太陽光発電の限界を知るべし

8月 3rd, 2011 Categories: 1.政治・経済, 2.科学技術

日本のマスコミやネット論壇の一部では、再生可能エネルギーの主力として、太陽光発電が非常に期待されているようです。水力発電はダムという大規模環境破壊を起こし、風力発電は低周波という健康被害を与えます。地熱発電も潮力発電も、局所的な自然エネルギーを利用する以上、環境破壊が起きない筈はありません。そこへ行くと太陽光発電は、天から降ってくる光を太陽電池にあてるだけなので、高周波を撒き散らしたり、積極的な環境被害を起こす可能性はかなり低いと言えます。しかし、かくも理想的な再生可能エネルギー源ですが、太陽電池には根本的な問題があります。

太陽電池は光子を電気に変換する光起電力効果というものを利用して発電します。そもそも地上に到達する太陽光の単位面積当たりのエネルギー量は、発電燃料として考えた場合に、それほど大きくありません。エネルギー保存則により、投入した以上のエネルギーを得る事はできませんから、太陽光発電は、どれだけ技術革新を起こして、どれだけ変換効率を高めようと、理論的に100%の壁を越える事は不可能であり、得られるエネルギー密度は極めて低いのです。

単位面積あたりの太陽光の理想的なエネルギー量は、こちらの計算によれば1365W/m2になります。どんな新しい理論が生まれようと、どんな技術革新が起きようと、この入力エネルギー(理想値)以上の発電を行う事は不可能なのです。

そしてこちらの記事によれば、太陽電池用の量産品で、変換効率の最も高い結晶シリコン型(現在は25%)が、約40年後の2050年でもせいぜい40%止まりとの予測です。

雨や曇りや雪の多い日本の気候、平地の少ない国土、そして運営する人間の高い人件費を考えると、日本の将来のエネルギーを太陽電池に頼ろうとする事がいかに馬鹿げた事であるかは明白になります。

但し、日本上空の静止軌道(つまり宇宙)あたりに、広大な太陽光発電プラントをつくろうというのであれば、話はまた違ってくるのですけどね。宇宙は広いし、24時間発電ができるし、雨も曇りもないし、単位面積あたりのエネルギー量も地上よりは大きいでしょう。

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