OECDが日本の正社員過保護を批判
今日の日経ビズプラスによれば、OECDは加盟先進国の労働市場において、日本の正社員の保護は過剰であり、非正規社員との格差が大きく、効率的な労働市場を目指すには格差を縮小すべきであるとの事である。
経済協力開発機構(OECD)は4日、加盟先進国の労働市場に関する分析をまとめた。日本は正社員へ手厚い雇用保護をしている半面、パートなど非正社員の処遇改善が遅れていると指摘。正社員への過剰な保護を緩める政策的な取り組みが進んでいないと批判した上で、正社員・非正社員の待遇格差を縮めて、より効率的な労働市場を目指すべきだとした。
今回の分析は加盟各国に構造改革を促す報告書「成長に向けて(2008年版)」に盛り込んだ。
OECDは現行の雇用法制や過去の判例などを集めて、各国の労働者がどれだけ解雇されにくく守られているかを示す「雇用保護指数」を算出。指数は0から6までで、値が大きいほど保護の度合いが強い。。(パリ=野見山祐史)(2008/03/05:日付は筆者追加)
この記事を読んで、すぐに思い出したのは池田信夫blogのフリーターを「正規雇用」にという記事である。この記事の中で池田氏は、
雇用形態による解雇制限の差別を禁止し、すべての労働者を契約ベースの「フリーター」にするぐらいの抜本的な 改革が必要だ。年功序列という名の年齢差別も禁止し、年金もポータブルにして退職一時金も廃止し、全労働者を機会均等にすべきだ。同時に職業紹介業も完全 自由化し、民間の雇用データベースを充実させる必要がある。このように人的資源を労働市場で再配分することが、OECD諸国で最低レベルに転落した日本の 労働生産性を上げるもっとも効果的な手段でもある。
かなり過激に聞こえるけれども、その要旨は、今回のOECDのレポートを予見するような内容である。
ストレスの無いところに競争はなく、競争の無いところに発展はない。
ひとたび入社すれば倒産でもしない限り終生安泰ともいえる過保護な状況は、日本の正社員から、ダイナミズムを奪っているのではないだろうか。
これはまさに、大いなる国益の損失であるといえまいか。
規制改革会議の第2次答申でも同じ趣旨が論じられていますね。その前の労働タスクフォースの意見はもっとストレートです。
解雇の制限は、現在正社員の既得権益保護のもとで、現在正社員でない人に著しい不利益を与えるものだ、ということは、わたしも論じたことがあります。
http://www.h6.dion.ne.jp/~law/rou/kaikoken.htm
http://www.h6.dion.ne.jp/~law/rou/henkou.htm
http://www.h6.dion.ne.jp/~law/rou/roukeiho.html
>Logic Starさん
興味深い情報、有難うございます。参考になりました。