iPadが爆発する件

誤解を招くといけないので最初に要点を述べると、iPadは革新的なユーザーインターフェイスによって、これから市場が爆発的に大きくなるという事です。

失われた身体性を求めて

elm200さんのお母上は、香港で一緒に食事をした事がありますが、70歳近いとは思えない元気で若々しい方です。そのお母上が、今年のはじめにiPadを買い、気に入って友人にまで勧めているという事を知りました。elm200さんは、物理的なメタファーを多用し、直感的でマウス不要の革命的なユーザーインターフェイスのおかげで、子供と老人がネット上の資源にアクセスできるようになったと述べています。

実は75歳を越える私の叔母が、話し相手であった私の母が亡くなった寂しさを紛らわすために犬を飼いたいといので、それよりもネットでブログをやりなよと勧めていました。しかし私は普段は遠く離れた香港にいて、パソコンを手取り足取り教える時間がありません。いろいろ悩んだあげくに、キーボードとマウスとWindowsという3大障壁を持つパソコンではなく、iPadの購入を勧めました。家にはネット環境が無かったので、ADSL回線は引かず、あえて3Gの無線とWifiが一体化したauのアダプタ(ど田舎はソフトバンクの電波が届かず、ドコモよりauの方が回線速度が速い!)を購入しました。iPadはどこへでも持ってゆけるので、ネット環境ももってゆけるほうがユーザーに優しいとも考えました。結果は上々で、メールの出し方はなかなか覚えられませんが、来たメールを読むのと、ブラウザで虫の音博士の叔父のブログを毎日見るのと、Youtubeでお気に入りのアイドルの映像を楽しむ事までの操作は、たった半日で習得しました。驚くべき事です。

「汎用タブレット市場」はそもそも存在するのか?
iPadが大成功を収めている中で、Android端末はどうかというと、まったく奮わないようです。中島聡は、そもそも汎用タブレットという市場が存在しないからだと述べています。

私がAndroid端末を触った経験で得た理由は、ハード的な性能の問題ではなく、ユーザーインターフェースであるAndroidが感覚的に違和感がある、という一言に尽きます。それは言葉で説明するのが難いのですが、双方を触り較べてみれば、数十秒から数分でわかります。これは、どちらを買おうか店頭で迷っている人が、デモ機を触っている間に識別できる事なので、非常に致命的ではないかと思います。

日本のハードメーカーがAndroid端末を出す時は、ハード屋的な思考でスペックや搭載アプリを追求するのではなく、ハードとAndroid(OS)そのものの親和性を高め、Android部分の操作性のスムーズ感を高める努力をおもいっきりやるべきだと思われます。

ところでiPadの革新的なユーザーインターフェースの完成度が高いのはなぜか?それはボタンの場所や数から、OSの画面操作まで、あらゆるところへ「口」を出すジョブズの偏執的で一貫したポリシーが大きく影響しているのだと考えられます。「なんでも出来ます」の汎用思想ではなく、「俺の考えた通りにすればみんな幸せになれるんだよ」という独善的思想から生まれた事は間違いありません。日本メーカーの一般的な集団開発体制でキャッチアップできない事は確かです。

iPadを追撃するには、ネット端末かくあるべしというポリシーを持ったリーダーを決めて、その人が心底納得できる商品を開発するつもりで望まないと、iPadと競合する事は難しいでしょう。それを越える事ができれば、老人・子供をネットへつなげる世界市場へ参入する事は十分に可能ではないかと考える次第です。

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