中国におけるB-CAS受信機の実情

池田信夫blogで、Friio規制に対する記事が出て、引用されていた日経IT ProのFriio記事のしくみを調べていたら、上海駐在していた時の事を思い出しました。かの地では、3000元くらいの設置料を払うと、BSもWOWOWも面倒な契約や受信料無しで毎日好きなだけ視聴できるようにしてくれる地元業者がいました。外国人駐在員の多い中国の都市は、どこでも同様の業者がいると思いますが、国内のみなさん、ご存知でしたか?

この業者がしてくれる事は3つあります。

  1. パラボラアンテナをベランダへ設置。(ユーザーが購入)
  2. オリジナル受信機を設置。 (ユーザーが購入)
  3. B-CAS暗号鍵を破るカードの配布。

上記のうちで、一番大事なのは、3番目のカードの配布です。 日本側の放送で使用される暗号鍵は3-4ヶ月毎に変更されるようで、この期間が過ぎると放送が見えなくなります。そこで、次の(暗号鍵の入った)カードを業者へ要求して支給してもらいます。駐在員にとっては、これが一番やっかいな作業のようで、鍵が変更された後で、何週間も新しいカードを入手できない人がけっこう居たみたいです。たぶん、みんな不便に思っていたのでしょう。

そこで最近は、(上海の友人に聞いた話しで恐縮ですが)もっと新しいしくみへと進化しているようです。衛星受信機がパソコン経由でインターネット上の(暗号鍵を供給する業者の)サーバー へ接続し、新しい暗号鍵を自動的に落としてくるしくみが広がっているようです。これだと、カードを差し替える手間が不要なので、放送を見れなくなる期間が短縮またはゼロになるようです。
ここでB-CASの暗号鍵のしくみについて、これらの状況から考察してみますと、放送時に使用される暗号鍵は3-4ヶ月毎に変更されているようです。 日本でB-CASから支給されるオリジナルのカードは交換無しで使用可能だとすると、オリジナルカードには万能鍵が入っていると予想されます。台湾や中国の業者は、何らかの技術的な問題で、オリジナルの万能鍵を破るまたは複製する事が困難な為に、いま放送で使用されている鍵だけを特定して、ユーザーへ配布していると推測します。

この新しい方法によれば、海外でB-CAS対応チューナーや記録装置を製造して、国内へ個人輸入として販売する事は容易であるので、B-CASによるスクランブルとコピーワンスは事実上、無意味となる事が予想されます。

この先どうなるのか、実に興味深い事件です。

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3 Responses to “中国におけるB-CAS受信機の実情”

  1. bobby
    4月 17th, 2008 at 01:20
    1

    >そこで最近は、(上海の友人に聞いた話しで恐縮ですが)もっと新しいしくみへと進化しているようです。

    最近の状況報告です。華南(広州~深圳まで)を中心に配布している日本語のフリーペーパーの広告で販路を広げている業者で、国内地上波デジタル放送、BS衛星放送(NHKと民放)を中国内のインターネットADSLを介して、一ヶ月8000円程度で受信できるサービスが普及しつつあるようです。この仕組みは恐らく、中国内のどこかで放送を受信し、ソニーのロケフリに似た米国製のスリングボックスという簡易ストリーミング装置(業者側へ置く)と、業者が作成したと思われる特性の受信機(パソコンの代わりに使用し、TVへの出力端子があり、直接TVへ接続できる)でTVに接続して放送を受信できるようです。

    このサービスの実演を見ましたが、地上波デジタル放送がどのチャンネルでもリアルタイムで視聴でき、中国のインターネット回線にしては画像の品質が極めて良い事から、中国内でTV放送を受信しているものと思われます。BS衛星放送も、B-CAS受信機が不要なので非常に便利です。

  2. bobby
    8月 22nd, 2008 at 00:34
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    今日1日でこの記事に、4600件を超えるアクセスがありました。池田信夫blogの「B-CASが破られた?」という記事に書いたコメントから辿ってきたアクセスと思います。さすがアルファーブロガーの威力でしょうか。

    http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6249b595daf09d7e21c668c74e89c83d

  3. bobby
    8月 23rd, 2008 at 01:20
    3

    昨日も1日で1600件のアクセスがありました。

    一昨日のアクセスで興味深いドメインは文芸春秋、NHK、技術評論社、通信関係の会社などのほかに、総務省でした。

    昨日のアクセスで興味深かったドメインは、日本テレビ放送網、読売新聞、技術評論社、吉本興業、共同テレビジョンなどの他に、農林水産省農林水産技術会議というのもありました。

    アクセス者のドメイン名は、「なかのひと」の足跡機能を使っています。

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