なぜユニクロの致命的欠点なのか

11月 9th, 2010 Categories: 1.政治・経済

加藤鉱氏はユニクロの致命的な弱点として、「洋服の好きな人」がいない会社になってしまった事を上げています。一方で賢太郎の物書き修行氏は、「日本を代表するアパレルメーカーが次々に破綻している理由は、この「洋服が好きな人」がいることが原因なのだと述べています。実際のところどうなのでしょうか?

アパレルによらず、似たような例は他にもありそうです。「技術の好きな人」がたくさんいる電機メーカーは、グローバル市場で、ハイエンドは韓国勢に、ローエンドは韓国・中国勢に負けています。パソコンや携帯電話のグローバル市場には、国産のメジャープレーヤーは1社も見当たりません。

ルノーに買収される前の日産は、「技術の日産」をキャッチフレーズにしていましたが、自慢の技術を駆使した車が市場で売れず、販売台数でホンダに抜かれ、企業としての危機を迎えていました。日産を救ったカルロス・ゴーン氏の手法は、危機を乗り越えた後に読んだ雑誌記事の記憶によれば、日産の技術を「売れる車」にする為の社会改革を行い、それにより販売台数が伸びて業界2位に復活したようです。

こうしてみると、企業に「高い技術」がある事は重要だか、それだけで成功する訳ではない事が理解できます。高い技術があっても、稚拙な経営者が運営する会社では、きちんと利益に変える事ができません。

さて、ユニクロとアパレル業界の話に戻ります。賢太郎の物書き修行氏は、より正確に言えば「洋服が好きなだけの人」「洋服のことしか分かってない人」しかいないことだからだ」と述べていますが、日本を代表するアパレルメーカーが次々に破綻している理由としては、それが正解ではないかと思います。社内のデザイン力や商品企画力を生かす事ができる経営者が不在な事が、大手の破綻を招いているのでしょう。その点で、ユニクロにはプロの経営者が居たので成功したと言えるのでしょう。

それでは、アパレル企業が成功する為には、デザイン力や商品企画力や素材の開発力などは不要なのでしょうか。そういうものは全て外部調達や、外部との共同開発を行えば良いという事でしょうか?

加藤氏の以前の記事である知られざる第三のビール戦争がヒントになるかと思います。ユニクロに拮抗する競合が現れた時、ユニクロも競合他社も、みんなが東レなどの繊維メーカーと共同開発を始めたら、ユニクロはいったいどうやって、自社商品のオリジナリティーを維持するのでしょうか。あるいは競合他社が東レの有力な担当者を引き抜いたら?

このように考えると、いまは独走状態で問題が見えないユニクロですが、デザイン力や商品企画力を自社内に蓄えておく事は、長期的なリスク管理の視野で見た場合には、やはり必要になってくるかと考えます。そのような力を蓄える為には、「洋服のすきな人」がやはり必要になってくるのでしょう。

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