予防原則は行政上の原則である

予防原則は、EUが1992年にマーストリヒト条約で、「環境政策」上の基本原理として策定したものです。つまりこれは行政上の原則です。

武田邦彦氏は、一関市長へ宛てた返事の中で、「学者が学問的見地から発表したことを、政治、行政などがどのように解釈し、それを参考にするかは政治、行政側の問題であり、学者は学問的良心に基づくべきで、社会的なことを過度に配慮してはいけない」と述べました。

ところで、1年1ミリシーベルトは、科学的な根拠はありません。1年1ミリシーベルトは、疫学的な観点から、行政的な原則として決定されたものです。(疫学は、厳密な意味での自然科学ではないと考えます。)

もし、1年1ミリシーベルトの根拠を、予防原則に基づくものであるというのであれば、予防原則は科学とは関係のない、行政上の原則ですから、予防原則を科学の前提条件とする事は問題があるのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、「学者は政治的なこと、社会的なことを過度に配慮してはいけない」と考えます。武田氏の予防原則へのこだりは、この言葉に矛盾してはいないでしょうか。

Facebook Comments
Tags:
Comments are closed.