プルトニウムは貴重な資産

8月 4th, 2011 Categories: 1.政治・経済, 2.科学技術

地球上の化石燃料が有限であり、大深度の海底の油田まで掘り尽くすのに、数百年を待つ必要はないでしょう。天然ガスと石油を掘りつくし、石炭を掘りつくし、オイルサンドを使い尽くしたその時に日本の発電はどうするのか?日本の政府には、そういう遠い未来を見据えたエネルギー政策が必要です。

日本に最も適した再生可能エネルギーは水力発電です。そこいらじゅうにダムを作り、水力発電所を作りまくれば、かなりの電力供給は可能でしょうが、足りるとまでは言えません。太陽光や風力の発電は、日本の狭い領土で行う限り、未来永劫、主力にはなり得ません。ではどうするのか?

数百年の未来には核融合発電が実用化されているかもしれないが、永久に無理かもしれない。かなりの工学的イノベーションを必要とする核融合は、現時点で有望なエネルギー源とはいえません。ではどうするのか?

有望な原子力がもう一つあります。高速増殖炉は、核燃料としてプルトニウムを燃やしながら、平行して、発電に寄与しないウラン238からプルトニウムを作り出す事を繰り返すので、理屈の上からは数百年くらいは発電の燃料供給できると推測されます。

高速増殖炉は日本を含む何カ国かで実験炉まで成功させています。事故などにより閉鎖されたものがほとんどですが、その理由は、軽水炉と比較して経済的なデメリットが大きかったからと考えます。発電する事自体は、問題はありません。工学的な改善も十分に可能と思われます。地上の化石燃料が減少し、輸入する事自体が困難になるであろう数百年後の世界では、少々の事故リスクに目をつぶって原子力発電したいと考える時代が、非常に高い確率で訪れます。

貴重なプルトニウムは、その時の為に地層などへ、大事にしまっておくべきです。我々の遠い子孫の為に。

Facebook Comments
Tags:

2 Responses to “プルトニウムは貴重な資産”

  1. 通りすがり
    8月 20th, 2011 at 19:57
    1

    > 太陽光や風力の発電は、日本の狭い領土で行う限り、未来永劫、主力にはなり得ません。

    とほほ…太陽光や風力のエネルギー密度は確かに低いが、既存の土地利用とコンフリクトしないため、「日本の狭い領土」ですら、極めて大きな発電能力が期待出来るんだけど。少しは勉強したら?
    http://www.isep.or.jp/images/press/110516ISEPpress-Shukanpost.pdf

    > 高速増殖炉は…発電する事自体は、問題はありません。

    フランスが撤退したのは、まさに技術的困難からなんだけどな〜
    http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=14-05-02-12

    原子力エネルギーの研究開発自体は否定しないが、いつ実用化するか分からない高速増殖炉に期待するよりは、再生可能エネルギーや蓄電・送電技術の開発に力を注いだ方が現実的だと思うんだけど。

    > 貴重なプルトニウムは、その時の為に地層などへ、大事にしまっておくべきです。我々の遠い子孫の為に。

    っておい、マジで言っているのか!?
    遠い子孫から恨まれるぞ。
    http://www.uplink.co.jp/100000/

  2. bobby
    8月 20th, 2011 at 23:24
    2

    通りすがりさん、コメント有難うございます。

    >極めて大きな発電能力が期待出来るんだけど。

    地上の太陽光エネルギーは1平米で1365W。現在の太陽電池で高効率(20%)のものを前提としても、1365W x 20% = 273W。これをDC/DCコンバーターを通して昇圧し、蓄電池にエネルギー蓄積して安定化させ、再度のDC/ACコンバーターを通して商用電源を発生させると、273Wのさらに半分以下(130W程度)?になるのでしょうか。つまり、太陽電池で安定した電源を供給しようとすると、もともと低いエネルギーの10%くらいになり、極めて非効率だという事です。しかも、最大効率で発電できるのは1日に数時間です。これでは家の屋根を太陽電池で埋めても、エアコンを1台、数時間ほど使えるかどうかという程度です。しかも、寿命は20年程度と言われています。
    >http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=3485

    >フランスが撤退したのは、まさに技術的困難からなんだけどな〜

    小型から中型の実験炉は各国で動いてました。廃れたのは、事故が多い事と、コストが高い事ではないでしょうか。化石燃料が極めて高騰するであろう数百年後の未来には、多少の事故や放射能漏れは許容される時代がきっと来るでしょう。

    >遠い子孫から恨まれるぞ。

    水力くらいしか大規模な発電がないような未来にする方が、よほど「遠い子孫」から恨まれるだろうと思っています。

Comments are closed.