米農務省の焦りと欺瞞

2月 18th, 2008 Categories: 1.政治・経済

米国で過去最大とみられる6万5千トンの食用牛肉の回収を米農務省が指示した。

日経によれば、

【ワシントン17日共同】米農務省は17日、歩行困難の症状を示し食用が禁止されている「へたり牛」を処理していた疑いで調査していたカリフォルニア州の 食肉処理会社「ウエストランド食肉・ホールマーク食肉加工」に対し、適切な食品検査を怠っていたとして、2006年2月以降に処理、出荷した牛肉約6万 5000トンを回収するよう命じた、と発表した。米国で過去最大の牛肉回収という。(オリジナルサイトはここをクリック)

へたり牛=BSE末期症状では無い。

しかし、米農務省の見解は、へたり牛を抑えれば、BSE問題は安全という事だ。BSE問題で、米国の牛肉を輸入制限している国へ、「科学的根拠」に基づく輸入制限の緩和をプッシュしている農務省としては、今回の件ではびっくりしたに違いない。その焦りが、異例の大量回収というアクションを引き起こしたのではないか。

BSE牛が市場に流通した証拠は確認されていない上、問題の牛肉の消費量も分かっていないが、農務省は現時点では人体への危険は少ないとしている。

農務省の余裕の無い焦りが、「人体への影響は少ない」という子供だましの嘘につながっている。理由が理由だけに、回収した肉は廃棄せざるを得ない。これは業者にとっても莫大な損失になるはずだから、業界側の抵抗もあったはずだ。大規模業者の利益を保護する農務省、それでも回収させたという事は、そうとう「まずい」事態を想定しているに違いない。それにもかかわらず、消費者に対して、「人体への影響は少ない」といっている事が、大きな欺瞞に他ならない。

米国から牛肉の輸入帰省緩和を迫られている国(特に日本、韓国、台湾、中国、香港)のマスコミは、本件について、もっと米国を非難すべきである。いくら「科学的な根拠」といっても、現場に不正があれば、それは机上の空論にすぎない。

Facebook Comments
Tags:
Comments are closed.