アップルが近視眼的とは驚いた

9月 16th, 2011 Categories: 1.政治・経済

私は下記の記事を読んで、2度驚きました。

アップルとソニー その差はどこにあるか

最初は記者の驚きを共有するかたちで、下記の記事中の引用記事の内容についてです。

「アメリカ経済は、短期的利益だけを追い求める近視眼化の傾向をますます強めている。その象徴がアップルだ。独自の技術を開発したわけでなく、さまざまな既存技術を寄せ集めただけの製品で利益を伸ばし、ついには時価総額がアメリカ第2位になってしまった」というのである。

上記記事の根底には、新しい技術こそが長期的な利益を生むという考え方があるのだとおもいますが、それは間違いです。利益を生み出す主体は技術ではなく、それを消費者が受け入れ易い付加価値へ、いかに高めるかというところにあります。たとえば日本はレーザープリンタのエンジン技術で世界をリードしていますが、実際に儲けているのは、日本メーカーからプリンタ・エンジンを購入しているHPです。

もう一つの驚きは、iPhoneに対する、下記のような記者の評価についてです。「背後にネットがあること」なんで、陳腐すぎます。

アイフォーンの重要な点は、タッチパネルというよりは、背後にインターネットがあることだ。

私はiPhoneが市場に現れる何年も前から、旧世代のスマートフォンを使っていました。日本ではいざしらず、アジアにはHTCという台湾の大御所や米のパームがあり、スマホがネットに繋がるのは常識でした。しかし、iPhone以前は、スマホはニッチな商品でした。

では、iPhoneがどうして世界中にスマホの市場をこれほど拡大したかとえば、iOSの革新的なユーザー・インターフェーズで、子供から老人まで、スマホからネットへのアクセスを飛躍的に容易にした為です。

私はiOSの革新的なユーザーインターフェースを、まるごとひっくるめて、一つの新しい技術と呼んでも良いのではないかと思っています。

最後に、アップルは近視眼的か、という事についてですが、これはもう、アップルとiPhoneというものをまったく理解していないとしか言えません。iPhoneとiPadは、アップルが新しい文化を消費者へ仕掛けた商品です。新しい文化が、四半期の一つや二つで立ち上がる訳がありません。iTuneストアとのバンドルも含めて、長期で利益をアップルへ囲い込む垂直統合モデルかと思います。

まあ、イノベーションを技術革新と翻訳するアジア人(日本を含む)は、アップルが成功している本質的な理由はなかなか理解できないでしょうね。

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