お財布携帯は世界に普及するか?

日本が誇る携帯電話文化の最先端である「お財布携帯」は、アジアに普及するだろうか?

 FujiSankei Businessによれば、NTTドコモは「おサイフケータイ」を海外へ普及させたいようだ。

≪日本は世界の最先端≫
 NTTドコモが日本で提供しているおサイフケータイは、同社だけですでに対応端末機が2400万台、ライセンスを受けている他社分を含めると約3000万台に達したとみられ、モバイル決済サービスで、日本は韓国と並び世界の最先端を走っている。
 おサイフケータイは現在のところ海外のサービスとの互換性はないが、ドコモは「海外での(標準化の)取り組みにも少しずつ参加していきたい」としており、将来は海外のサービスとの乗り入れが実現する可能性もある。(佐藤健二)

日本ではかなり普及してきたようだが、お財布ケータイがアジアや世界で普及しにくい理由が3つあると思う。

●携帯電話を気軽に取り替える(買い換える)ユーザーが多い。

 GSM/3Gの電話機は、携帯電話にSIMカード(電話番号の情報を保持した親指の爪くらいのサイズのICカード)を挿入して、電話の送受信が可能になるタイプの携帯電話が圧倒的に多い。だから携帯電話本体を気軽に取り替えられる状況があるし、しょっちゅう取り替えている人も多い。だから機械本体にお財布口座のユーザーIDを埋め込む事ができない。

●プリペイドカード(SIMカード)を使用しているユーザーが圧倒的に多い

 日本では、携帯電話(口座)と個人が緋付いているユーザーが圧倒的に多い。だから携帯電話は契約期間を定めた月額徴収・銀行口座支払いが多い。しかし、アジアや世界を見渡すと、家に固定電話を引けないかわりに携帯電話を使用しているユーザーが非常に多い。ローテクで高コストの固定電話を、ハイテクで初期費用が安い携帯電話が追い抜いた為だ。プリペイドカードのユーザーは、当然の事ながら契約の拘束もないし、銀行口座の支払いも無い。ゆえに電話番号が個人に紐付けられない。だからSIMカードにも、電話番号にも、お財布口座のユーザーIDを紐付けすると、ほんの一部の人しか利用できなくなってしまう。

 ●世界標準という技術的制約

英米のような先進国から、アフリカや東南アジアの発展途上国まで、GSM/3Gの技術が広範囲にカバーしている。逆に言うと、新しい技術を導入するには、時間とお金がたくさん必要。お財布ケータイのような通信、金融、リテール3つの業界にまたがるサービスを、世界中をカバーする通信ネットワーク機器に組み込む事は、導入する各国の法律や運用のすり合わせを考えると非常に困難だと考えられる。

5年後に、はたしてお財布ケータイはどこかの国に導入されているだろうか?

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