原発のコストと環境破壊
4月 10th, 2011
Categories: 1.政治・経済
原発の発電コストに災害時の対策や補償費を含めようとする人がいるようだが、それはどうだろうか。逆に火力、水力、ガスの発電コストに、それらを含ませているのだろうか。石炭の炭鉱、石油の油田では絶えず事故が起こり、時に大規模となり、多くの人命が犠牲になる。しかしながら、誰もそれを理由に火力発電を止めようという話にはなりません。
原子力発電の事故による放射能汚染(環境破壊)を問う人がいますが、では石油はどうなのでしょう。石油タンカーや海底油田からの大規模な海洋汚染は過去に何度も発生しており、その都度、自然を破壊してきました。環境破壊のチャンピオンはは、原子力ではなくて石油のようです。
我々は文明国で生まれ、立派な教育を受けた大人です。我々にとって原子力が必要なのか、切り捨てられるのか。恐怖という感情に突き動かされるのは止めて、理性的に判断するべきです。
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丸々全て計上するのは確かにどうかとも思いますが、保険の掛け金のような形でコストに計上する必要はあるのではないでしょうか?石油関連の事故の補償については多くは会社負担でしょうから、価格に保険の掛け金としてコスト計上されているのではないかと思われます。また廃棄物処理や廃炉にかかるコストも含めて計算する必要があると思います。こちらについては原子力以外のエネルギーについても計上する必要があると思いますが、圧倒的に原子力の方が高コストではないかと思います。
furankenさん
石油の油田は、これから益々、大深度海底の油田掘削が増えると思うので、昨年のフロリダ沖海底油田事故に学んで、損害賠償の内部積み立てを行うべきかと思います。
原発については、菅政権は「ひとつの原発事故による電力会社の賠償責任の上限を1200億円」と定めた法律を無視して、青天井に近い賠償請求をする事を検討しているようです。政府が作った法律を政府が無視するというのはどうかと思いますが、未来の原発事故に対して電力会社の「賠償責任の上限額を増やす」のであれば、まずは法律改正からはじめるべきではないかと思います。法律が改正された後で、賠償上限金額に応じて、電力会社は保障の積み立てスキームを検討すればよいのではないでしょうか。
原発のコストがどのように高くなるかという定量的な議論をすべきであり、それは法律改正の後でも十分に間に合うと思いますがいかがでしょう。
bobbyさん
確かに採掘そのものの難しさだけではなく、事故対策の難しさもコストに含めるべきでしょうね。
太陽電池も廃棄処理にはかなりコストがかかると言いますし。
ただ、法律を制定してからでも間に合うというのは難しいかと思います。
補償金額については「万が一の時にどれだけ補償してくれれば、受け容れてもいい」という感情論は避けて通れず、その感情論を解決しないと、合理的な議論を始められないという矛盾があるのではないでしょうか。
自分でもうまく考えがまとまらず、申し訳ないのですが、これまでも「危険な物を身近に置きたくない」という感情を金銭でやりとりしてきた訳ですから、感情論を無視するわけにもいかないと思います。
また、最大電力需要を抑えるためのコスト(省エネやピークシフトのためのコストなど)との比較も必要になるかもしれません。
まとまりのない文章になりすみません。
furankenさん
コメント有難うございます。そしてレスが遅くなりすみません。
日本のエネルギー問題には、理想的な正解はないと思います。そもそも震災によるリスクは二次的な問題であり、安定供給や未来における継続的なエネルギー確保こそが一次的な問題であったはず。いまは木を見て森をみていない状況ではないでしょうか。