中国人はどうやってベンツを買うか
ベンツを買う時に、なぜ小切手やクレジットカードではなく「現金」なのか。それはつまり銀行預金できない「違法」な金だから。そんな不法収入は、政府の役人や共産党員や、それと絡む企業によって生み出される、と結論付けているのはJBRressのこの記事です。
この記事はいくつか勘違いをしています。
不法収入であっても、何十万元、何百万元の現金を「タンス預金」にする筈はありません。それは泥棒に取ってくださいと言っているようなもので、非常に危険です。何らかの処理を行って、銀行へ預金可能にします。
彼らが現金を持参するのは、中国ではまだ小切手が社会的に信用されておらず、クレジットカードの上限金額はそれほど高くないからです。銀行振り込みは、支払う方が不安を感じます。
ところで数十万元のお金の話をするのに、政府役人の不正や賄賂の話をもってくる必要はありません。ホテル、レストラン、マッサージ、サウナなど、比較的規模の大きなサービス業形態の事業で、悪賢く「脱税」すれば、数十万元のお金は1年もあれば貯まるようです。
中国のサービス企業は、監査法人による外部監査もなく、企業所得税は地元の税務署とネゴ可能であり、増値税(日本の消費税のようなもの)の為の政府指定領収書は「贋物」が横行しています。またお客が「領収書を下さい」と言わない限り増値税の領収書を発行しません。それはすなわち脱税です。
このような脱税行為は、中国のサービス型企業では全中国のいたるところで行われており、このようにして儲けたお金が、ベンツやマンションの購入資金になっている事は確かです。