行政のリーダーは原発事故で何をすべきか

3月 13th, 2011 Categories: 1.政治・経済, 2.科学技術

東京電力福島第一原子力発電所が爆発した件で、藤沢和希氏が管首相や枝野官房長官の「リーダーぶり」を批判しました。原発というきわめて専門性の高い知識を理解する能力を要求される施設の事故対策については、行政のリーダーは、専門知識を有する現場を信頼して、対処を一任し、最終責任だけををとるべきであるという事です。記事の主旨は理解できるのですが、細部について、行政リーダーは下記の件の要件を最低限抑えておくべきであろうと思われます。

1)現場の隠蔽工作への対策
  企業は自社の利益の為に、事故原因が自社側の責任であった場合に、証拠を隠そうとする可能性は否定できません。政府は専門知識と経験を有する政府側の調査チームを派遣し、現場報告の辻褄が合っているか、不審な作業の形跡がないかを、作業に支障が出ない範囲で監視する体制をつくるべきです。

2)作業現場の報告体制の確立
  現場の人間がマスコミを無視する事には何の問題もありませんが、少なくとも政府からの公式発表を定期的に行う必要があります。政府は現場作業を行う組織の責任者に対して、現場から情報を集めて下記に列挙した内容をまとめ、政府へ報告する報告チームの組織を作らせる。報告チームは現場の作業者から定期的に情報を集め、現場責任者と政府窓口への報告を行う体制をつくるべきです。

A)現在の概況
B)今後想定され得るダメージの程度や範囲(ダメージの程度を軽微から最悪までを数段階に分ける)
C)対処可能なオプションと現場意見
D)各オプションのメリットとデメリット

3)ダメージ・コントロール対策
  後方にある政府組織の中に、ダメージコントロールを行う専門家(ダメージコントロールの専門家、事故施設に関する専門家、自衛隊の関係者、米軍の関係者、県の行政・消防・警察・医療組織からの関係者)を入れて、政府や現場組織に対して客観的なアドバイスや勧告を行える体制をつくるべきです。何故なら、現場組織はしばしば、強い精神的な圧力により視野が狭くなる事があったり、施設価値を大きく毀損せざるを得ない大胆な対策を取る判断が鈍ったりする事が考えられます。周辺住民の避難などを決める行政責任者も、なるべく事を荒立てたくないというバイアスが働き、非難の時期や範囲を過小評価する可能性があるからです。

4)専門家の判断を支持して決断し責任を取る
 上記のような体制を自ら構築した後で、各組織が出すを報告を信じ、各組織が推奨する案に「決断」して、その「結果責任」を負うのが、行政リーダーの役割であろうと思われます。

このような時に不謹慎な例えかもしれませんが、私の専門分野であるIT関係の大きなプロジェクトでも、「事故」は常に発生し「現場情報収集」と「ダメージコントロール」を繰り返しながら正常化へ導く事に努めています。その経験から愚考してみました。

上記のような事は、東大法学部卒の有能な行政官が沢山いる政府内では、とっくに行われていると信じていますが...

Facebook Comments
Tags:

One Response to “行政のリーダーは原発事故で何をすべきか”

  1. ss
    3月 13th, 2011 at 19:32
    1

    bobbyさんはたぶん私の前のコメントを見過ごしてしまっています。

Comments are closed.