実を結ぶのか

中国政府のネット検閲技術は政府レベルでは世界最先端といわれ、その代表例であるグレートファイヤーウォールは有名です。しかしながら、4億8500万人という世界最大のネット人口を持つ中国で、膨大な情報量をリアルタイムに処理し、更に高度に政治的な判断を自動的に行わせるのは現実的に困難です。故に、情報がネット上にアップされてから、記事削除やサイト閉鎖などの判断がおこなれるまでには、見たところ数時間から数日のタイムラグがあるようです。

以前の公衆的なネット検閲はホームページ、掲示板、ブログなど比較的「静的」な情報が検閲対象で、社会的な騒動が起きてから政府側がアクションを起こしても一定の鎮静効果があったようです。ところが2億人のユーザーを獲得した新浪微博のマイクロブログは、即時性の高い通信手段であり、話題性を持つ情報は数時間以内に広範囲かつ多数のユーザーへ情報が伝達し、別のブログや掲示板に次々と拡散して行きます。故に、以前のような検閲方法で、数日後にもとの情報を削除しても沈静化の効果が得られないのです。

ところで隈井孝雄氏によれば、今年の8月22日に中国共産党政治局担当者が新浪微博を訪問して、「情報をミスリードするようなニセの噂などを排除し、新しいメディアであるミニブログの正しい発展を図って欲しい」と申し入れ、すぐ後に26日に新浪微博はデマを投稿した2人に、「ニセの噂を流したため、一ヶ月間投稿とフォロワーの追加を禁止」のペナルティーを与えたそうです。

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中国で会社登記する場合、企業は営業許可証に事業内容を具体的に明記する事が求められ、事業内容がその範囲から逸脱すると、(会社登記を行う地方政府は)営業許可証を取り消して会社を潰してしまう事が現実的に可能です。そして最近興隆しているネット上の多様なサービス(たとえばマイクロブログ等)は、私の経験によれば、登記時に要求される「旧世代」の文言で厳密に定義する事は困難です。つまり新浪微博は、出版社などと同様に、政府を敵にまわすと潰されるリスクが高いと言えます。

中国政府(特に地方政府)から見ると、新浪微博は「目の上のたんこぶ」のような存在に映るでしょう。しかしその一方で、2億人のネットユーザーを持つ新浪微博は、潰す事自体が社会不安の要因となり得ます。ユーザーへのペナルティーというのは、苦悩する政府による苦肉の策と言えるかもしれません。

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