海水注入は格納容器か圧力容器か?

3月 23rd, 2011 Categories: 1.政治・経済, 2.科学技術

保安院のプレス発表で、原子炉への海水注水について、地震被害情報(第20報)(3月13日 16時30分現在)から「格納容器内へ消化ラインを用いて海水注水」となっていましたが、地震被害情報(第28報)(3月17日17時30分現在)及び現地モニタリング情報から、「原子炉圧力容器内に消火系ラインを用いて海水注入」という表現に変わっています。それまでずっと、圧力容器を格納容器と勘違いしていたのか、それとも第28報から間違いが始まったのか、いったいどちらが正しいのでしょうか。この間違いは東電が原因か、それとも保安院が原因なのでしょうか。どちらにしろ、こんな重要なところで間違えるとは、あいかわらず政府発表の情報の信頼性は低いと言わざるを得ません。

参考として、保安院のプレス発表(地震被害情報(第43報)(3月22日18時00分現在))から、津波発生第一報(11日 16:36)から現在までの福島第一原発の各施設の状況サマリーを下記にコピペしましたのでご参照下さい。(下記の1号機から3号機までの内容で、圧力容器格納容器の記述には、私が色をつけています。)

<1号機関係>

・原子力災害対策特別措置法第15条(非常用炉心冷却装置注水不能)通

報(11 日 16:36)

1号機の原子炉圧力容器内に消火系ラインを用いて海水注入開始(12 日

20:20)→14 日 01:10 一時中断

・1号機で爆発音。(12 日 15:36)

原子炉圧力容器へ海水注入中。(22 日 18:00 現在)

<2号機関係>

・原子力災害対策特別措置法第15条(非常用炉心冷却装置注水不能)通

報(11 日 16:36)

・3号機の建屋の爆発に伴い、原子炉建屋ブローアウトパネル開放(14 日

11 時過ぎ)

・原子炉圧力容器の水位が低下傾向(14 日 13:18)。原子力災害対策特別措

置法第15条事象(原子炉冷却機能喪失)である旨、受信(14 日 13:49)

原子炉圧力容器内に消火系ラインを用いて海水注入準備(14 日 19:20)

・原子炉圧力容器の水位が低下傾向(14 日 22:50)

・2号機で爆発音するとともに、サプレッションプール(圧力抑制室)の

圧力低下(15 日 6:10)。同室に異常が発生したおそれ(15 日 6:20 頃)

・外部送電線から予備電源変電設備までの受電を完了し、そこから負荷側

へのケーブル敷設を実施(19 日 13:30 現在)

・使用済燃料プールに海水を40t注入(冷却系配管に消防車のポンプを

接続)(20 日 15:05~17:20)

・2号機のパワーセンター受電(20 日 15:46)

・白煙が発生(21 日 18:22)

・白煙はほとんど見えない程度に減少(22 日 7:11 現在)

・使用済燃料プールに海水を 18 トン注入(22 日 16:07~17:01)

原子炉圧力容器へ海水注入中(22 日 18:00 現在)

<3号機関係>

3号機の原子炉圧力容器内に消火系ラインから真水注入開始(13 日 11:55)

3号機の原子炉圧力容器内に消火系ラインから海水注入開始(13 日 13:12)

・3号機及び1号機の注入をくみ上げ箇所の海水が少なくなったため停止

(14 日 1:10)

・3号機の海水注入を再開(14 日 3:20)

3号機の格納容器圧力が異常上昇(14 日 7:44 )。原子力災害対策特別措置4

法第15条事象である旨、受信(14 日 7:52)

・3号機で1号機と同様に原子炉建屋付近で爆発(14 日 11:01)

・3号機から白い湯気のような煙が発生(16 日 8:30 頃)

3号機の格納容器が破損しているおそれがあるため、中央制御室(共用)

から作業員退避(16 日 10:45)。その後、作業員は中央制御室に復帰し、

注水作業再開(16 日 11:30)

・自衛隊ヘリにより3号機への海水の投下を4回実施(17 日 9:48、9:52、

9:58、10:01)

・警察庁機動隊が放水のため現場到着(17 日 16:10)

・自衛隊消防車により放水(17 日 19:35)。

・警察庁機動隊による放水(17 日 19:05~19:13)

・自衛隊消防車5台が放水(17 日 19:35、19:45、19:53、20:00、20:07)

・自衛隊消防車6台(6t放水/台)が放水(18 日 14 時前~14:38)

・米軍消防車1台が放水(18 日 14:45 終了)

・東京消防庁ハイパーレスキュー14台が正門前に到着し(18 日 23:10)、

うち、6台が地上放水のため発電所に入構(18 日 23:30)

・東京消防庁ハイパーレスキュー隊が放水(20 日 3:40 終了)

3号機の格納容器内圧力が上昇(20 日 11:00 現在 320kPa)。圧力下げる

ための準備を進めていたが、直ちに放出を必要とする状況ではないと判

断し、圧力監視を継続(21 日 12:15 120 kPa)

・ケーブル引き込みの現地調査(20 日 11:00~16:00)

・東京消防庁ハイパーレスキュー隊が3号機の使用済燃料プールに放水(20

日 21:39~21 日 03:58)

・外部電源復旧工事中。

・灰色がかった煙が発生(21 日 15:55 頃)

・煙が収まっていることを確認(21 日 17:55)

・灰色がかった煙は白みがかった煙に変化し終息に向かっていると思われ

る(22 日 7:11 現在)

・東京消防庁ハイパーレスキュー隊が放水(22 日 15:10~15:59)

原子炉圧力容器へ海水注入中(22 日 18:00 現在)

<4号機関係>

・原子炉圧力容器のシュラウド工事中のため、原子炉圧力容器内に燃料は

なし。

・4号機の使用済燃料プール水温度が上昇(3 月 14 日 4:08 時点 84℃)

・4号機のオペレーションエリアの壁が一部破損していることを確認(155

日 6:14)。

・4号機で火災発生。(15 日 9:38)事業者によると、自然に火が消えてい

ることを確認(15 日 11:00 頃)

・4号機で火災が発生(16 日 5:45 頃)。事業者は現場での火災は確認でき

ず(16 日 6:15 頃)。

・自衛隊が4号機の使用済燃料プールへ放水(20 日 9:43)

・ケーブル引き込みの現地調査(20 日 11:00~16:00)

・自衛隊が4号機の使用済燃料プールへ放水(20 日 18:30 頃~19:46)

・自衛隊消防車13台が使用済燃料プールに放水(21 日 06:37~08:41)

・パワーセンターまでのケーブル敷設工事完了(21 日 15:00 頃)

・パワーセンター受電(22 日 10:35)

・コンクリートポンプ車(50t/h)による放水開始(放水時間は3時

間の予定)(22 日 17:17)

<5号機,6号機関係>

・6号機の非常用ディーゼル発電機(D/G)1台目(B)は運転により電力

供給。復水補給水系(MUWC)を用いて原子炉圧力容器及び使用済燃料

プールへ注水。

・6号機の非常用ディーゼル発電機(D/G)2台目(A)起動。(19 日 4:22)

・5号機の残留熱除去系(RHR)ポンプ(C)(19 日 5:00)及び6号機

の残留熱除去系(RHR)ポンプ(B)(19 日 22:14)が起動し、除熱機

能回復。使用済燃料プールを優先的に冷却(電源:6 号の非常用ディーゼ

ル発電機)(19 日 5:00)

・5号機、冷温停止(20 日 14:30)

・6号機、冷温停止(20 日 19:27)

・5号機及び6号機、起動用変圧器まで受電(20 日 19:52)

・5号機、電源を非常用ディーゼル発電機から外部電源に切り替え(21 日

11:36)

<使用済燃料共用プール>

・18日6:00過ぎ、プールはほぼ満水であることを確認。

・19日9:00時点でのプール水温度は57℃程度。

・共用プールに注水(21 日 10:37~15:30)

・21日16:30時点でのプール水温度は61℃程度。

参考資料
池田信夫blog : 危機は避けられたか
アゴラ:デスマーチの責任

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4 Responses to “海水注入は格納容器か圧力容器か?”

  1. minourat
    3月 24th, 2011 at 16:57
    1

    それから、 圧力容器の圧力がゲージ圧力で、 格納容器のの圧力は絶対圧力であることを、 保安院の広報担当が知らなっかたということもありました。 これは、昨日から絶対圧力に統一されました。

    もっとも、私は両方とも絶対圧力であると思って、温度の推定を誤りました。 人のことはいえません。

    Web上の情報はもっとひどいです。 

    津波による交流電源喪失の後は、 バテリーによりECCSが動いていたのか、 タービン駆動のHPCIが動いていたのかが不明です。 RHRには電源が必要ですので、 ECCSが働けば圧力抑制室の水温は上昇します。 ECCSが停止したのは、 この温度上昇によるのか、 バテリーがきれたのか、 それとも、 HPCI用タービンの蒸気が充分でなくなったのか、 情報は錯綜しています。 そもそも、 タービン駆動のHPCIがなくて、モータ駆動のHPCSしかないという図面もみました。これらすべての説があります。

    保安院も誤りは訂正していますし、次のような正確そうな情報公開もありました。

    11日14:46 運転中、地震により自動停止
    11日15:42 全交流電源喪失
    11日16:36 非常用炉心冷却装置注水不能
    12日01:20 格納容器圧力異常上昇
    12日14:30 ベント開始
    12日20:20 海水及びホウ酸の炉心注入開始

    新聞記事にも誤りは多いし。 大前研一先生すら、EECSはバテリーで8時間ほど動いていたといっていました。

  2. bobby
    3月 24th, 2011 at 18:58
    2

    minouratさん

    新聞やテレビの報道、我々のようなブログやTwitterに至るまで、世の中に原発事故の俄か解説者がわらわらとおり、しかも必ずしも正しくない情報を流している原因というのが、そもそも原発事故の情報の透明度が極めて低く、絶対量が不足しているからです。それらの根源にある問題は、東電の隠蔽体質が原因のようです。

    政府が国内外のマスコミや政府へ、十分な量の正しい情報を適時流していれば、米英政府やIAEAから不審の目でみられる事もなかったかと思うと東電の経営者に対して怒りが込み上げてきます。

  3. minourat
    3月 28th, 2011 at 15:19
    3

    これはどういうことですか?

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110328-00000049-mai-soci

    『東電福島第1原発2号機のタービン建屋地下で見つかった高い放射能を帯びた汚染水に関し、政府の原子力安全委員会(班目春樹委員長)が取りまとめる見解の原案を明らかにした。安全委の見解によると、汚染水は「一時溶融した燃料と接触した格納容器内の水が何らかの経路で直接流出したと推定される」としている。』

    溶融した燃料が格納容器内の水と接触したとなると、 圧力容器に穴があいたということですか?

  4. bobby
    3月 28th, 2011 at 16:51
    4

    minouratさん

    報道内容に含まれる情報は、これまでの経緯から、必ずしも信用できるとはいえません。しかしながら仮に記事内容が正しいとすれば、朝日新聞の絵(下記)にある「たまり水」の位置は、格納容器からは離れたタービン建屋のようですから、1次冷却水の循環系等のどこかが壊れたのかもしれませんね

    http://2ch.to/6qZm1UYV7qyuYku8mEgKCi

    圧力容器の内部圧力が異常に高くなった場合、圧力容器自身より、それにつながるパイプや継ぎ目の方が、一般的に、圧力の限界は低いだろうと推測します。

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